タイムアタック走者のLilAggy氏は、『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』(以下、『SEKIRO』)の「Any%」レギュレーションで新たな世界新記録を達成した。新記録は20分17秒で、達成不可能だと思われていた20分20秒を切る好タイムだ。なお「Any%」とは、進行度に関係なくゲームをクリアすればゴールとなるルールとなっている。
LilAggy氏によると、ここ2か月にわたって『SEKIRO』の「Any%」タイムアタックは発売直後と同じくらいに盛り上がっており、現在は4人のトップランナーが熾烈な記録更新合戦を繰り広げているという。タイムアタックの記録集積サイト「Speedrun.com」によると、とくに20分20秒台前半が激戦区で、ほぼ月に一度新しい記録が新規に登録されている。
LilAggy氏は新記録を達成すると、海外のインターネット掲示板Redditにて自身の使った新しい戦略などを紹介してくれる。氏によると新記録を達成するにあたり、今回は最初のボス「鬼刑部」の戦略に大きな変更があったそうだ。
『SEKIRO』のタイムアタックにおいて鬼刑部はスキップ可能な存在で、破壊可能なやぐらを使うことで鬼刑部はランダムに動きいつか崖から落ちて死亡することがある。便利ではあるが、80%の確率で鬼刑部は想定外の動きをしてやぐらを壊すなどするため、その場合はリセットするしかなくなってしまう。バックアップも不可能で、これをスピードランナーたちは「gyolo」と呼んでいるのだという。
1月に入り、現在2位のMitchriz氏が絶対に鬼刑部がやぐらを壊さない戦略を発見。それでも鬼刑部が即死するパターンが見つからなかったが、さらにバックアップ戦略を変更することで、クリアする上で必ず倒さなければならないミニボス「紫忍者」と「蛇の目シラハギ」を阿攻の飴を使って倒し、時間のロスを軽減する方法が確立された。このバックアップ戦略では鬼刑部で10秒ほど時間をロスするが、そのあとのミニボス戦で7秒ほど短縮できたという。
とはいえLilAggy氏は、今回の記録は「運良く鬼刑部が落ちてくれた」と運も良かったことを認めている。ボスのパターンに恵まれたが、一部のスキップで約15秒のタイムロスが起きたという。それを含めて、氏は「20分を切ることは確実に可能です」と語っている。この記録を出したときは大喜びだったが、すでにさらなる記録短縮を狙っている。
世間は『Elden Ring』で盛り上がっているが、『Sekiro』のタイムアタック界隈も盛り上がっているようだ。さらなる記録更新が報告されるのもそう遠くないだろう。
ライター/古嶋誉幸