Googleは同社が展開するクラウドゲーミングサービス「Google Stadia」のゲーム開発スタジオStadia Games and Entertainment(SG&E)を閉鎖することを発表した。あくまでゲーム開発部門の閉鎖であり、今後はプラットフォームとしてのGoogle Stadiaに焦点を当てる。
2019年にGoogleに入社し、SG&Eを率いたジェイド・レイモンド氏は退社する。チームのメンバーは、今後数ヶ月以内にゲーム開発以外の新しい役割につくことになる。
Stadia Games and Entertainmentは、Googleが展開するクラウドゲーミングサービスGoogle Stadiaのためのファーストパーティ製ゲームを制作する予定だった。
2019年に『アサシンクリード』や『ウォッチドッグス』などでエグゼクティブプロデューサーを務めたジェイド・レイモンド氏を雇い入れ、同年にカナダのゲームデベロッパーTyphoon Studiosを買収。Typhoon Studiosは先日SteamとGOG.comでも発売された『Journey To The Savage Planet』の開発元だ。
また、2020年にはカリフォルニア州にふたつ目の開発スタジオをオープンしたと発表した。SIEサンタモニカスタジオで『God of War』(2018)のエグゼクティブディレクターを務めたシャノン・スタッドスティル氏が率いるこちらのスタジオも閉鎖となる。
海外メディアKotakuが得た匿名の情報筋によると、この閉鎖により150人の従業員が影響を受けるのだという。
GoogleStadiaの副社長兼GMフィル・ハリソン氏によるとこの決定は、最高クラスのゲームをゼロから作成するには何年もかかり多大な投資が必要で、コストが指数関数的に増えていくことから、今回の閉鎖が決定されたという。今後Stadiaは実証済みのテクノロジーを構築し、ビジネスパートナーシップを深めることに重点を置いていく。
なおハリソン氏は、Google Stadiaのユーザーは今後もサードパーティのゲームを遊ぶことができ、影響はほとんどないことを伝えている。
ファーストパーティタイトルを作ることを目指したGoogleは、わずか1年ほどで断念した。すでに『Journey To The Savage Planet』をリリースし、2020年11月にはDLC「Hot Garbage」をリリースしたTyphoon Studiosの今後が気がかりだが、現時点でTyphoon Studiosやゲームのパブリッシャーである505 Gamesから、スタジオやゲームの今後についての発表はされていない。
ライター/古嶋誉幸