ThePlayWayは、Deep Water Studioが開発中の第二次世界大戦潜水艦シム『UBOAT』の新たなプレイ動画を公開した。現在Kickstarter支援者向けのクローズドベータテストが行われているが、2019年第1四半期にSteam早期アクセスが開始される予定だ。ゲームは英語音声だけでなく、ドイツ語音声にも対応している。
『UBOAT』は第二次世界大戦を舞台にした潜水艦シムであり、サバイバルサンドボックスゲームだ。Uボートでイギリス軍の商船や戦艦を相手に戦うだけでなく、船員たちの日々の生活のケアも必要になる。Uボートは船員たちの家であり、そしていつでも墓場となる。
プレイヤーはUボートのキャプテンとして搭乗する。ともに戦う船員たちには個別のバックグラウンド、性格、スキルと弱点を持つ。規律とトラウマのパラメータが設定されており、バランスよく調整する必要がある。たとえばプレイヤーが厳しいキャプテンとして振る舞えば、船の規律は上がるがトラウマも同時に上昇する。トラウマが上昇しすぎると、乗組員はアルコール中毒になったり、凶暴になったり、あるいは敵に通じるスパイとなる可能性もある。
ゲーム中のほとんどを過ごすことになるUボートは、可能な限り本物と同様に動作する。トリムポンプ、エアコンプレッサー、バラストタンクなどを調整したり、攻撃を受けたときには損壊したりもする。早く直さなければ、Uボートは沈んでしまうだろう。
第二次世界大戦はドイツの敗北で終わる。基本的にこのプロットに変更はないが、乗組員たちが無事に故郷へと帰れるかどうかに決まった筋書きはない。第二次世界大戦でUボートは全部で約1100隻が建造されたが、戦後生き残ったのはたったの250隻ほどだったという。また、Uボート乗組員の死傷率は60%を超えている。この僅かな生き残りに名を連ねることが出来るかどうかは、プレイヤーの行動次第ということだ。
ドイツ海軍から命令が届き、それをこなすことでUボートの設備を改善していく。地上で必要な物資を積み込み、設備をアップグレードして戦場へと繰り出す。ただし、史実の通り敵の船も時が経つごとに高性能になっていく。
特にレーダーの発達は史実でもUボートの損耗率を大きく上げる事となった。また、映画などの創作物でUボートと切っても切り離せない、暗号機エニグマを解読されるようにもなる。時間が経てば経つほどプレイヤーには不利な状況になっていく。
Deep Water Studioはポーランド出身のデベロッパーであり、スタジオの名前からも分かる通り本作を作るために結成された。ポーランドといえば第二次世界大戦でナチスドイツに蹂躙された歴史があるが、Deep Water Studioドイツ語音声を用意するほど情熱を持って開発にあたっていることがわかる。
ただし、ゲーム中に鉤十字のシンボルは登場しない。これは各国の法律に合わせて複数のビルドを持つより、統一したビルドで開発する方が小規模開発にとって有利に働くという判断だ。ただし、MODによって任意の場所に追加出来る余地はあるという。
Deep Waterは本作を『Fallout Shelter』のような要素を持った潜水艦シムと説明している。第二次世界大戦の潜水艦シムといえばUBIの『Silent Hunter』シリーズが有名だが、こちらは2010年の『Silent Hunter 5: Battle of the Atlantic』を最後に続編はリリースされていない。2018年には潜水艦を舞台にした『KURSK』もリリースされているが、こちらはシミュレーターではない。
逃げ場のない海の底で乗組員とともに徐々に追い詰められていく感覚は、潜水艦シムとサバイバルサンドボックスを合わせた本作ならではの持ち味になるだろう。
ライター/古嶋誉幸