ゲームデザイナーのSiactroことマーカス氏は、ラーメン屋を舞台にしたローポリホラーゲーム『Tasty Ramen』のエピソード1のベータ版をリリースした。itch.ioから無料でダウンロードできる。
ゲームプレイは「モンスターから逃げつつクリアに必要なアイテムを集める」という小規模ホラーゲームの一般的な形式を踏襲しつつ、日本風のポップな世界を舞台にしたコメディホラーゲームに仕立てている。町中に張られているポスターや、店の中におかれている商品など、可愛らしいローポリのアイテムは見ているだけでも楽しい。
多少驚かせようとする要素はあるがまったく怖くはなく、もちろんつまらないわけでもない。ラーメンの具材を生け贄に捧げる邪悪な儀式で作ったモンスターや、ほとんど登場しないのに記憶に残る濃いキャラクターなど、この先のストーリーが気になるエピソード1となっている。オープニングとエンディングで流れる気合いの入ったアニメーションと日本語のテーマソングも必見だ。
『Tasty Ramen』は、とあるラーメン屋で働く女の子が悪魔のラーメンと戦うホラーゲームだ。少女が訪れた町は桜が咲きほこり、そろそろ「さくら祭り」が行われようとしている。そんなうららかな春の訪れを感じる町のラーメン屋で、惨劇は起きる。
悪魔のラーメンに襲われて失踪した店主の行方、悪魔のラーメンを生んだ邪悪な儀式、そしてさくら祭り。はたして、少女は無事に邪悪な儀式から生き延び、祭りを楽しむことができるだろうか。
本作は、もともとさまざまな開発者のローポリホラーゲームが収録された『Haunted PS1 Demo Disk 2020』の1本として開発された。このDemo Diskに収録されたゲームはその後、サウナホラーシミュレーションゲーム『Sauna 2000』のように独立した一本の作品として、開発が続けられているものもある。
収録作品の中でも異彩を放っていた『Tasty Ramen』も、開発が続けられている作品のひとつだ。シンプルにただ逃げ回るだけではなく、物語を持ったエピソード形式の作品となる。物語を作る上で、主人公の女の子「レン」をデザイン。彼女の視点でラーメンの謎を追うことになる。
エピソード1以降は有料となる。そのため、無料のエピソード1でもゲームは豪華な作りになっている。前述のとおり、ゲームにはテーマソングが用意されており、キャラクターの台詞もすべて声優が声を当てている。グラフィックも凝っているので、このエピソードだけでも満足度は高い。
いまさらだが、ラーメン屋というよりコンビニやスーパーマーケットに近い作りだ。並んでいるのはラーメンに関連した商品ばかりなので、たしかにこれも「ラーメン屋」といえるのかもしれない。
マーカス氏はPatreonにて支援者の募集も行っている。月額3ドル以上でゲームのデモ版に先行してアクセスできるなど、報酬も用意されているので、ゲームの開発を支援したいという方はPatreonのページもチェックしてみてほしい。
ライター/古嶋誉幸