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Fox Sportsがメジャーリーグの生放送に「バーチャル観客」を採用。Unreal Engineなどを使って無観客試合を盛り上げる

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 アメリカに拠点を置くテレビ放送企業Fox Corporationの傘下に属するFox Sportsは、メジャーリーグベースボール(MLB)の生放送にバーチャル観客を表示するシステムを発表した。新型コロナウイルスの感染拡大により無観客試合が続くMLBだが、放送される試合は観客が表示されるようになる。

 Fox Sportsが公開したトレイラーでは、バーチャル観客は歓声をあげるだけでなく、ブーイング、ウェーブなどをする様子が紹介されている。また、チームカラーに合わせた服を着せることもできる。

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(画像はVimeo「FOX Sports Virtual Fans」より)

 バーチャル観客を表示するシステムは「Pixotope」と呼ばれるソフトウェアが利用されており、モーションキャプチャー技術を提供するSilver Spoon AnimationとSMTがチームを組んで製作した。海外メディアThe Vergeによると、このソフトウェアにはEpic Gamesが開発するUnreal Engineの技術が利用されているという。

 Fox SportsはThe Vergeに対し、この技術はまだ発展途上であり、今後も発展させることを約束している。実際、今のところはまだ完璧ではないようだ。カメラアングルによっては観客が表示されないこともあり、観客の反応も2秒ほど遅れていることも指摘されている。

(カメラによって観客が表示されたりされなかったりする。)

(観客の反応が2秒ほど遅れているという指摘)

 こうしたデジタルな方法だけでなく、もっとアナログな方法でファンを客席に呼ぶこともできる。同じくMLBの中継では、ホームランボールが外野席に座るファンの看板に直撃する珍事が起きたことが紹介されている。

 無観客試合をどうやって盛り上げるかという課題は、日本のプロ野球も同じように抱えている。福岡ソフトバンクホークスの試合では、Boston Dynamics社の四足歩行型ロボット「Spot」とソフトバンクのロボット「Pepper」が応援に駆けつけたことが話題となった。

 ほかにも、欧州のサッカーチームを中心に、ファンがお金を払って自分の姿がプリントされた看板を設置する取り組みも行われている。

 現実の変化はめまぐるしいが、技術の進歩も現実の変化を追いかけている。このバーチャル観客システムは、コロナ禍が終わった後もきっとなにかの役に立つはずだ。

ライター/古嶋誉幸

ライター
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一日を変え、一生を変える一本を!学生時代Half-Lifeに人生の屋台骨を折られてから幾星霜、一本のゲームにその後の人生を変えられました。FPSを中心にゲーム三昧の人生を送っています。
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