香川県が4月1日に施行した「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例」(以下、ゲーム規制条例)の成立を主導した大山一郎議長が30日の臨時議会にて退任したことが明らかになった。KSB瀬戸内海放送が報じている。
大山議長は「家庭や社会全体が一丸となり、未来を担う大切な子どもたちがネット社会とうまく共存し、健やかに成長できる仕組み作りの契機となりますことを心から念願をいたしております」と自らが成立したゲーム規制条例への思いを語り、退任の挨拶とした。
KSB瀬戸内海放送は議会を後にする大山前議長に取材を試みたが、直接の取材はかなわなかったという。香川県議会では慣例により、議長は1年ごとに交代している。
ゲーム規制条例には、パブリックコメントの賛成意見の不審点や拙速な成立プロセスへの問題などが指摘されている。
ゲーム規制条例の成立時に反対、あるいは退席していた香川県議らは、先日この条例の成立プロセスに疑念があり透明性と公平性に問題があったとして、同条例に対し検証委員会の設置を求める申し入れ書を県議会の大山一郎議長に提出したことが伝えられていた。
「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例」の成立プロセスに関する検証委員会の設置を一部県議が申し入れへ
回答もなく退任しことについて、検証委の設置を求めた辻村修会長は「そりゃもう回答してほしかった。不誠実だと思いますけどね」とKSB瀬戸内海放送に対して答えている。
なお、新たに就任した大山前議長と同じ自民党県政会所属の西川昭吾議長は、「議決の時は、意見が煮詰まっておりましたし、可決された条例でありますので、これ以上の議論は必要ないと認識しております」と、検証委設置を求める議員らとは真逆の考えを示している。
ライター/古嶋誉幸