「デッキ構築型ローグライク」というゲームジャンルがあります。カードゲームとローグライクを組み合わせたもので、やみつきになる中毒性があることからインディーゲームを中心に人気があるジャンルですね。
今回紹介する『モンタビ』は、そんなカードゲーム×ローグライクというゲーム性に「モンスター育成」の要素がプラスされた作品。要するに、ただでさえやみつきになるジャンルにさらに奥深さをプラスしたよくばりなゲームなんですね。
本作の冒険は、このジャンルではおなじみのマップ形式で進行。敵と出会ったり、アイテムを入手できるマスを選択しながら進んでいきます。
そして道中で出会った「モンタビ」と呼ばれるモンスターを仲間にして育てながら、マップの最後にいるボスを倒すことを目指します。
プレイを始める前は、かわいいイラストを見てゆるーいゲームなのかな? と思っていました。しかし、すぐにその先入観が間違っていたことに気づかされます。
まず、本作の特徴であるモンタビの育成要素がかなり面白いです。というのも、モンタビごとに全く違うカードプールが用意されており、それぞれで違った戦い方ができるんですね。さらに、経験値をためて「進化」すれば新たな能力を覚えることができて、戦術の幅が広がります。
そのため、モンタビの数だけプレイのバリエーションがあると言っても過言じゃないんです。
カードの効果を組み合わせてコンボを決めるのが気持ちいいし、しかもモンタビごとにカードの特性が大きく異なっていて、使うモンタビが変われば別のゲームとも思えるくらい、異なるプレイスタイルが味わえます。
だから、いろんな遊び方を試してみたくなるし、何度もプレイしたくなる。キャッチーな見た目だけど、ガッツリと濃い味付けの本格派です。
これ、時間が溶けるやつでした。
本稿では、そんな『モンタビ』のプレイレポートをお届けします。
キャラごとのカードでコンボを編み出す。進化で戦術の幅が広がるのがアツい
冒頭でお伝えしたとおり、本作は「デッキ構築型ローグライク」。モンスターを育てながら強敵と戦い、マップを進んでいくというのがゲームの主な流れになります。
まず、ゲームを始めたら、相棒となるモンタビ(モンスター)を1体選びます。筆者が選んだのは、スケボーに乗った猿のモンタビ「トンキー」です。
移動が軸のコンボでダメージを出すモンタビで、ちょっと頼りなさそうなビジュアルがチャーミング。愛着を持って呼ぶために、「おさる」と名付けました。
よろしくな、おさる!
戦闘の肝はカードの組み合わせです。例えば「360オーリー」(移動すると敵全体に2ダメージ)を使ったあとに、後ろのマスに移動しながら攻撃する「軽業退却」を使うと、コンボになってダメージが増える……といった具合。

本作の戦闘はふたつの3×3の盤面で進行。プレイヤーは盤面にトレーナー(自キャラ)とモンタビを最大3体まで配置します。
自分のターンでは、APを使用して手札からカードを使い、攻撃を行います。APは1ターンに3ポイント回復で、使わない場合は持ち越すことが可能。そしてこちらの行動が終わると、敵のターンになります。
ちなみに、トレーナーは「味方に1枚ドローさせる」といった効果のカードでサポートをしますが、HPがなくなったらゲームオーバー。将棋の王将やチェスのキングみたいなものです。
そのため、トレーナーが避けられない攻撃をされたときは、おさるに盾になってもらう必要があります。ごめんな、おさる……。
さらに敵を倒すと、モンタビもしくはトレーナーに経験値を自由に割り振ることができます。そして、モンタビはレベルアップすると進化するらしい。
早くおさるが進化した姿を見たいので、おさるに経験値を集中させます。
どうやら戦闘後に敵のモンタビにビスケットをあげると仲間にできるそうで、チュートリアルで仲間が1体増えました。でも君は育てる気がないんだ、ごめんね。おさるの進化が見たいから経験値は全部おさるのものなんだ。
すると、レベル5になったトンキーが光り始めました。モンスターが進化するのって、いくつになってもワクワクします。
おや、おさるのようすが……?
おさるが服を着た姿に進化しました!
レベルが上がるとともに、攻撃力が3から4に。攻撃カードはモンタビの攻撃力を参照するので、ダメージが底上げされます。ちょっと悪ガキ感が増してるのもかわいくて良いですね。
と、ここで強いカードが出てきました。どうやら、レベル5などの節目では強いカードをデッキに加えることができるようです。この「柔軟な再配置」は1APで4回も移動できるカード。移動を軸に攻撃をするのが特徴のおさるにとって、コンボの起点になりそうな予感がします。
そして、バトルを続けておさるに経験値を集中させているともう一度進化しました。今度はどんな姿になるんだろう。期待が膨らみます。
おお、なんか強そうだぞ!?
