UBI JAPANは、『アサシン クリードIII リマスター』を日本で発売することを正式に発表した。DLCに加えて、外伝としてPS vitaで発売された『アサシン クリード III レディ リバティ』のリマスター版が完全収録される。
プラットフォームはPS4、Xbox One、PC、Nintendo Switch。発売日は5月23日で、価格は税別4800円。なお、『アサシン クリード オデッセイ』のシーズンパスの購入者は3月29日からプレイ可能になる。
『アサシン クリードIII リマスター』は、テクスチャの高解像度化や、ライティングや視覚効果が強化されている。PC、PS4 Pro、Xbox Oneは4K、HDRに対応。バグが修正済みであり、ゲームバランスが再調整されているという。Nintendo Switch版は、TVモード、携帯モード、テーブルモードのすべてに対応し、タッチスクリーン、モーション・コントロールに対応したエイム、HD振動など、Nintendo Switchに特化したデザインがなされている。
ゲームの舞台は18世紀のアメリカ大陸だ。主人公はイギリス人とモホーク族の混血であるコナー。幼少のときにテンプル騎士団に故郷の集落を焼き払われ、以来、インディアンの側に立って生きることを決意。その後、アサシン教団のアキレスに師事されて、アサシンとして成長する。
時代はアメリカ独立運動を背景としており、市民の間で革命の気運が漂っているのが特徴だ。ゲーム中にもジョージ・ワシントン、ベンジャミン・フランクリン、チャールズ・リーなど実在の歴史的人物が登場し、ボストン茶会事件など、アメリカ独立の象徴的な事件が再現されている。
本作は2012年の発売当時、非常に期待をかけられていた。『アサシン クリード II』から『アサシン クリード ブラザーフッド』と『アサシン クリード リベレーション』を挟んだ久々のナンバリングタイトルであり、また初代『アサシンクリード』からの現代編の主人公、デズモンド・マイルズの完結編でもあるためだ。しかし、町中で敵のNPCに見つかると、アサシン並の身体能力でどこまでも追いかけてくるゲームバランス、投げやりなデズモンド・マイルズのシナリオには批判を集まった。
とはいえ、アメリカ独立やアサシン教団とテンプル騎士団という時代に翻弄されつつも、理想と現実、白人とインディアンという間に挟まれた悩む等身大の主人公であるコナーは、新しいアサシン像として新鮮だった。また『アサシン クリードIV ブラック フラッグ』に続く、ケンウェイ一族を描く第一作目に当たるため、本作は徐々に再評価されてきた。今回はゲームバランスが見直されているため、オリジナルの欠点を補い、さらなる再評価が進むだろう。
なお収録されているDLCのなかには、独立したシナリオ・エピソード型のDLC『ワシントンの圧政』が含まれている。「ジョージ・ワシントンがもしも独裁者だったら?」という歴史のifのシナリオをもとに、コナーが悪の王と化したワシントンと立ち向かうストーリーだ。本編にはない動物に変身できるシステムによって、新鮮にゲームを遊ぶことができる。
同梱されている『アサシン クリード III レディ リバティ』は、『アサシン クリード III』と同時期が舞台。主人公は黒人とフランス人の混血である女性アサシン、アヴリーン・ドゥ・グランプレだ。本作はもともとPS Vitaで発売された外伝ながら、『アサシン クリード III』並の波乱万丈なストーリー、町並みがオープンワールドでしっかりと再現されているマップなど、やりごたえたっぷりの傑作となっている。もちろん『アサシン クリード III』と物語がリンクしてくるので、続けてプレイすると楽しさが倍増するだろう。
ライター/福山幸司