ニューヨーク州に本部を置くロチェスター工科大学(以下、RIT)のElectronic Gaming Society(以下、EGS)に所属する学生を中心に、『マインクラフト』でキャンパスを再現するプロジェクトが進められている。
デジタルキャンパスの縮尺は2分の1。すでに大学の特徴的なモニュメントや体育館など、多くの施設を再現。それらを紹介するトレイラーも公開された。
新型コロナウイルスで同大学も対面式の授業をすべてキャンセルしており、学生自治会がEGSにオンラインでの学生たちのつながりを促進する方法がないか打診してからこの取り組みが始まった。
EGSはすでに何年も『マインクラフト』のサーバーを運営しており、以前キャンパスを再現するプロジェクトも持ち上がっていた。しかし大学を丸々再現するのは簡単ではなく、EGSだけでなく学生自治会を通じてRITの学生の参加が見込めたからこそ、今回プロジェクトが動き出したのだろう。このプロジェクトには学生、卒業生、教員、スタッフ、およびその家族ら300人以上が参加しているという。
このプロジェクトのヘッドモデレーターであり、ゲームデザインと開発学部の2年生であるアレクサ・アモリエロ氏は、RITのセクションをひとつずつ完成させていく手段を取っていると説明している。レッドストーン回路の製作によく使われるSchematicファイルを用い、大学のセクションを2分の1の縮尺で設計してから協力者と共にゲーム内で建設に当たる。
こうして製作されたデジタル大学は、すでに学生から模擬卒業式、バーチャルキャンパスツアー、オンラインでのヒューマン対ゾンビゲームなど、さまざまな利用方法が提案されている。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、多くの大学がオンラインでの授業に移行している。そんな状況のなか、『マインクラフト』を通じて学生たちが交流しようとする流れはRITだけのものではない。海外メディアThe Vergeでは、ペンシルバニア大学やカリフォルニア大学ロサンゼルス校、ボストン大学などの学生に取材し、キャンパスの再現など『マインクラフト』内での取り組みを紹介している。
対面式の授業だけでなく卒業式のようなイベントのキャンセルも多いが、学生は逆境に負けず自分たちで学生生活を楽しむ方法を確立しているようだ。
ライター/古嶋誉幸