かわいかった頃の面影はなくなっちゃったけど、戦闘では頼りになりそうな見た目になりました。攻撃力は4から6にアップと、カードのダメージがさらに底上げされました。どうやら進化は2回までのようですが、愛着がわいたので今後も経験値は全部おさるにあげることにしました。
そして、レベル10になるとふたつのパッシブ(戦闘中、常に発動する効果)からひとつを選ぶことができます。選んだのは「キックスライド」。移動するたびに、「突き」というAP0で使用できる攻撃カードが手札に追加される地味に強い効果。
初期から持っていた「360オーリー」(移動すると敵全体に2ダメージ)や前述の4回移動カードを組み合わせると、攻撃を連発するコンボも可能になります。
デッキ構築型ローグライクは、序盤に手に入れたカードが腐ることもあります。ですが、本作はこれまで手に入れたカードが、成長要素によって強くなっていくのが楽しいですね。
また、プレイ中に気づいたのですが、おさるに隣接した味方を移動させるとき、おさるがいる位置を指定すると2体のモンタビが入れ替わります。そしてこの際、おさる自身も“移動した”と判定されるんです。これが分かってコンボの可能性が広がりました!
初めてのボスバトルでは移動を繰り返して攻撃を連発するコンボを決め、さらに「このターンで使った攻撃カード1枚ごとにダメージを与える」という効果のカード「高まりの一撃」を使用して36ダメージを出すことに成功!
こんなふうに、カードの効果が重なってコンボが決まると、敵に大ダメージを与えられるのでたまりません。これこそ、デッキ構築型ローグライクの醍醐味です。
さらに、ここで新しいカード「スケーター打ち」を手に入れて「やけど」の要素が加わりました。やけどは敵に付与すると、その数値分だけこちらの与えるダメージが増加する状態異常です。
1回の攻撃で与えるダメージが増加するため、攻撃を連発するおさるの戦法と相性がいい効果ですね。
コンボは移動ややけどだけでなく、さまざまな種類の効果や状態異常があります。このカードとこのカードを合わせたらどうなるんだろう、と新しいカードを見ると妄想が膨らむんです。
そんな風にサクサクと進んでステージ2のボスに到着。これまで身に着けたコンボで楽々突破してやるぞと思ったら……
おさるがコンボ中に倒れた。
え? なにが起こったの……?
経験値を集中させていたおさるが倒れて勝ち目がなくなったため、あえなく降参。
どうやら、ステージ2のボスは「出血」の使い手。出血は、移動するたびにその数値分のダメージを受けてしまうという状態異常で、移動コンボのおさるにとって相性最悪のボスでした。えー、そりゃないよ……。
ここでおさるとの旅はあっけなく終わってしまいました。おさる、活躍させてあげられなくてごめんよ……。
でもここでは終われない。悔しいので再チャレンジしてクリアするぞ!
新たな相棒とともにリベンジ成功! さらに超絶コンボでまさかの1ターンキルも達成
そんなわけで、ステージ2ボスへの全力リベンジを試みます。
スタートすると、選べるモンタビのラインナップが先ほどとは違っていました。どうやら選べる初期モンタビはプレイごとに変化するようです。
ああ、おさると旅ができない……と悲しい気持ちになったけれど、また違ったコンボが試せそうなので気持ちを切り替え、別のモンタビと新たな旅を始めます。
今回選んだのは燃えさかるハチの「ソリア」。初期カードに含まれている「炎の罠」はマス目に罠を配置して、その上に乗った敵にダメージを与えるというユニークな効果のカード。しかもダメージが攻撃力150%です。
他のモンタビの初期カードが攻撃100%なので、ソリアのダメージは高く設定されていることに気づきました。もしかして、成長すればとんでもないダメージを叩き出すのでは?
ソリア、次の相棒はキミだ!
