パラマウント・スカイダンスは10月6日(現地時間)、「ワーナー・ブラザース・ディスカバリー」(以下、WBD)の買収を完了したと発表した。両社の統合により、新会社「スカイダンス」が発足する。
新会社は、パラマウントとワーナー・ブラザースという2つの大手映画スタジオをはじめ、HBO MaxとParamount+の2つのグローバル配信サービス、CBSやHBOなどのテレビ事業、CBSニュースとCNNの2大ニュースネットワーク、CBSスポーツやTNTスポーツといったスポーツ事業を一手に抱えることになる。
本取引は、合併契約に基づく規制当局の承認をすべて取得したことを受けて完了。世界約70の法域の競争当局から全会一致で承認されたという。契約状況に基づき、WBDの株主には1株あたり約31.02ドルが現金で支払われ、WBD株式は同日付でナスダックでの取引を終了した。
Today is a new day for @Skydance, and I'm incredibly grateful to everyone who helped get us here. It's a big day, and we're just getting started. Let's go! https://t.co/89jxDrzVGU pic.twitter.com/e6P28HkRto
— David Ellison (@davidellison) October 6, 2026
スカイダンスは、『トップガン』や『ハリー・ポッター』、『ホワイト・ロータス』、『スポンジ・ボブ』など数多くのフランチャイズを擁し、配信サービスの加入者数は各プラットフォーム合計で2億人を超える。
今後は毎年少なくとも30本の劇場映画を公開し、いずれも最低45日間の劇場公開期間を確保。180本以上のテレビ番組・シリーズも制作していく方針だと明かした。また、消費者向けの配信サービスについては、時間をかけて単一のサービスへと統合していく方針も示された。
財務面では、売上高約700億ドル規模の世界最大級のメディア・エンターテインメント企業となる。そのため、今後3年間で60億ドル以上のコスト削減効果を見込んでおり、主にテクノロジーや調達、マーケティング、不動産の合理化によって実現するという。


スカイダンスの会長兼CEOであるデヴィッド・エリソン氏は、今回の買収完了を業界全体にとって「歴史的な日」と表現。2つの名門スタジオを1つにすることで、あらゆるジャンルとプラットフォームで世界中の観客に物語を届けられる、より強い競争相手を生み出すことが当初からの目標だったと語っている。
なお、10月5日(現地時間)には、新会社スカイダンスを率いる経営陣「CEOリーダーシップチーム」も発表された。会長兼CEOのエリソン氏と、前マテルCEOで共同CEOのイノン・クライツ氏のもと、両社出身の幹部が名を連ねる。メンバーの全容は、パラマウントの公式IRサイト(英語)をご確認いただきたい。
Today, Ynon and I are proud to introduce the Skydance leadership team — a group of creators, operators and visionaries united by a belief in the power of story. https://t.co/C1aIByKO0e
— David Ellison (@davidellison) October 5, 2026
WBDは、事業不振を背景に2025年10月ごろから全事業の売却を含む組織再編の検討を開始。同年12月5日には、Netflixが総額827億ドルで同社のスタジオおよびストリーミング事業を買収することで合意していた。
しかし、その直後の12月8日、パラマウント・スカイダンスがワーナー全体を対象とした総額約1084億ドル規模の敵対的な株式公開買い付けを発表。2026年1月には、Netflixとの合併案における資産評価が不透明だとしてワーナーを提訴し、委任状争奪戦(プロキシーファイト)も辞さない姿勢を見せていた。
当初はNetflix案を推奨していたワーナーだったが、パラマウントは2月に買収額を約1110億ドル規模へと引き上げたうえで、契約破棄の際に発生する28億ドルの違約金の肩代わりなど、ワーナー側のリスクを大きく軽減する条件を追加で提示。
これを受けてワーナーは方針を転換し、提案額の引き上げを見送ったNetflixは買収から撤退した。
その後、4月23日に開かれたワーナーの特別株主総会でパラマウントによる買収案が承認され、規制当局の審査を経て今回の買収完了に至った。
