8%……それは筆者がオープンワールドゲーム『紅の砂漠 Enhanced』のメインストーリーをクリアした時点でのトロフィー獲得率だ。
クリア時点でプレイ時間は100時間を超えていたし、ストーリーそっちのけで探索に明け暮れていた時間も多かった。それでもたった8%しかトロフィーを獲得できていない。本当にクリアしたと言っていいのか不安になる。
しかしそれにも納得してしまうほど、本作の舞台であるファイウェル大陸はめちゃめちゃ広大だ。しかも、その広さのなかにさまざまな要素が高い密度で散りばめられている。適当に歩けば何かしらおもしろそうなものが目についてしまうのだ。
「あっちは何があるだろうか」「さっきの場所にも何かあったんじゃないか」と寄り道せずにはいられない。筆者は1本の滝をきっかけに、大陸中を巡る旅を始めていた。
そんな『紅の砂漠』は8月26日に無料アップデート『紅の砂漠 Enhanced』を配信。待望の日本語音声に対応したほか、メインストーリーにも手が入っている。これから『紅の砂漠』を始める方はもちろん、すでにメインストーリーをクリアしている方でも新たな発見がある内容だ。
すでに探索だけで時間が溶けるゲームだったのに、ストーリーまでさらに魅力的になってしまったら、いったいどうやってこのゲームの沼から抜け出せばいいのだろうか。
※この記事は『紅の砂漠 Enhanced』の魅力をもっと知ってもらいたいPearl Abyssさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
散り散りになってしまった仲間を探すゲームなのに、気づいたら滝を探していた
『紅の砂漠』がどのように筆者を探索の沼に引き込んだのか。一例として筆者が体験した、ファイウェル大陸を股にかける滝巡りの旅についてお伝えしたい。
ファイウェル大陸は広大で、大自然や人々の暮らしの様子が丁寧に作り込まれている。歩き回るだけでも景色が移り変わっていくマップなのだが、些細な気づきが思わぬ発見を生むこともある。
そう、たとえばたまたま通りかかった滝のそばに石が積まれているのを見つけるとか。

なにか秘密があるのではないかと思って、あれこれ調べていると……なんと滝の裏に洞窟を発見した!

洞窟を発見した驚きと、隠された宝を手に入れた喜び。それを感じると同時に、ふと思ってしまった。
……ほかの滝はどうなっているんだろうか?
ためしに近くの滝をいくつか巡ってみると、同じように石が積まれている滝を発見。そして滝の裏にはやはり洞窟があった。もちろん宝箱もだ。
なんてことをしてくれたんだ『紅の砂漠』……こんなことを知ってしまったらファイウェル大陸中の滝を調べたくなってしまうじゃないか!
こうして大陸中の滝を巡る旅が始まったのだった。
ところで、本作は世界中の滝を巡ることが目的のゲームではない。主人公のクリフには、宿敵に襲われて散り散りになってしまった「灰色たてがみ」の仲間たちを探すという目的がある。筆者は仲間の捜索なんてそっちのけで滝巡りをしていたのである。ごめん、仲間たち! 滝が気になって仕方ないんだ!
遺跡には謎解き、崖の上には標石。「あそこ、何かあるんじゃないか」がだいたい当たる。だから探索の終わりが見えない
本作のマップにあるのは、もちろん滝だけではない。あらゆる方向にさまざまな「何かありそう」が詰まっている。
たとえば、森の中などで見つけられる遺跡には謎解きが用意されていることがあり、クリアするとアイテムが手に入る。ほかにも高い崖を登った先にアイテムがあることも。

こうした要素がマップ中にあるので、道なき道を進みたくなるし、山や崖に目的なく登りたくなるのだ。
探索の誘惑は自然の中だけにとどまらない。町や村に暮らす人々の中には、さまざまな悩みや問題を抱えている人がいる。彼らの困った声はひときわ大きな字幕で表示されるので、自然と気になってしまう。