ここで、前の旅の途中で思いついた説を、実証してみようと思います。その説とは、「同じモンタビ2体なら同じコンボを2倍の速度で組めるのでは?」というもの。
前回のプレイ中に「もし2体のおさるを隣り合わせで配置して、場所を入れ替えるように移動したらお互いの移動コンボが発動して強いのではないか?」と思ったんです。
おさるとの別れは無駄にしません。経験を活かして、必ずやステージ2のボスを倒してみせます。
というわけで、運良く最初に出てきたソリアにビスケットをあげて仲間にしました。よし、これで仮説を実証する準備が整ったぞ。
そしてここで、罠の設置個数をふたつ増やせる「炎上」というカードを獲得。これまでデッキ構築型ローグライクをプレイしてきた経験から、これは強力なコンボになると確信しました。
さらにソリアが進化すると妖艶な女王蜂のような見た目の「ケロフレイム」になりました。炎をまとっていてかっこよすぎる。
本作のモンタビは、火や水といった属性と動物・虫をかけ合わせたキャラデザが多いようで、心の中の中学二年生が喜ぶ見た目です。
さて、前回はおさる1体だけを育ててしまったのが敗因だったので、今回は2体のケロフレイムを並行して育成していきます。
続いて出てきたのは攻撃力350%で周囲にダメージを与える超火力カード「残り火の罠」。そして指定した罠を取り除く代わりに、その効果をフィールド全体の敵に与える「連鎖効果」。
ああ、この2枚をさっきの「炎上」と合わせたら危険なコンボが完成しちゃった。ステージ2のボスは首を洗って待っていろ!
そんなこんなでついに因縁のステージ2ボスと再会。とくと味わってほしい、編み出したコンボのダメージを。まずは「残り火の罠」を重ねて、そのまま「連鎖効果」で罠を起動!
喰らえ! ダブルケロフレイムコンボ!!
ドッカ──────ーン!!!!!
なんということでしょう、盤上が炎に包まれました。ボスは2体の取り巻きと隣接していたので周囲ダメージが重なり、罠で171ダメージが出ました。選んだときにダメージが高くなりそうとは思ったけれど、171ダメージはおさるが可哀想になるくらい強い。もちろん、敵はめでたく消し炭になりました。
なんだかあっけないですが、リベンジ達成です! コンボで圧倒的なダメージを与えることもできたので、これで「同じモンタビ2体なら同じコンボを2倍の速度で組める」という説を実証できました。
そして旅の終わり際に、最後のピースがトレーナーだったことに気づきます。中盤で触れたとおり、このゲームはトレーナーも経験値を得てレベルアップすることができます。
ただ、ちょっとしたドローのサポートをするくらいの認識でいたので、経験値はずっとモンタビに割り振っていました。そんな中で罠のコンボも完成したことだし、なんとなくトレーナーのレベルを上げてみると衝撃のカードが手に入りました。
「戦術的指導」:対象の山札の上から5枚を見て1枚を手札に追加。
「パワーリレー」:すべてのユニットのAPを対象に転送する。
いやいや、強すぎません?
これで今まで以上に破壊力のあるコンボを組めるようになりました。俺とケロフレイムの絆でコンボして勝つ。急に少年マンガのような激アツな展開になってきて燃えます。
破竹の勢いでマップを進み、いよいよステージ3のボスに挑戦です。まずはトレーナーのドロー用カードをケロフレイムに使って、残り火の罠と炎上を引いて強化。そして最後に連鎖効果で罠を起動するためのAPを渡します。見たか、これが絆のバトンで繋いだコンボだ。
そうやって罠を強化しまくると……
フィールド中央に計10個の罠の設置が完了しました。1個が28ダメージなので、合計で280ダメージ。この罠を「連鎖効果」で選ぶと、フィールドにいるすべての敵に280ダメージが入ります。
そして、「残り火の罠」は周囲のユニットにもダメージを与えるので、ボスに隣接する取り巻き2体それぞれの周囲ダメージがボスに重なって280×3=840ダメージ。完全なオーバーキルです。しかし、ボスに手を抜くのは失礼というもの。これがこの旅で編み出した最強コンボ、名付けて「灼熱のピタゴラスイッチ」だ!
もうこの旅でやり残したことはないです。すべてを出し尽くしました。最後は連鎖効果で着火。
ステージ3のボスを、まさかの1ターンキルで倒すことに成功しました。
気持ちいい、気持ちよすぎる。おさるとの旅では、36ダメージを出して喜んでいたこともありましたが、それが霞むような1ターン840ダメージ、これには脳汁が止まりません。だって、おさるの与えた最大ダメージの約23倍のダメージですから。
コンボのコツがわかってきたので、次の旅でおさると出会ったらもっと活躍させてあげたい。そんな気持ちになりました。でも、おさるでは840ダメージは出せないかもしれない。いや、超えてみせる。コンボの可能性は無限大だから。
次の旅ではどんなコンボをしようかな。『モンタビ』はそんな妄想が止まらなくなる、本格派のデッキ構築型ローグライクでした。
Mankiboが開発し、Akupara Gamesが販売する『モンタビ』はPC(Steam、Epic Games Store、GOG)、Xbox Series X|S、Xbox One、Nintendo Switch、Nintendo Switch 2向けに発売中です。

























