2Kは、1930年代から1960年代ごろのマフィアを題材にした犯罪オープンワールドゲーム『マフィア』シリーズの復刻を発表した。シリーズ全3作のうち、1作目がリメイク、2作目がHDリマスターされ、その2タイトルと3作目を収録した『マフィア トリロジー・パック』も発売される。対応プラットフォームはPlayStation 4、Xbox One、PCとなっている。
2002年に発売された初代『マフィア』は、1930年代のアメリカが舞台となる作品。タクシー運転手をしていた主人公トミーはマフィアの抗争に巻き込まれ、なし崩し的にファミリーの構成員として犯罪に手を染めていくことになる。ファミリーでの地位が向上するにつれて任務も危険度を増し、やがて幹部にも一目置かれる存在となっていく。
『Grand Theft Auto III』の大ヒットに影響を受けたクライムアクションゲームのひとつだが、リアルな1930年代のアメリカを再現。スピード違反や銃を持って街を歩くだけで警官に追われるなど、より現実味のあるゲームプレイを特徴としている。この特徴は以降のシリーズにも受け継がれていくことになる。
また、一般人からマフィアの重鎮へと立場を変えるトミーの葛藤を中心にした重厚なストーリーは発売当時に大きな話題となり、いまなお名作として語り継がれることとなった。
2011年に発売された『マフィアII』では、前作から時代が移り変わり、1950年代のエンパイア・ベイに舞台を移す。第二次世界大戦が終結した直後、英雄として帰国したヴィトが主人公となる。父親の借金を返済するため、より大きな報酬を求めてマフィアファミリーに身を置き出世していく。
第二次世界大戦直後で主人公は戦争帰りの英雄ということもあり、ゲームでは第二次世界大戦を追体験するミッションも存在する。
シリーズ最新作である『マフィアIII』は1968年の時代設定で、主人公はベトナム戦争帰りのリンカーン・クレイ。黒人と白人のハーフという出自を持つ。家族同然だった黒人組織を、イタリアンマフィア「マルカーノ・ファミリー」に壊滅に追い込まれ、仲間も皆殺しにされてしまう。
帰国後は悪事から足を洗おうとしたリンカーンだったが、復讐のために自分の組織「リンカーンファミリー」を立ち上げ、マルカーノ・ファミリーに恨みを持つものたちを集めることになる。
リメイク版となる『マフィア コンプリート・エディション』では、グラフィックは今世代のゲームと違わないほどにアップグレードされ、ゲームプレイやストーリーも拡張される。ダウンロード販売されたオリジナルの『マフィア』は権利の関係で発売当初に収録された楽曲の一部が収録できなかったが、コンプリートエディションはオリジナルのスコアを収録する。
また『マフィアII コンプリート・エディション』はHDリマスター版となっており、ゲームの内容はグラフィックが向上、すべてのDLCを収録されている。『マフィアIII コンプリート・エディション』はゲーム内容に変更はないが、DLCをすべて収録している。「トリロジー・パック」で全3作をまとめて買うことも、それぞれ個別に購入することも可能だ。
なおフルリメイクとなる『マフィア コンプリート・エディション』は8月28日に発売予定だが、ほか2作は5月20日にリリース予定。Steamではそれぞれオリジナル版を持っていれば無料でコンプリートエディションも配布されるという。
ライター/古嶋誉幸