「カスタムチップ」と2段階の特殊武器、そして決定打「オーバーライド」を使いこなして自分なりの“答え”を突き詰める
先行体験版では、本番開始前に「チップセット」を選ぶこともできた。
これも先行体験版独自のもので、製品版では「カスタムチップ」と呼ばれるチップを数種類装備し、プレイヤーそれぞれ独自のチップセットを作れるようになっているようだ。
今回のプレイで選ぶことができたチップセットは「生存重視」「火力重視」「チップサポートなし」の3種類。
「生存重視」は文字通り、生き残りやすさを重視したチップセット。敵の攻撃を一時的に防ぐ「バリア」、ロックマンの体力を満タンまで回復する「E缶」を使うことができ、ピンチの挽回や力押しを決めるチャンスを作りやすくなっていた。
「火力重視」は攻撃性に特化したチップセット。オートチャージ機能による素早いチャージショットの発射に加え、チャージショットを一度に連続発射する「ダブルチャージショット」を使えることから、効率的な攻撃を展開しやすかった。
残る「チップサポートなし」は“いつもの『ロックマン』”を再現したチップセットとなっている。ロックマンの相棒で犬ロボットの「ラッシュ」を呼び出すことができた。今回はラッシュもカスタムチップに位置付けられているようだ。
なおバリア、ダブルチャージショット、ラッシュといった、カスタムチップ由来のアクション(カスタムアクション)は、R1ボタン(Rボタン)で発動する仕組みとなっていた。
そして、すべてのチップセットに共通で組み込まれていたのが、今作のタイトルにも冠されている「オーバーライド」なるカスタムチップだ。L1ボタン(Lボタン)を押すと発動し、ロックマンの形状が変化。
一時的にパワーアップして「ファイナルチャージショット」を始めとする強力な攻撃が可能になる。前作『ロックマン11』で、ロックマンが瀕死の状態に限り発動することのできた「ダブルギア」の発展形と言えるだろう。
今回は専用エネルギーが一定量に達すれば、体力の状態を問わず発動できる仕組みになっていて、前作よりも使いやすくなった(カスタムチップによっては、体力が瀕死状態になると自動でオーバライドに移行するものもある)。
ただしこのオーバーライド、使える時間には限りがある。また、解除されてしまうとしばらくの間、ロックマンがオーバーヒート状態になって一部の攻撃などが制限されるといったデメリットを被ることになる。ゆえにどのタイミングで使うか、プレイヤーの判断が問われるだろう。

カスタムチップという形で、いざという時にピンチを脱したり、逆転の一手を仕掛ける選択肢が用意されたことで、戦略の幅は大きく広がった。
本作は過去作と比べても、プレイヤーのスタイルに応じた多彩な戦術と戦略を編み出せる設計になっているため、自分なりの戦い方をより一層追求できるように感じた。
言い方を変えれば、プレイヤーそれぞれの“答え”がたくさん生まれることになるだろう。

難しいと感じる場面に対し、手持ちの選択肢を使いこなしたり、決定的な“答え”を引き当てれば一気に簡単になってしまうというのは、『ロックマン』シリーズの醍醐味であると同時に原点だ。
前作『ロックマン11』は、そんな“答えのあるアクションゲーム”としての『ロックマン』を突き詰めた仕上がりを最大の魅力としていたが、今作でもその方向性はバッチリ継承されており、自分なりの答えを追求できる遊びを存分に味わえそうな感じだ。
ちなみに“答え”の発見に大きく影響する「特殊武器」にも今回、「パワーショット」なる新機能が追加された。
これは通常時よりも威力を高めた状態で特殊武器を使うというもの。前作で言うところの「パワーギア」発動時の特殊武器の効果を、ワンボタン(△ボタン、Xボタン)で出せるシステムだ。

