1993年12月10日にid SoftwareがFPS『DOOM』をリリースしてから25年が経った。四半世紀の長きに渡りファンから愛され続け、2016年には完全新作となるリブート版が発売。id Softwareは同作の直接の続編となる『DOOM Eternal』を開発中だ。
その後のFPS史に多大な影響を与え続けてきた『DOOM』シリーズにふさわしく、25周年を記念したさまざまな企画が発表されている。
まずid Softwareの親会社であるBethesda Softworksは、25周年を記念してこれまでの『DOOM』を一気に振り返るトレイラーを公開した。
開発側だけでなくファンの活動も収録されており、Apple Watchや電卓で動作する『DOOM』のエクストリームな移植、複数のトースターを使って『DOOM』を操作するへんてこデバイス、トレーラーに搭載されたLED電光掲示板で『DOOM』をプレイする姿など、『DOOM』愛を示した映像を見ることができる。
『DOOM』の移植や無茶な遊び方だけでなく、さまざまな二次創作活動も多数収録されており、Nick Ino氏制作のカバー楽曲にファンメイドアニメを合体させた動画やクレイアニメ「Claycat’s DOOM」、たくさんのコスプレ写真といったファンなら懐かしく、初めての人には面白い映像も目白押しだ。
#DOOM for #NintendoSwitch has been updated with a new patch adding performance enhancements and video capture! pic.twitter.com/ay2LOsnblX
— Bethesda (@bethesda) December 10, 2018
トレイラー以外にもBethesdaは、2019年を「Year of DOOM」と定め、さまざまな特典を得られる「DOOM SLAYERS CLUB」を開設している。登録者は発売予定の新作『DOOM Eternal』で使用できるゾンビ・ドゥームスレイヤースキンなどが利用可能だ。またBethesda公式通販サイトでは、『DOOM』25周年を記念したリトグラフなどの関連グッズの予約も開始している。
また、2016年版『DOOM』をNintendo Switchに移植したPanic Buttonは25周年を記念し、Nintendo Switch版『DOOM』のアップデートをリリース。さらなるパフォーマンス向上や最近一緒に『DOOM』をプレイした人にフレンド申請できる機能を追加したほか、待望のビデオキャプチャーに対応したことを発表した。
25周年を祝しているのは現在シリーズを開発している人々だけではない。93年の『DOOM』や続編『DOOM II』、また『QUAKE』の開発者のひとりとして有名な原作者John Romero氏が、新規デベロッパーROMERO GAMESを立ち上げ新作となる『SIGIL』を発表した。プラットフォームはPC、発売は2019年2月予定だ。
『SIGIL』は93年に発売された『DOOM』の大型MOD、いわゆるMegawadとして無料でリリースされる。全4エピソードが収録された『THE ULTIMATE DOOM』【※】の精神的な続編として開発されており、マップの名前も『DOOM』の命名規則に従って「E5M1」(Episode 5 Map 1)から「E5M9」(Episode 5 Map 9)までが収録される。公式サイトによれば、特に「E5M6」はもっともクールなマップだと紹介されている。これら9枚ののマップはシングル、マルチ、Coopすべてに対応している。
※『DOOM』は全3エピソードが収録されていたが、後に4つ目のエピソード「THY FLESH CONSUMED」が追加された。これらをひとつにした完全版が『THE ULTIMATE DOOM』。
ゲームのストーリーは『DOOM』から『DOOM II』へと続くエピソードが描かれる。火星から地球へと戻ろうとする主人公は敵の罠にかかり、地獄の奥深くへと落とされてしまう。この地獄の最奥でさらに強力な敵を倒し、デーモンが侵攻する地球に戻らなければならない。
なお前述のとおり、これらはあくまで『DOOM』の非公式MODであり、ゲームを遊ぶためには『DOOM』本体が必要となる。
ゲーム自体は無料だが、Limited Run Gamesと協力して2種類のパッケージ版の予約も開始している。12月24日までの期間限定商品となる。
39.99ドルのスタンダードバージョンには、Christopher Lovell氏がデザインしたパッケージ、ゲームが入ったフロッピーディスクを模したUSBメモリやガンズ・アンド・ローゼズに加入したBucketheadことBrian Carroll氏のサウンドトラック、ステッカーなどが封入されている。
166ドルのSIGIL BEAST BOXはスタンダードエディションの内容に加え、Romero氏のサインが入ったさらに巨大なパッケージの中に、Tシャツやアートプリント、槍に刺さったRomero氏の頭部のスタチュー(おそらく『DOOM II』で俗にRomero’s headと呼ばれるイースターエッグを模したもの)などが封入される。
It's been 21 years since I made a DOOM level. Here's my version of E1M8 using DOOM1.WAD. https://t.co/ueKM7gBbXd pic.twitter.com/NlmA9aIALN
— John Romero 🤘🏽 (@romero) January 15, 2016
2016年にRomero氏は『DOOM』のマップ「e1m8b “Tech Gone Bad”」をリリースしている。こちらも『SIGIL』と同じくシングル、マルチ、Coopが可能なマップだった。氏はこれを「ウォームアップ」と紹介していたが、『SIGIL』の開発のためのウォームアップだったということだろう。
このほか、Romero氏は自身のウェブサイトでもid Software創業の91年から96年まで勤めた古巣とメンバーに対する愛情や感謝、『DOOM』開発を振り返るエントリーを投稿している。93年を魔法のような年だったと振り返り、『DOOM』のプレスリリースで「世界中の生産性を低下させる主要な原因になるだろう」と書いたこと、もしあなたがゲームのプレスリリースを書くなら、そのような大言は書かないほうが良いことをアドバイスしている。
長きに渡り業界に影響を与え、ファンに愛され続けてきた『DOOM』の25周年は多くの人に祝われている。きっとこれからも『DOOM』はさまざまな影響を与えながら多くのファンに愛されていくのだろう。
文/古嶋誉幸