こうしたサブクエストをクリアすると、装備品や料理のレシピなどの報酬がもらえる。インベントリ(所持品数)の拡張も報酬になっている。
長い間探索していると、拾ったアイテムであっという間にインベントリがいっぱいになってしまうことも多い。そこで探索中に発見したサブクエストをクリアしてインベントリを拡張。さらに探索エリアを伸ばし、新たなサブクエストを見つけていく。このループには終わりが見えない。永久機関の完成である。
町での探索は正攻法だけにとどまらない。本作ではマップ上に存在する建物のほぼすべてに入ることができる。さらに「覆面」で顔を隠すことで犯罪をすることも可能になっており、民家から金目のものや食料を盗むことができる。
貴族の家には金庫や隠し扉があることもあり、うまくやれば貴重なアイテムを手に入れられる。しかし、犯罪が見つかって警備隊に捕まると大量のお金を失うことに……。

ここでお伝えした要素も、本作でできることの一部にすぎない。広大なマップにもかかわらず、これだけの要素が高密度で配置されている。
だから「何かありそう」と思って進んだ先には、かなりの確率で何かしらが見つかる。おかげで些細なことであちこちに寄り道をしてしまい、探索のやめ時を見失ってしまうのだ。
愛着だけで自分だけの“相棒”を選べる。装備集めも沼だった
ここまでお伝えしてきた底が見えない探索を通して、筆者は数々の装備品を手に入れていた。どんなものを手に入れたのか確認していると、気づけばそこは新たな沼の入口だった。
手に入れた装備品は、店で買ったものや素材から作ったもの、宝箱から見つけたもの、倒したボスから手に入れたものまでさまざまだ。
しかし装備できるものはひとつだけ。ここでゲームではよくある疑問が浮かぶ。いったいどの装備を使うのがいいのだろうか?
結論から言おう。見た目で選べばいい。
本作における装備品は「片手武器は振りが早い」や「両手武器は一発が強い」といった一長一短の特徴はあっても、最大まで強化すると総合的に見ればほとんど横並びの性能に落ち着く。

つまり、雑魚敵から大量にドロップする武器も、宝箱から手に入れた武器も、強化すればラスボスまで使えてしまうのだ。
特別な武器で戦うのはもちろんカッコいいが、どこにでもある武器で強敵と戦うのも玄人感があってカッコいい。苦労して手に入れた武器を愛着を持って使い続けられるのは嬉しいポイントだ。
さらにこの装備沼を加速させるのが「染色」だ。各地にある染色場を訪れることで文字通り、武器や防具を自分の好きなように染色できる。“相棒”への愛着が止まらない。

お気に入りの装備が整うと、戦闘へのモチベーションも自然と上がってくる。次々と雑魚敵をなぎ倒し、パリィやギミックが重要なボス戦に勝利すれば、新たな“相棒”との出会いがあるかもしれない。
強化素材集めや染色のため、新たな“相棒”を探すため、武器の性能を試すため……装備品さえもマップを探索する動機になってしまうのだ。
『紅の砂漠 Enhanced』にアップデート。日本語音声とストーリーの追加シーンで、沼はまだまだ深くなる
冒頭でも触れたとおり、『紅の砂漠』は8月26日に無料アップデートが配信され、『紅の砂漠 Enhanced』へとバージョンアップされた。日本語音声への対応に加え、ストーリーには新たなシーンやセリフが追加されている。
日本語音声になったことで、字幕を追わずにクリフたちの表情を見ていられるようになった。セリフの温度が、声と顔から同時に届く。そして何より、クリフたちの日本語ボイスがカッコいい。

膨大なセリフの日本語吹き替えを実装してくれるだけでも十分なのだが、『Enhanced』配信から2日後の8月28日にはさらにパッチが適用され、キャラクターの口の動きと音声が一致するように修正されている。
しかも細かい。アップデート前の字幕では、クリフのセリフは少しぶっきらぼうにも思える口調だった。それがアップデート後は、音声でも字幕でも、町の人などには敬語で接するようになっている。「灰色たてがみ」は人々への敬意も忘れないのだ。

