2019年に発売されわずか1週間で発売停止となった『還願 – Devotion』が東アジア研究の最前線であるハーバード大学燕京図書館に収蔵される

 台湾のゲームデベロッパーRed Candle Gamesのホラーゲーム『返校 – Detention』『還願 – Devotion』がハーバード大学のハーバード燕京図書館に収蔵されたことを発表した。

 ハーバード燕京図書館は世界有数の東アジア資料コレクションを持つ、東アジア研究の最前線のひとつだ。『返校 – Detention』はすでにデータベースに登録されているが、『還願 – Devotion』は記事執筆時点で未登録となっている。

 図書館の新たな収蔵品として特に注目が集まっているのが『還願 – Devotion』だ。2019年2月にリリースされた物語重視の一人称視点ホラーゲームで、80年代の台湾のとある集合住宅を舞台にした作品だが、中国の習近平国家主席を揶揄するアートセットが中国のユーザーによって発見された。

 その後、レビュー爆撃だけでなく、台湾の行政院副院長チェン・チーマイ氏までもが作品について語る大きな問題に発展。本作のパブリッシングを行ったIndieventは、中国当局によりビジネスライセンスを抹消される事態となった。

 Red Candle Gamesも「チームとしての意図でもゲームとしての意図でも無く、傷つけてしまったことを申し訳なく思います」と謝罪し、Steamでの販売を中止した。ゲームは発売から1年経った今も再販されていない。

(画像は『還願 – Devotion』より)
(画像は『還願 – Devotion』より)

 発売当時にSteamで購入したユーザー以外はこれまで正規にゲームをプレイする方法は存在しなかったが、ハーバード燕京図書館に収蔵されたことで同図書館は合法的に『還願 – Devotion』をプレイできる場所となった。

 『返校 – Detention』のデータベースに記載された説明では、図書館にある1台のコンピュータでのみゲームが遊べるとのことで、おそらく『還願 – Devotion』をプレイするためには直接図書館に出向いてコンピュータを借りる必要があるだろう。

(画像は『還願 – Devotion』より)
(画像は『還願 – Devotion』より)

 Red Candle GamesはFacebookにて、今回の決定を「チームだけでなく、ファンやサポーターにとっても名誉なこと」だとし、ハーバード燕京図書館とジェームズ・チェン教授ら支援者に感謝を述べている。

 また、改めて今回の事件を謝罪し、ファンにとって完全な状態ではないにせよ、チームの創造性は変わらず保っており、今後多くの作品が共有できることを願っているとしている。そう遠くない将来、Red Candle Gamesの新作が遊べることを楽しみに待ちたい。

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