戦場の真ん中で、紫の嵐が渦を巻いている。
火花と瓦礫と、オークの死体が空へ巻き上がっていく。その渦の中に、青い鎧がいた。俺の兵士だ。
……というか吸われているの、ほとんど俺の兵士じゃないか?? そう気づいたときには、もう遅かった。
少数精鋭の部隊を率いる司令官って、憧れますよね……! 一人ひとりが超優秀な兵士たちを、圧倒的な物量の敵に対して自分の采配で勝利へ導く。「男の子ってこういうのが好きなんでしょ?」が詰まったような存在だ。
そんな気分を味わえるゲームが『トータルウォー:ウォーハンマー40,000』。大軍勢をリアルタイムで指揮するストラテジーの老舗『トータルウォー』シリーズが、銀河そのものが戦争に呑まれたSF世界『ウォーハンマー40,000』を舞台に選んだ新作だ。25年続く戦略ゲームシリーズと、40年分の設定を抱えたSF世界の融合である。
こういうの大好き!と、その憧れの椅子に座ってみた。しかし、実戦では自分が放った必殺技で自軍を巻き込んで敗北……
なのに本作を遊んだ帰り道に考えていたのは「次は部隊を展開させて~、必殺技はこのタイミングで~」というリベンジの作戦だった。
負け惜しみかもしれないが、筆者はどちらのシリーズの知識も持ち合わせていなかった。それでも、司令官としての一手が戦場をまるごと動かすロマンと責任は、まっすぐ届いてきた。
今回はそんな『トータルウォー:ウォーハンマー40,000』を試遊する機会をいただいたので、その手触りをお伝えしたい。
司令官としての一手が、戦況をまるごと動かす。デカい力は取り扱い注意
『トータルウォー:ウォーハンマー40,000』は勢力と勢力のぶつかり合いを描くゲームだ。今回率いたのは人類の精鋭部隊「スペースマリーン」。巨大な鎧に身を包んだ、宇宙のエリート戦闘集団である。対するのは「オルク」と呼ばれる緑色のオーク種族で、こちらの何倍もの軍勢で突っ込んでくる。舞台は廃墟の街、任務は奴らに奪われた通信用の中継拠点の奪還。ルールは意外とシンプルで、十分に敵を倒して殲滅、あるいは撤退させれば勝ちとなる。
ただし、その勝ち負けを決めているのは部隊の強さだけではない。司令官としてのプレイヤーの一手が重要だ。
戦場を空から見下ろす視点でプレイヤーが動かすのは、兵士一人ではなく「部隊」。戦場はリアルタイムで流れていて、敵が射程に入れば部隊は自動で撃ち始める。司令官の仕事は、部隊をどこに置くか、どの敵を狙わせるか、そして切り札のマップ兵器や部隊の特殊能力をいつどこに落とすか。特に、切り札は投下すれば戦況が一気に動く。
問題は、その「一気に」が敵味方を選ばないことだ。
試遊した大規模戦闘チャレンジ。自軍には“超能力”を扱える部隊がいて、敵を虚無へ引きずり込む嵐「破滅のヴォルテックス」を発動できる。名前からしてヤバい。
バリケードの陰からオーク軍を射撃していたところ、アームが何本も生えた二足兵器が肉薄してきた。歩兵の4倍はある背丈で、並みの火力では止まりそうにない。ここだ、と思い「破滅のヴォルテックス」を接近してきた二足兵器の足元へ放つ。
紫の渦が開いた。二足兵器は倒せたものの、渦はバリケードの内側にいた自軍の歩兵ごと吸い上げた。渦が消えたあとに残ったのは壊滅した俺の部隊。そのまま敗北。
正直、誤爆した竜巻であっけなく吹き飛ぶ自軍はどこかシュールだった。しかし司令官としては失格だ。後で能力の説明文を読み返すと、「発動中に殺された場合、新たなヴォルテックスを生み出して自爆する可能性がある」とまで書いてある。そんな危険な能力を、味方の真横で展開していたわけだ。そりゃ壊滅するでしょう。
ところが負けた瞬間に思ったのは、悔しさというより次への作戦だった。あれだけ強力なアビリティ、目の前まで接近される前に開けていれば、吸われていたのはオークだけだったはず。つまりこの敗北は、部隊が弱かったからでも、敵が多かったからでもない。自分の一手が、そのまま結果として返ってきただけだった。
操作はシンプル。なのに、部隊の置き方ひとつで戦況が変わる
