日本のスピードランナーのKanno氏が『スーパーマリオ64』スター0枚ルールの世界記録を更新した。新たな世界記録は6分31秒52。海外メディアDexertoが報じている。
Kanno氏はそれまでのスター0枚世界記録保持者Dowsky氏の6分32秒15を破るため、2万回以上の挑戦を経たという。クリアの直前、「世界記録は出なかったかもしれません」とため息交じりにつぶやいたが、結果は人類初の6分31秒台。記録が出る直前には記録更新の予感に興奮し、確定した瞬間ガッツポーズをとった。
『スーパーマリオ64』スター0枚RTAは、その名の通りスターを1枚も取ることなくゲームをクリアする速度を競うスピードランだ。1枚もスターを取らないためほかのルールよりも早くクリアできるが、通常プレイでは70枚必要なスターを1枚も取ることなくクリアするために、さまざまなトリックを駆使しなければならない。
スター0枚ルールの肝となるのが、「DDDSkip」だ。ケツワープことバックワード・ロングジャンプ(BLJ)の亜種サイドバックワード・ロングジャンプを使い、「ウォーターランド」(海外名「Dire, Dire Docks」=DDD)をスキップする技術だ。
【更新 2021/2/2 12:00】 記事初版にて「Kanno氏自身もこの技術(DDDSkip)を解説する動画をアップロードしている」と記載していましたが、Kanno氏はDDDSkip自体に関する解説を出しておりませんでした。訂正しお詫び申し上げます。
DDDSkipはかなり難しい技術だ。この技術を使わないでいかに早くクリアするかを競う「スター1枚ルール」が存在することからも、その難しさがわかる。参考までに、スター1枚ルールの世界記録は上記のDowsky氏が所持しており、記録は7分11秒86。DDDSkipが使えれば、さらに40秒も記録を更新できる計算になる。
Kanno氏は世界記録更新後、スピードラン記録集積サイトSpeedrun.comのページにて、「今度は6分30秒切りを目指します!」と今後の抱負を語っている。