2001年にニンテンドーゲームキューブで発売された『ピクミン』。不思議な生物「ピクミン」たちのけなげな姿を歌ったCMソング「愛のうた」は大ヒットとなった。「ぼくたちピクミン、あなただけについて行く。今日も運ぶ、戦う、増える、そして食べられる」というフレーズを記憶している方も多いのではないだろうか。
そんな『ピクミン』を題材にしたかわいらしいマンガを子供のために毎日描き続けたお父さんの作品が一冊の本としてリリースされた。タイトルは『Avery’s Pikmin Adventure』(エイブリーのピクミン大冒険)。シアトルに住む漫画家でUI/UXコンサルタントも務めるクリス・ファーニス氏が、息子のエイブリー君のためランチタイムに読むために描いた作品だ。
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『Avery’s Pikmin Adventure』の連載が始まったのは2019年2月。主人公の宇宙飛行士エイブリー君がある惑星に不時着して目を覚ますところから物語は始まる。なんとか安全な場所を見つけ、食べ物を探しているうちにピクミンと出会う。
このあと連載は4ヶ月ほど続き、エイブリー君は最終話で友人のピクミンとともに見事に惑星を脱出することになる。さまざまな困難をくぐり抜け、エイブリー君は友人となったピクミンのインディゴとともに宇宙へと飛び立った。「Avery’s Pikmin Adventure Zine – Year 1」として本になったのはここまでのようだ。
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そして新学期が始まった9月、『Avery’s Pikmin Adventure』はシーズン2に突入。記念すべき2第1話はピクミンのおもちゃで遊ぶエイブリー君とお父さんのコマから始まる。夕食ができたから降りてきなさいと言う父に「ピクミンを絶滅から救ってるからちょっと待って!」という、子供がいる家庭のありふれたシーンだ。
ふたたび謎の惑星へと戻ったシーズン2は前シーズンより長期連載となっており、記事執筆時点で88話が公開されている。
エイブリー君は『ピクミン』が大好きなようで、2018年のハロウィンパーティでは紫色のピクミンの仮装をして登校している。なお、これまでもランチタイムに楽しむためにファーニス氏は絵を描いており、『スターフォックス』や『ゼルダの伝説』など任天堂のゲームキャラクターを題材にしたものが多い。
2019年の新連載で題材を『ピクミン』に絞ったのは、きっと前述のマンガのようにエイブリー君が楽しげにピクミンと遊んでいたことがきっかけなのだろう。
『Avery’s Pikmin Adventure』はファーニス氏のInstagramにて毎日公開されている。また、漫画家としての活動全般に関してはPatreonで支援者を募っている。金額によって氏のジャーナルコミックアーカイブが閲覧できたり、ステッカーが配信されたりする。マンガが気に入った方は支援してみてはいかがだろうか。
ライター/古嶋誉幸