「原稿用紙の世界」をテーマにしたメトロイドヴァニア(横スクロール探索アクション)、『Chronoscript: The Endless End』(以下、クロノスクリプト)が、ドイツのケルンで行われているgamescom2026で体験版をお披露目している。
その世界観をひとことで言えば、圧倒的な「密」。背景から敵の怪物、主人公のキャラに至るまで手描きペン画のグラフィックで構成された画面は、ものすごく密度が濃い。
とある作家から原稿の編集依頼を受けてきた編集者が、気づくと原稿用紙の世界に閉じ込められていた……というのが物語のプロローグで、ゲーム中では散らばった「原稿用紙」の中を飛び回りながら探索していきます。
原稿用紙の中が舞台なので、実は原稿用紙の「外」にも世界が広がっており、二重の背景の中で物語が展開されていくというのもおもしろいポイント。外から本が降ってきたり、原稿の作者自身が登場する……なんていう展開も。
今回はgamescom2026に先がけて行われた国内メディア向けの体験会に参加してきたので、そんな作者と編集者、そして本と原稿の世界をテーマにした『クロノスクリプト』をご紹介していきます。
なお本作、現在Steam上で今回の試遊版と同等のデモ版も配信中なので、興味があればぜひそちらもチェックしてみてください。
執筆/恵那
今回は体験版ということもあってかプロローグ部分はバッサリカットされ、いきなりゲーム本編へ。
とはいえ原稿が終わるまで編集者を原稿の中に閉じ込めて時間を稼ぐ……なんていうのは、あらゆる執筆者にとって垂涎の能力──もとい許すべからざる蛮行。〆切なんぞ伸ばせば伸びると思っている甘えた作者を理解(ワカ)らせなくてはなりません。
で、さっそくですがゲーム画面はこんな感じです。ものすごい「密」だ……。
昨今はやりのメトロイドヴァニア系のゲームは、世界観やヴィジュアルに独自のカラーを持っているタイトルが人気を博していると思うのですが、本作もその例に漏れません。
すべてのアートワークがペン画風の筆致になっており、そして画面の余白が少なめ。線の密度がめちゃくちゃ濃い。1画面が原稿の1ページになっていて、移動するときは隣のページにするりと入り込む感じに。
経験値によるキャラクターの強化システムもあるのですが、ここもちょっと凝っていておしゃれだなと思ったのが、経験値が「文字」の形になっているんです。敵を倒すとその身体からアルファベットのような文字が弾けて、これを集めることでさまざまなスキルを強化できます。
ちなみに主人公が倒れたときには、それまでに溜め込んだ経験値が同じく文字として飛散。ただし倒れた場所に簡易回復ポイントが現れ、そこに触れることで失った経験値も回収できるようになっているようでした。

今回プレイしたのは約20分ほどの体験版なのですが、その中でもゲーム中にはこうした本と読書の空間を思わせるおしゃれなポイントがいくつかあり、たとえばセーブポイントになっている書見椅子もそのひとつ。
物語の一節のような文章が現れ、閉じ込められているはずの主人公も本をひらいて読書開始。いきなり変な世界に閉じ込められたはずなのですが、妙に優雅です。読書好きなら本とソファがあればどんな空間でも本が読めるとか思われてるのか? まあそうだよ。
そしてこのゲーム、探索する場所自体は原稿用紙の「中」なのですが、原稿用紙の「外」にも世界が広がっていることも大きな特徴。
今回の体験版でも、積み重ねられた本や書き損じ紙、インク壺など、執筆部屋の風景が原稿用紙の外側に広がっています。
ボスとの戦闘中には、ボスの重たい一撃にあわせてページの位置が微妙にズレたり……なんてこともあって、細かなこだわりがすごい。こんなん戦闘中に気づくわけ無いだろ(動画を見返しながら気づきました)。
別のボスとの戦闘では、まさかの盤外攻撃でページに(文字通り)クギ付けにされるなんてことも……。

体験版の最後にはその視点が一気に引いていく瞬間があって、なんとまさかの作者降臨。
ゲーム自体は2Dなのですが、ページの外側にいる作者はしっかり3Dです。第4の壁を2枚越しにゲームをしているようで、独特のプレイ感だ……。


全体的に原稿の中という空間を表現するための細かいこだわりが散りばめられていて、本好き、読書好きはかなり好きな世界観っぽい。たぶん読書好きが落ちる地獄ってこんな感じだろうなというか、落ちるならこんな地獄であって欲しい。
アクション的には、2段ジャンプやダッシュ回避など、メトロイドヴァニアに欲しいものはだいたいあるかな? という感じでしたが、ひとつおもしろかったのが、インクの中に潜る能力。原稿世界っぽいし、潜った状態で高速移動したり壁を登ったりできるのも、どこぞのイカっぽい感じで楽しい。

ちなみに筆者は2Dアクションが死ぬほどへたくそなので、ボス戦や難易度については「むずかしかったです」以上の感想が出せません。
とはいえ体験版ボスはちゃんと倒せたので、ひと昔前のファミコンソフトのような、選ばれしもののためのアクションゲームという感じではなかったと思います。2回まで使用できる回復スキルもあり、ボスの行動パターンも「これどうすんねん」みたいなどうしようもない感じのアクションはなかった印象です。まあアクション下手勢としては「避け方はわかってるんだよ」みたいな感じではある。

以上、ざっくりとでしたが『クロノスクリプト』を紹介してきました。
こちらは現在gamescom2026にて体験版を出展しているほか、Steamでは本記事で扱ったものと同等のデモ版も配信中。リリースも2026年の秋を予定しているとのことなので、気になった方は公式サイトやXなどでの情報をお待ちください!