今回の体験では「ジェットスティンガー」という、空中での発動にも対応した体当たりタイプの武器が使えた(仕組み的には前作の特殊武器「パイルドライブ」に近い)。
この武器は普通に使うと、敵に当たった時に体当たりが中断してしまうのに対し、パワーショットとして用いることで、敵にあたっても攻撃が中断されずに貫通するという違いが出るようになっている。

そのため、武器の使い方次第ではボスにより決定的なダメージを与えられたり、エリア攻略の糸口を発見できるチャンスも生まれそうに感じた……いや、生まれた。難所を軽々乗り越えたり、ボスを速攻で倒せたりすることが普通に起きたのだ。
この感覚はまさに前作で突き詰められた“答えのあるアクションゲーム”の醍醐味! そのため、前作を楽しんだ人であれば、パワーショットを含め、この一連のシステムと方向性はきっとお気に召すはずである。いち『ロックマン』ファンとして、確信をもって断言する。
手触り抜群の操作感と便利機能は前作から継承しつつも、明らかに今までとはひと味違う『ロックマン』が起動しようとしている
もうひとつ、前作『ロックマン11』をお気に召した方向けの嬉しいお知らせである。軽快な挙動のジャンプと各種アクションの機敏さと言った、手触り抜群の操作感は前作と変わっていない。
しかも、〇ボタン(Aボタン)にはスライディングが割り当てられ、ワンボタンでスライディングを連発できるようになった。

右スティックを倒すことで、特殊武器をすぐに装備できるショートカット機能も健在。そして、ハシゴの昇降速度もほんの少し早く、スムーズになっているように感じた。地味な変更点だが、おそらく前作経験者ならその変更がいかに重要かが察せるだろう。

前作に引き続きボイス演出もあり、ロックマンにラッシュ、エリアクリアのリザルト画面で出てくるロールたちのセリフが音として楽しめる。今回の新ボス「トゥインクルガール」もちゃんと喋るだけでなく、しぐさも含めて非常にかわいらしいので、ぜひ戦闘中にチェックしてみてほしい。

ほかにも、エリア内に数か所用意され、やられた際にそこから復帰できる「チェックポイント」も、今回はその場所が可視化されて分かりやすくなった。
同じ試みは『ロックマンロックマン』でもされていたのだが、今回、それが復活した形だ。しかも、チェックポイントのデザインまで『ロックマンロックマン』と一緒なのがニクい(配色は微妙に違ったりするが)。
グラフィックに関連するところでは、今回はロックマンも敵も、ダメージを受けるたびに黒ずんでボロボロになっていくという表現が採り入れられている。これによって、「あとどれくらいダメージを与えれば倒せるか(やられてしまうか)」が分かりやすくなっているのは、地味ながらも特筆すべきポイントと言えるだろう。

今回体験できたのは、トゥインクルガールの3エリアだけで、残る7体のボスのステージおよびその姿は拝めなかった。
しかしながら、1体のボスにつき3つのエリアを用意し、それを短距離構造にする、カスタムチップによる多種多様な戦略と“答え”を追求する枠組みを設けるなど、これまでとはひと味違うロックマンを目指した新作になることは大いに痛感させられた。
筆者個人としては、まさか体験前日に遊んだ『ロックマン8』の経験が活きるとは夢にも思わなかったが……(特にアストロマン戦)。
とにもかくにも、今回明らかにされた情報は今作を構成する要素の一部分。ストーリーは今回もワイリーが暗躍しているらしいこと以外は全く分からず、特殊武器も「ジェットスティンガー」以外にどんな種類が用意されているのかも見えない。
カスタムチップもほかにどんな種類があるのか、収集アイテムとなったネジの使用用途、そして初報時のトレイラーで登場を匂わせているブルースの関わり方についても気になるところだ。
『ロックマン』生誕40年を迎える2027年の発売を予定している『ロックマン: デュアル オーバーライド』。シリーズのファンはもちろん、アクションゲーム好きもカプコンが放つアニメチックで明るいノリの新作2Dアクションとして、今後の動向を要チェックだ。