音声の追加だけでなく、ストーリーには新たなシーンやセリフも追加されている。これが本当にすごい。
アップデート前にはやや唐突に感じられたストーリーの展開が非常にわかりやすくなっているのだ。
クリフが不思議な「摂理の力」(作中でクリフに与えられる特殊な力)を与えられたのはどうしてなのか、クリフたちがいったい何に立ち向かっているのかといったことが、最序盤から示唆されるようになっている。
さらに、ストーリーの区切りのタイミングではクリフの独白が追加されている。
場面と場面の間でクリフが何を考えたのか、次の目的をどのように定めていったのかが言葉にされており、プレイヤーの次の目的が明確になっている。

『Enhanced』へのアップデートで『紅の砂漠』のストーリー体験はガラリと変わった。わかりやすく、新たな発見のある仕上がりだ。
これから本作をプレイする方はもちろん、すでに一度クリアしている方や、筆者のようにストーリーそっちのけで探索に没頭している方も、ぜひ新しくなったストーリーを体験していただきたい。
町を歩けば、挨拶と会話が耳に流れ込んでくる。育てていなかったウンカが動き出し、水の上まで走れるようになった
『Enhanced』のアップデートはストーリーだけにおさまらない。各地にいるNPCたちも日本語音声に対応しており、町中では挨拶や会話が自然と耳に流れ込んでくるように。これまででも感じられたNPCたちが“生きている”という感覚が、耳に馴染んだ日本語の会話が聞こえてくることでより強くなっている。
サブクエストのセリフもしっかり日本語音声に対応しており、メインストーリー以外のボスにも日本語音声が実装されている。
メインストーリーだけでも相当なボリュームだというのに、NPCやサブクエストのボスまで……いったいどれだけの収録作業があったのだろうか。考えただけでも恐ろしい。それを実際にやったPearl Abyssはもっと恐ろしい。
そのほかにアップデートで追加された要素として「アビスの結束」も紹介する。
まず前提として、本作ではクリフのほかにストーリー中で操作可能になるウンカとデミアンをくわえた計3人のキャラクターがいる。それぞれで装備できる武器が違い、習得できるスキルも異なるので、幅広い戦闘スタイルを楽しむことが可能だ。
しかし、アップデート前はスキル習得やステータスを上げるために必要なアイテム「アビスアーティファクト」が3キャラそれぞれに必要な仕様になっていた。そのため、序盤から操作し続けたクリフのみが育っているという状況に陥りやすかった。
「アビスの結束」はそんな悩みを解決してくれる追加要素だ。いずれかのキャラクターに「アビスアーティファクト」を使用すると、ほかの2キャラにそれぞれ同じ数の「アビスの結束」が付与され、スキル習得やステータス上げに使用できる。
筆者も大柄なウンカにしか装備できない武器を手に入れたはいいものの、ウンカが育っていなくて倉庫の奥にしまい込んでいた。しかし、これをきっかけにウンカの豪快なアクションを心ゆくまで楽しめるようになった。
最後に、筆者が個人的に嬉しかった追加要素として、水の上を走れるスキルが追加されたことにも触れておきたい。
滝巡りにハマっていた時、滝の周囲の水辺を泳いで移動するのが少しだけ面倒だった。
しかし、水の上を走れば関係ない。滝に向かって一直線だ。より快適になった滝巡りの旅、みなさんもぜひ……!
リリース当初、本作はSteamレビューで「賛否両論」と評価された。それを糧に怒涛のアップデートを重ね、評価を高めてきたのが『紅の砂漠』である。ユーザーの声を拾い上げてゲームに反映する姿勢は、『Enhanced』でも変わっていない。
SNSなどで見られたストーリーへのフィードバックが、しっかりと活かされている。100時間以上遊んでクリアしたプレイヤーに「2周目もやりたい」と思わせるストーリー改善は、決して簡単なことではなかっただろう。
9月3日に放送されたゲームを紹介する番組「State of Play」では、追加コンテンツ『CHARTING THE UNKNOWN』の実装も発表された。10月15日に配信される予定だ。ファイウェル大陸での冒険は、まだ深くなる。
まだ本作を遊んでいない方も、すでに多くの時間を費やしている方も、底が見えない『紅の砂漠』のおもしろさを、ぜひご自身の手で味わっていただきたい。
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