2027年は、『ロックマン』が発売されてから40年の大きな節目の年にあたる。そんな節目の年に発売が予定されている本作『ロックマン: デュアル オーバーライド』は、『ロックマン』シリーズのナンバリング12作目に相当する作品である。
2018年発売の『ロックマン11 運命の歯車!!』から実に8~9年ぶりの無印(もしくは初代、元祖、本家)シリーズの新作を、先行体験できることになった。
ということは間違いなく、新しいボス……「〇〇〇マン」もしくは「〇〇〇ウーマン」のいずれかがお披露目されるはずだ。そして、多彩な敵と仕掛けが待ちかまえる、お馴染みの距離長めのステージを乗り越える挑戦が待っているのだろう。
そんなことを勝手に想定した筆者は体験前日、前作の『ロックマン11』を何度か周回。ついでに、今回のロックマンのグラフィックがほんの少し頭身高めであることにちなんで、同じ作風のグラフィックを採用していた『ロックマン8 メタルヒーローズ』も『ロックマン クラシックスコレクション 2』経由でやり直し、当日に備えた。

迎えた先行体験の当日。そこには想定通り新しいボスの姿があった。
おお~、『ロックマン9 野望の復活!!』のスプラッシュウーマン以来の女性ボスだ。名前はトゥインクル……ガール!? “ウーマン”の名前じゃない!? というか、ロールみたいな少女型ロボットのボス!? デザインもどこか『流星のロックマン』っぽさがある……。
『ロックマン』シリーズのファンとしては、開幕早々、かなり衝撃的な内容ではあるが、とにもかくにも、ステージ攻略を開始するべく決定ボタンを押したら……またステージ選択画面になった。
しかも、3つのステージが表示されている。もしかして、今回はこの3つをクリアしないとメインのボスと戦えないのか!? 最初からワイリーステージ仕様!?
そこからいざ挑んでみたらステージ1つ当たりの規模が小さい!?
何度かのミス込みで、(筆者の場合)3~5分程度でクリアすることができた。ある程度、経験を積んだ後のプレイなら2分以内のクリアも夢じゃない……というか、それもできた。そもそも、今回は長距離じゃなくて短距離構造なの!?
……と、衝撃の連続から始まった今回の先行試遊。言えることはただひとつである。
『ロックマン: デュアル オーバーライド』は今までの『ロックマン』のお約束に一石を投じる革新系の新作となっている。
シリーズの伝統にして、前作『ロックマン11』で強固に再定義された“答え探し”の遊びはそのままに、新たなチャレンジを積極的に行った令和の『ロックマン』を実感させられる仕上がりになっていた。
当日のPlayStation 5版と、Nintendo Switch 2版(携帯モード)の体験を総括したレポートをお届けしよう。
また、とても大事なことなので、先にお伝えしておく。本作はPlayStation 5、Nintendo Switch 2のほかにXbox Series X|S、PC(Steam)、さらにはNintendo Switch、PlayStation 4、Xbox Oneの前世代機向けにも発売予定である。
最新のプレイ環境がないという皆さん、ご安心を。そちらでも遊べます!
※画面は開発中のものにつき、実際の仕様とは異なる場合があります。
※本記事には本編に登場する一部ボスキャラクターのネタバレが含まれます。また、操作解説は今回体験できたPlayStation 5版とNintendo Switch 2版を基にしています。
今回のステージはまさかの3分割&短距離構造!3つあるエリアを乗り越えてボスを目指す
改めて『ロックマン: デュアル オーバーライド』の基本的な内容を紹介しておくと、本作は横スクロールのステージクリア型アクションゲームだ。主人公のロックマンを操作し、多彩な仕掛けと敵が待ち受けるステージを攻略していく。

ボスを倒すと相手が使っていた「特殊武器」が手に入ってロックマンの攻撃手段が増えるシステム、それをステージ内の仕掛けやボスに対して使うと絶大な効果を発揮するという「相性」の概念、攻略するステージを自由に選択できるステージセレクトといった、シリーズ定番の要素は健在。
対応するボタンを長押しした後に離すと撃てる「チャージショット」、姿勢を屈めて滑り抜ける「スライディング」など、途中のシリーズ作から追加されたアクションもある。
ただ、ステージ構造に関しては、過去作から大きく変更されている。単純に1体のボスにつき1ステージが存在するのではなく、3つの小規模(短距離)なステージこと「エリア」が用意された形に改められている。
今までの『ロックマン』、主に無印シリーズは基本、1体のボスにつき1ステージで、規模もやや大きめの“長距離”構造だった。
それが今回、じっくり進めた場合でも4~5分、順調に進んだ場合なら2分以内もあり得る“短距離”構造へと、過去の無印シリーズとは異なる構造に一新されているのだ。
ちなみに、小さくなったエリアであっても、クリア条件は最後に登場するボスを倒すというもので、従来と変わらない。とは言え、実はボスもメインの1体(今回の体験範囲内だとトゥインクルガール)だけにあらず。それぞれのエリアに事前予告なしの“正体不明のボス”が待ち受けているのだ。
シリーズの経験者に向けてたとえるなら、ワイリーステージのような構造と言えばイメージしやすいだろう。