では、その一手を正しく打つには何を見ればいいのか。重要なのは部隊の配置だ。
戦場に並ぶ部隊は、射程も耐久力も機動力もそれぞれ違う。重い装甲で前に出る隊、後ろから撃ち続ける隊、懐に飛び込む隊。遮蔽に入れた歩兵は長く持つし、横や後ろから撃てば有利になる。
そしてその有利不利が、画面上の出来事として返ってくる。部隊の損耗は、倒れていく兵士の姿でも、体力ゲージでも把握できる。だから勝っても負けても「あの一手がよかった」「このタイミングから苦しくなった」と直感的に振り返ることができる。
操作そのものは、15分ほどのチュートリアルで覚えられるほど簡単だ。部隊を選んで、置いて、狙わせる。それだけである。ただし、どこに置くかの答えは戦況ごとに違う。操作は簡単でも、配置は奥が深い。
その配置が一番上手くいっていたのが、チュートリアルの直後に触ったキャンペーンモードの戦闘だった。
大群で押し寄せるオーク軍に対し、まず部隊を左右に展開した。1箇所に固まると、そこへ大群が押し寄せてきて物量に飲み込まれると思ったからだ。散らせば敵の勢いも割れる。ただし散らしすぎると各個撃破されるので、隣の隊が射程でカバーできる距離に置く。
それでも片側が手薄になってくる。そこへ予備隊を要請。スペースマリーンは、大気圏外に停泊した宇宙船から一定数の部隊を補充として呼び下ろせるのだ。上空から降ってきた増援が手薄な側を埋め、戦況を安定させてくれる。ありがたい存在だ。
左右で削り、カバーし合い、穴が開けば埋める。そのうち、大群の勢いが目に見えて落ちてきた。
歩兵で場を整えて、空から極太レーザーを投下。切り札を解き放つ瞬間が一番痺れた
この戦闘では、“切り札”となるマップ兵器を落とす瞬間がいちばん痺れた。
「クラスターボム」で広範囲に爆撃を叩き込んだり、「ランスストライク」で狭い範囲を焼き尽くしたり。どれも長いクールタイムが設定されているぶん、戦況に大きく影響するパワーを秘めている。外せば取り返しがつかないが、重要な一手だからこそ決まった瞬間が気持ちいい。
歩兵で場を整えているところに、明らかにサイズの違う影が現れた。「ストンパ」という移動する要塞のような歩行兵器だ。なんだあのサイズ、歩兵じゃ無理だろ、と一目で分かる。
そこで「ランスストライク」だ。「軌道上から放たれる高密度のエネルギー砲撃。進路上のすべてを焼き払い、装甲すら容易に切り裂いていく」という、いわゆる「軌道レーザー」。ここで使わずにいつ使う!
ストンパの頭上を指定して、発射。照準レーダーのような光が空から差し込む。数秒後、灼熱の極太レーザーが降り注ぎ、巨大な装甲がジュワジュワと溶けていく。ヨシ!
残存部隊で倒しきれるか不安な相手だったが、マップ兵器をうまく活用できたことでこの試合はそのまま押し切って勝利した。
歩兵を上手く動かして有利を作るのも楽しい。そして、歩兵で場を整えたところに、強力で華のある兵器を投入するのがたまらない。しかし、ひとつ間違えれば戦線が崩壊しかねない危険性もある。そんなリスクと隣り合わせの一撃がキレイに決まった瞬間が気持ちいい。
戦闘は1勝2敗という結果に終わり、次はもっとうまく指揮してみせるという思いで試遊会場を後にした。今回プレイできたのはスペースマリーンだけで、Steamストアページにも記載されている他の3勢力の手触りや「惑星規模の兵器」の運用は今後の楽しみになる。UIはすでに日本語化されていたが、日本語音声はこれから実装される予定だ。
『トータルウォー:ウォーハンマー40,000』は、PC/PS5/Xbox Series X|S向けに2027年発売予定。年内には日本語対応のクローズドβテストが実施予定だ。TGS2026のセガ/アトラスブースでは、今回と同じスペースマリーンのデモが遊べる。
渋くて、時にド派手で、ロマンがある。司令官の椅子に一度でも憧れたことがあるなら、ぜひTGSでの試遊やベータテストへの参加を検討してはいかがだろうか。
© Games Workshop Limited 2026. Published by SEGA.














