Valveは、同社が運営するゲーミングプラットフォームSteamを利用するユーザーの「ハードウェア&ソフトウェア調査」2019年12月版を公開した。
ValveのVRシューター『Half-Life: Alyx』の発売が控ていえるが、SteamユーザーのVRヘッドセット所有者の割合はOculus Rift、HTC Vive、Oculus Rift S、Windows Mixed Reality、Valve Indexなどの値を合計して0.87%となっている。
もっとも多いOSバージョンはWindows 10 64bitで、1月14日のサポート終了を前にWindows 7 64bitの割合も大きく伸びている状況だ。
【※記事更新 2020/1/9 10:30】 記事初版にて「Steamユーザー全体のVRヘッドセット所有者はわずかに0.29%」と記載しましたが、同数値はOculus Riftのみのものであり、正しくは「表記されている主要VRヘッドセットの値を合計して0.87%」でした。情報を訂正しお詫び申し上げます。
【※記事更新 2020/1/30 20:00】 ValveはSteamを利用するユーザーの「ハードウェア&ソフトウェア調査」2019年12月版のデータを修正した。英語がユーザーの使用言語で1位(38.02%)になり、中国語は22.48%となった。また、VRヘッドセットの利用率は合計0.87%から1.09%に引き上げられている。
さまざまな統計を見ることができるが、今回の調査でもっとも注目すべきは使用言語だ。「簡体字」の利用率が大きく伸び、37.87%と英語を抜いて1位の座を得た。前回の調査から14.43%増だ。業界アナリストのダニエル・アーマッド氏は今回の情報とともに、中国のSteamユーザーは3000万人にのぼると市場の大きさを伝えている。
ただし留意したい点として、2018年にはPC房のマシンにインストールされているSteamから同じ調査情報が何度も送信される誤りがあったため、今回の急増もそれと同様の問題である可能性はあると海外メディアPCGamerは指摘している。
また、これらの情報はあくまでSteamでの調査結果から統計されたものであり、AMDのスコット・ハーケルマン氏は過去に必ずしも市場の実態を示すものではないと公言することもあった。
だが、最近のSteamの新作やアップカミングゲームウォッチの実感として、中国語のみのゲームが増加傾向にあることは間違いない。
MMORPGのように大きなチームで開発するゲームも多いが、90年代の中国本土を油絵のようなグラフィックでノスタルジーたっぷりに描くアドベンチャーゲーム『完美的一天 / A Perfect Day』や、ひとつの物語を一人称と三人称視点のふたつの視点で描くホラーゲーム『The 3rd Building 三教』など、少人数で開発したと思われる作品も多数リリース予定だ。
Valveが中国のPerfect Worldと提携し近日サービス開始予定の「Steam China」を前に、多くの中国産ゲームが世界デビューを果たしていることが見える。
成功した作品も多く、2018年にリリースされた『The Scroll Of Taiwu』は100万本以上を売り上げ、2020年1月3日にリリースされた『Sands of Salzaar』は、発売1週間経たずして5万本を売り上げたことを発表している。どちらの作品も中国語(簡体字)のみに関わらず、大きな売り上げとなった。
ライター/古嶋誉幸