過去作の「ワイリーステージ」は、複数のエリアで構成されつつも、作中のメインボス8体と違い、好きなエリアを選んで攻略できず、1から順番に攻略していかなくてはならない“1本道構造”が大きな特徴になっていた(※後発のシリーズ作では、クリア済みのステージを後から再プレイ可能になる進化も遂げた)。
ワイリーステージでは各エリアの最後にはボスが待ち受けているのだが、そのボスも誰が出てくるのかといった事前予告がなく、現地に直接、足を運んでみないと分からない。
今回の新作では、このワイリーステージと同じ構造をメインボス8体に対して採用しており、いつになく“何が起きるか分からないドキドキ感”を味わえる内容になっている。
この段階ですでに、今回の新作が思い切った変革をおこなっているのは察せるだろう。
隠されたネジを集める要素を始め、『ロックマン7』以降の過去作に見られた“進化の系譜”の息吹を感じさせる試みの数々(※本編のネタバレ注意)
ステージが短距離の分割構造になったことで、逆に「ひとつひとつの密度が薄くなってしまったのでは?」との心配を抱くかもしれないが、天下の『ロックマン』に対してそのような心配は不要だ。
小さな足場を乗り継いでいくという一瞬の油断が命取りになる場面から、複数の敵を相手にするイベントまで、短いステージのなかでも手応え十分な展開が繰り返される作りになっている。慣れきっていない初回プレイ時は、何回もミスを繰り返してしまうだろう。
ちなみに今回の先行体験版は残機制を廃止していた関係で、何回でもトライ&エラーを試すことができたが、製品版ではお馴染みの残機制が採用されているらしく、慎重な立ち回りが求められてきそうだ。
また、リトライを重ねることで、ステージクリア時の総合スコアに補正がかかるという仕組みもあるため、ハイスコアを目指すならばノーミスクリアが求められるだろう。

そう、ハイスコアである。
しれっと紹介したが、なんと今作では『ロックマン』の1作目以来、約40年ぶり(!!)にスコアシステムが復活している。前作でもチャレンジモードの「ポイントゲッター」限定でスコアシステムは存在していたが、今回は本編にデフォルトで備わっている。
仕組みとしては2006年発売の1作目のリメイク版『ロックマンロックマン』(PlayStation Portable)に近く、クリアした際の状況やタイムなどの要素が掛け合わされて、プレイ内容の査定として算出される。また「ポイントゲッター」にあった、敵を連続して倒すと倍率ボーナスが入る要素もあるようだった。
これにより、1エリアごとに最高スコアを突き詰める遊びも用意されたほか、スコアだけでなくタイムも記録されるため、最速クリアを目指すやり込みにも対応。全体的なリプレイ性そのものが大きく向上している。
ほかにもエリアには、特定の場所に置かれた「ネジ」を回収するという、『ロックマン8』を思わせる収集要素もある。体験会の前日に『ロックマン8』をやり直していた筆者がこれを見て「マジかよ」と(心の中で)感嘆の声をあげたのは言うまでもなく。
ステージの短距離・分割構造化の時点でもシリーズにとっては相当な変革だが、実際の中身もかなり踏み込んでいる。さらに、シリーズ経験者だからこそ驚いてしまうような「まさかの過去作要素復活」も存在し、作品全体が非常に思い切った作りをしている。
全体的に“令和の2Dアクションゲーム”として進歩したようなイメージだ。
奇しくも『ロックマン7 宿命の対決!』(1995年 スーパーファミコン)から『ロックマンロックマン』までの無印シリーズのゲームデザイン周りで見られた、“進化の系譜”【※】が帰ってきたような感じで、当時の新作たちに心ときめいた思い出のある筆者としては、嬉しくなる仕上がりだった。
※進化の系譜……『ロックマン クラシックスコレクション 2』の公式PV、カプコン公式サイトの紹介ページのキャッチコピーより一部引用。正確なキャッチコピーは「ロックマンの進化と原点回帰の系譜がひとつになる…!!」
だが、『ロックマン8』(およびその続編『ロックマン&フォルテ』)のボスの1体である「アストロマン」まで帰ってくるだなんて夢にも思わなかったぞ!!

ちょっとしたネタバレになるが、実は今回、トゥインクルガールの3エリア中のどこかで過去作のボスが「複製ロボット」として登場する。今回の体験範囲で確認できたのはアストロマンだけだったが、ちゃんと出演作の『ロックマン8』通りの動きと攻撃で攻めてくるのに加え、グラフィックも新規に描きなおされている。
体験前日に『ロックマン8』をやり直していた筆者がアストロマンの姿を見た瞬間の驚きたるや。素で大声をあげるところだった。
しかも、ちゃんと行動パターンも一緒に加え、アストロクラッシュ【※】の回避方法まで原作通りだったことから、戦闘中は動悸と手の震えが止まらなかった。
詳細は伏せるが、前述の出演作品では繰り出してこなかった、新しい攻撃技や動きもさりげなく追加されているので、シリーズ経験者はぜひこの懐かしいボスとの再会をお楽しみいただきたい。
※アストロクラッシュ……『ロックマン8』におけるアストロマンの大技兼倒すと得られる特殊武器。目にも止まらぬ高速移動を数回行ったのち姿を消し、フィールド全体に隕石群を落としてくる。
できればノーダメージで倒したかった……。ホーミングスナイパーとマジックカード【※】がなかった(使えなかった)のがもどかしい。
※ホーミングスナイパーとマジックカード……いずれもアストロマンの弱点として設定された特殊武器。ホーミングスナイパーは『ロックマン8』に登場する特殊武器で、サーチマンを倒すと獲得。マジックカードは『ロックマン&フォルテ』に登場する特殊武器で、マジックマンを倒すと獲得できる。
こんなシリーズファンをビックリさせる展開が用意されている点からも、今作のステージにおける“何が起こるか分からない”魅力を感じられるだろう。
筆者はこんな展開を目にしてしまったがために「じゃあ、他のステージはどうなっているのよ?」「過去作ボスは他に誰が出るんだ!?」と興味が津々になってしまった次第である。







