中国の巨大ゲーム企業Tencent Gamesは、オンラインで開催した「Tencent Game Annual Conference」にて、LightSpeed & Quantum Studioが開発するオープンワールドサイバーパンクシューター『代号:SYN』(Code: SYN)を発表。のテクノロジーデモンストレーション動画を公開した。使用ゲームエンジンはUnreal Engine。
ゲームの発売日は明かされなかったが、コンソールとPCにて、世界中に向けてリリース予定だという。
『Code: SYN』は、サイバーパンクをテーマに東アジア文化のトレンドを取り入れたオープンワールドシューターだ。
今回公開されたテクノロジーデモでは、毒々しいネオンが輝く街並みと、女性キャラクターやお供のサイバネアニマル、運転する車のカスタマイズが紹介された。プレイヤーは3つの勢力からひとつを選んで所属するという。
ゲームのキャラクターはリアリスティックでありながらスタイリッシュな造形を目指しているという。髪の毛や肌の造形にもこだわりがあり、フェイスペイントなども複数の種類から選んで見た目を変更できる。髪の毛に使用されている技術は、Epic GamesとLightSpeed & Quantum Studioが共同して開発したものだ。
ペットとしてプレイヤーに付き従うサイバネアニマルは、クマとチーターが登場。こちらも見た目をカスタマイズでき、クマはスキンによってはパンダにもなる。
チーターは強化外骨格の力で時速230kmまで加速でき、スモークグレネードや尾に装備したスタンガンでプレイヤーをサポートする。
クマは重装甲強化外骨格に身を包み、補給品の輸送や援護を行う。12発のスモークグレネード、追尾ミサイル、マシンガンなど、さまざまな武装が施されている。
プレイヤーキャラとペットのパラメーターは「アーマー」、「シューティング」、「スタミナ」の3つが存在する。これらがアップグレードできるのかは不明だが、カスタマイズには「アップグレード」という項目もある。何らかの形でキャラクターの能力を変化させることができるのだろう。
オープンワールドということで、車両も登場。未来的なスーパーカー風のものから、ハッチバックスタイルのもの、サイバーパンクではおなじみのタクシーまで、さまざまな形が用意されている。エアロパーツやドアミラーを付け替えたり、アニメ絵のペイントで痛車にしたりと、こちらも自由にカスタマイズできるようだ。
動画の最後にはゲームのヘッドアップディスプレイがほんの少しだけ紹介された。見た目は対戦型FPSのようで、右下にはおそらく時間で回復するゲージを持つスペシャルスキルのようなアイコンが見える。左上には現在のミッション目標が表示されている。
ゲームを開発するLightSpeed & Quantum Studioは、モバイルバトルロイヤルゲーム『PUBG: Exhilarating Battlefield』(PUBG Mobile)を制作したスタジオだ。また、60人で戦う低容量・軽量版の『PUBG Mobile Lite』や、『PUBG』から暴力要素を廃して中国国内で利用できるようになった『Game for Peace』の制作でも知られる。
モバイルからコンソールとPCに舞台を移し、グローバル展開を目指すのは、同社の『PUBG Mobile』の中国国外での大ヒットをうけたものだという。本作は世界中でのヒットを狙う。
Tencent Gamesはモバイルプラットフォームでは抜群の存在感を持っているが、コンソール市場では大ヒットと呼べる作品は今のところ出ていない。サイバーパンクテーマの作品が盛り上がりを見せるコンソールゲームシーンだが、『Code: SYN』はどのような地位を獲得するだろうか。
ライター/古嶋誉幸