小学校の体育の時間。ドッジボールで飛んできた剛速球を、“パリィ”できていたら……。きっと気持ちよかった。たぶんクラスのヒーローになっていた。人生も、少しだけ違うものになっていたかもしれない。
そんな妄想を叶えてくれるゲームが『BAKUDO』である。
本作は学園SFの世界観にボールスポーツを組み合わせた「闘球ボスバトルアクション」。行方不明となった父を探して名門校に入学した主人公「ユーリア」が、学園を牛耳る八人の強者「八星」に闘球で挑んでいく。
開発は台湾のゲームスタジオ・SAYIL GAMESが、パブリッシャーは集英社ゲームズが務める。
今回は、その八星のひとりである新ボス「フラッシュ」とのバトルを、ひと足先に試遊する機会をいただいた。
結論から言えば、この戦闘がめちゃくちゃ気持ちよかった!
そして、めちゃくちゃ負けた。
ジャストアクションの爽快感と、”死にゲー”としての確かなやりごたえ。その両方を兼ね備えた本作の手触りをレポートしていく。
本作の舞台は、学生たちが「闘球」で競い合い、頂点を目指して日々しのぎを削る「澈日学園」だ。
闘球バトルの会場となるのは「澈日体育館」。体育館と呼ぶには規模が大きすぎる。磨き上げられた床はやたらとピカピカ。闘球がすべてを決める学園だけあって、施設への気合の入りかたが違う。
そこで合流するのが、ゴーグルを頭に載せた快活な先輩エンジニアのイヴィー。彼女に促されるまま、ユーリアは試合の基本ルールを思い出す。……という流れで、プレイヤーは闘球バトルの基本を学んでいくことになる。
ルールは単純明快。ドッジボールと同じように、ボールを投げて相手に当てる。投げ返されたら避けるかキャッチする。それだけだ。
ただし『BAKUDO』が普通のドッジボールと違うのは、「1対1の真剣勝負」であること。ボールが当たっただけではアウトにはならず、先に体力を削り切られたほうが負けというデスマッチ方式になっている。
そして、このヒリつくデスマッチの最中、相手のボールがこちらに当たる直前で防御するアクションがめちゃくちゃ気持ちいい!
攻撃の方法は比較的シンプルで、相手のガードの隙を突き、左右または中央に向けてボールを投げるというものだ。
一方、防御にはジャストアクションの快感が詰まっている。相手のボールは色で性質がわかれており、青いボールはキャッチ可能。ジャストのタイミングで掴めば、ダメージを受けずに受け止められる。
「ギィン!」という音とともに剛速球を止めた瞬間、「これが小学生のときにできてたら気持ちよかっただろうな……」と思わず妄想してしまう爽快さだった。
赤いボールはキャッチできず、回避で凌ぐしかない。
そしてオレンジのボールはトスで受けられる。タイミングよく決まるとボールがふわりと浮き、跳び上がってスパイクを打ち込める。防御がそのまま反撃に転じるこの流れが病みつきになる。互いに打ち返し合うラリーは、さながら連続パリィだ。
さらに、父が残した”ガントレット”を装備すると「BAKUDOゲージ」が解禁される。HPとは別の、いわば体幹ゲージのようなものだ。
被弾すると減り、防御アクションを決めると回復する。削り切られると「バーンアウト」状態になり、一部の技が封じられたうえに被ダメージも増加してしまう。逆に相手をバーンアウトさせられれば、今度はこちらが一方的に攻め込める。
つまり、相手の攻撃を見極め、覚え、隙を突いて一撃を差し込んでいく手ごたえが詰まったバトルとなっているのだ。
基本を覚えたところで、いよいよ本命。今回の試遊の目玉である、八星「フラッシュ」とのバトルだ。
戦闘が開始され、ボールがフラッシュに渡る。キャッチするために身構えていたら、“槍”が飛んできた。
槍!? 槍ってあの槍!?
そんなのアリ!?
どこからどう見ても凶器だ。体育館に槍を持ち込むのはルールで禁止じゃないんスか?
いや、たしかにSteamのストアページには「ルールなし、何でもあり。あらゆる手段を尽くし、すべてを賭けて最強を目指す」と書いてある。『BAKUDO』はルール無用ってことかよ!
本作の戦闘はリアルタイムとはいえ、ボールを持っている側に攻め手が渡る、疑似ターン制のような駆け引きが基本だ。
ところがフラッシュは、こちらがボールを持っているターンにも平気で槍を放り込んでくる。初見ではなすすべもなく敗北した。
だが、負けを重ねるうちに見えてくるものがある。攻撃のパターン、そして相手の「弱点」だ。
攻撃の基本は、ガードの隙を突く方向にボールを投げること。だがフラッシュに対しては、槍を投げて手ぶらになった瞬間こそが狙い目だった。このタイミングでボールを叩き込むと、きれいに食らってくれる。その武器がアダとなったな!
もっとも、弱点がわかったところで簡単に倒せるほど甘くはない。
回避かジャンプで凌ぐしかない広範囲攻撃。空中からの打ち込みはトスで受けるほかないが、ディレイのかけ方が絶妙でタイミングを外してくる。速攻のストレートはジャストでキャッチするしかなく、しのぎ切った直後にはすかさず槍が飛んでくる。
それでもひとつずつ対応を覚え、防御が安定してくると、戦況は目に見えて変わっていく。
防御を決めるたびにこちらのBAKUDOゲージは回復するから、自分のゲージを保ったまま相手のゲージだけを削れるようになる。フラッシュをバーンアウトさせる機会が増え、無防備になった相手に浴びせる手数も増えていく。
……挑戦5回目、ついにHPを半分まで削った。
いいペースだ。そう思った矢先、極太の真っ赤な線がこちらをロックオン。これが“第二形態”ってやつかよと察した頃には、大技をモロに食らっていた。床に倒れ込むユーリア。そこで試遊は時間切れとなった。
悔しい。しかし気づけば、完全に熱中していた。敗北のたびに学びがあり、「このタイミングなら攻撃が通る」「この攻撃にはこう対応する」と一手ずつ上達を実感できる。
ジャストアクションの爽快感と、攻略の手ごたえ。この両輪が回り始めると止まらない。時間さえあれば、間違いなく勝つまでやっていた。
学園が舞台のドッジボールライクなゲームが、ここまでやりごたえと爽快感のある”死にゲー”に仕上がっているとは。
『BAKUDO』は現在、Steamにてチュートリアルと2体のボスバトルを収録した体験版が配信中。本作の手触りは今すぐ確かめられる。なお、今回プレイしたフラッシュ戦は体験版には未収録で、ドイツ・ケルンで開催中のgamescom 2026のブースで体験できるとのこと。
「ドッジボール」で「パリィ」を決めて気持ちよくなりたい”あの日の小学生”は、ぜひ体験版をダウンロードしてみてほしい。












