ライブストリーミング文化のなかで一躍有名となったマルチプレイ人狼ゲーム『Among Us』は、人気に比例してハッキングの被害も多数報告されるようになっている。
アメリカ大統領選挙を控えるなか、最近は「エリス・ロリス・ハック」と呼ばれるチャットスパムボットによる攻撃事例が相次いでおり、開発陣はこれらの現状に対してなにかしらの対策に乗り出している姿勢を示した。
このチャットスパムのBOTはゲーム内で「Subscribe to Eris Loris | TRUMP2020」などのチャットメッセージを何度も送信するスパム行為を働いている。
海外メディアEurogamerは「エリス・ロリス」と名乗るYouTuber兼ハッカーと連絡を取っており、それによれば、この犯行が自身の手によるチート販売を目的だとしていたことを認めているという。このハッカーによると、複数の支援者とともに150万回の対戦でチャットスパムが発信され、490万人のプレイヤーが影響を受けたと語っている。
Hello everyone,
— Innersloth 🦥 (@InnerslothDevs) October 23, 2020
We're are super duper aware of the current hacking issue and we're looking into it. We will be pushing out an emergency server update so people who are in game will get kicked from games. Please play private games or with people that you trust!!! Bare with us!! 😰
ゲームを開発するInnerSlothはこの問題を把握しており、現在対応に追われている。10月23日に公式Twitterアカウントで事態に対処していることを発表。この問題を「スーパーウルトラ(super duper)把握しており、調査中です」と伝えている。
その後、ハッキング被害を最小限に抑える緊急措置を執るパッチをリリースし、プレイヤーに「プライベートゲームや信頼できるメンバーとゲームを遊んでください」と2度にわたってツイート。また25日には2度のハッキング対策を施したことを公表した。
最初になりすまし行為に対処したのち、チャットスパムとディスポーン(真っ暗な部屋)にもメスを入れており、これらの攻撃はなくなるはずだとしている。一方で、この対策が続いたあとも同様の事態が起きたと伝えるプレイヤーのツイートがあり、こうした迷惑行為やチートと開発者の戦いはまだまだ続きそうだ。
Alright, wave 2 of anti-hacks are going out:
— Forest (@forte_bass) October 24, 2020
Wave 1 did fix impersonation, this is why the prominent hack now is just chat spam and mass despawn (black room)
Wave 2 should fix both of these. We'll see where we need to go from there.
2018年に発売され、2020年に入り大きな話題となって一躍人気ゲームの仲間入りを果たした『Among Us』。Steamでも売り上げ、プレイヤー数とも上位に入っている大人気ゲームとなった(公式統計データ)。
プレイヤーの規模は小規模開発で制御できる範疇をとうに超えている感はあるが、スパム行為やチート行為に手を染めずにゲームを楽しむことが開発者を助ける最大の支援といえるだろう。
ライター/古嶋誉幸