ヤフーオークションでとんでもない商品が出品された。「スーパーファミコン箱説付コンプリートセット」の落札価格は1480万円。生半可な覚悟では入札が出来ない額だが、市販された全てのスーパーファミコンのゲームに箱と説明書が完備されたコンプリートセットとなれば、コレクションを引き継ごうというコレクターが現れてもおかしくない。
出品数があまりに多く全てを確認できないが、希少ゲームを含む市販された1000本以上のスーパーファミコンソフトだけでなく、懸賞の商品や、任天堂から認可を得ていない同人ソフトのような、正規の流通ルートに乗っていないソフトも多数含まれている。その他、スーパースコープや『リーサルエンフォーサーズ』のような銃型コントローラーも確認できる。また、ニンテンドーパワーの書き換えサービスで使うSFメモリも複数並んでおり、『同級生2』のような書き換えでしか手に入らなかったソフトもセットに入っているようだ。
オークションページの説明には「子供のころからコツコツ集めてきた」と書かれているが、これだけの量のソフトを揃えるのに、いったいどれほどの時間と金額がかかったのかは想像もつかない。ブルーシートの上にゲームソフトを並べて写真撮影するだけでも、その苦労は想像に余りある。
市販品スーファミソフトの中でも、特に高額で取引されているのが『レンダリング・レンジャーR2』だ。海外で人気を誇った『タリカン』の作者であり、『R-TYPE』をコモドール64に移植したマンフレッド・トレンツ氏がゲームデザインを担当している。海外製のゲームでありながら、日本でしかリリースされていない珍しい出自をもっている。スーパーファミコン末期の1995年に1万本程が市場に出回ったという。
2Dアクションとシューティングゲームを組み合わせた作品として評価も高く、市場に出回った数も少ないため今ではスーパーファミコンを代表するレアソフトに数えられている。箱と説明書完備の美品であれば、オークションでは20万円を超える価格で落札されるものもある。
『レンダリング・レンジャーR2』以外にも、新品であれば20万円以上で取引されることがある『マジカルポップン』、完品で10万円以上で取引される『ポコニャン! へんぽこりんアドベンチャー』など、単品でもかなり高額で取引されているソフトが多数リストアップされている。出品者のhappy5962002氏は他の出品で、「コレクター引退のため」とゲームを手放すことを決めたと書かれている。はたして、この膨大なコレクションを引き継ぐコレクターは現れるだろうか。
ライター/古嶋誉幸