日本版『アサシン クリード ヴァルハラ』にて、オプションで流血表現がオンにできない問題(参考記事)について、ユービーアイソフトは12月中旬にこの問題を解決するパッチをリリースする公式声明を出した。先行してアジア版も同等の処置をとることが発表されていたが、それに準じた形だ。
同社は「この度はユーザーの皆様にご迷惑をおかけし、心よりお詫び申し上げます。」と謝罪している。
日本版『アサシン クリード ヴァルハラ』は、「切断面の凹凸をなくし滑らかにする」、「一部拷問シーンがマイルドになる」、「切断された顔を仮面に置き換え」、「トップレスの女性に布をつける」といった修正が入ることが事前に告知されていた。
しかし、発売後に事前告知されていなかった一部のアビリティや攻撃による流血表現がないことが判明。
この件について多くの問い合わせが寄せられたようで、11月18日にユービーアイソフトは公式ブログに「関係機関との協議の上、削除するに至った」と見解を表明。「関係機関」がどこかは明かされていないが、レーティングに関する機関であるため、コンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)ではないかと憶測を呼んだ。
ここから事態は混乱していき、CEROは同機構のブログにて「ゲームの規制に関してユービーアイソフトから連絡や協議の申し出は一切受けておらず、無関係」(参考リンク)と反論するコメントを発表。さらに国内メディアねとらぼのCEROへの取材から、ゲームが流血表現ありの状態で審査をパスしていたことが判明した。
ユービーアイソフトはねとらぼの記事が公開される少し前にブログを更新。関係機関との問題ではなく、同社内の問題だったと公式に認めて謝罪した。
この問題は日本国内だけでなく、『アサシン クリード ヴァルハラ』アジア版が販売されているほかのアジア地域にも波及している。というのも、アジア版の規制内容はCERO基準になっており、事前に告知されていた表現規制のほか、日本と同様に流血表現が削除されていたことが問題になっていたからだ。
ユービーアイソフトの中国法人は、公式の質疑応答ページにて「グローバルリリースポリシーに基づき、CERO基準の規制に合わせる必要があった」と述べられている。アジア版のCERO基準の規制はPSファミリーにしか適用されていないと併記されている。
11月18日にユービーアイソフト中国法人は、PlayStation 5/4の『アサシン クリード ヴァルハラ』アジア版は流血表現を復活させるパッチを配信することを発表。
顛末は台湾メディア4gamersなどが報じているが、記事タイトルに「抗議は効果を発揮した」と書かれており、現地のファンからの抗議があったことがうかがえる。
ライター/古嶋誉幸