タイムアタック走者のLilAggy氏が『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』(以下、SEKIRO)の「Any%」カテゴリ世界記録を更新し、ついに長らく人類の壁となってきた20分のタイムを打ち破った。新たな記録は「19分59秒」となっている。「Any%」とは、どんな進捗度であっても、ゲームをとにかく早くクリアすることを目指すカテゴリだ。
LilAggy氏は『SEKIRO』のタイムアタック走者として有名なプレイヤーで、新記録が出た際にはインターネット上で情報を共有する。今回も海外掲示板Redditにて自身のランを振り返っている。「このランは正直に言って少し奇妙で、最後の1秒まではあまりうまくいっていませんでした」と、本人は最後の最後までこのタイムアタックが20分を切る大記録を達成するとは思っていなかったことを明らかにした。実際に、最後のボス戦までは3月10日に氏が記録した20分3秒のランとほぼ同じペースだったようだ。
状況を大きく変えたのは、「秘伝・不死斬り」を使うタイミングだ。秘伝・不死斬りは形代を3つ消費して大ダメージを与える流派技。現在最速とされているルートでは、最終ボスと戦うときに持っている形代は13個となっており、1回のタイミングで2回振るので、特定のタイミングで秘伝・不死斬りを合計2セット行う。
この攻撃を当てることは記録更新の重要な要素のため、通常は秘伝・不死斬りが安全に使えるタイミングで使う。しかし、動きは多少ランダムとなるためこのタイミングが狙えないこともある。LilAggy氏は2回目の秘伝・不死斬りを放つタイミングが得られず、運を天に任せ20分を切るため安全策を捨ててラスボスが倒せる間際にぶっぱした。これが幸運なことにもヒット。見事に20分切りを達成した。
なお、ソフトの不調で最終ボス戦でストリーミングが切れてしまった。そのため、「20分を切った瞬間を見られたのは僕だけなんだ(笑)」とお茶目に書き残している。
LilAggy氏はこの大記録を達成したあとも謙虚で、この記録が比較的早く更新されても驚かないと語っている。20分切りレースは現在複数の走者がしのぎを削っており、その中のひとりであるPasiflora氏はゲームでもっとも難しい「モンキースキップ」に失敗して夢が潰えたが、それまでは19分50秒でクリアできるペースを維持していた。
現在のルートでは、敵のランダム行動がすべて完璧だった場合でも19分45秒ほどになるという。20分切りという聖杯を得た氏は、少なくともこの記録が破られるまではしばらくこのカテゴリーを離れるとのことだ。3月初めに20分20秒切りが記録されてから、走者たちの切磋琢磨によりわずか1ヶ月で20秒近く記録が短縮された『SEKIRO』の「Any%」タイムアタック。発売から2年を経て、記録の更新はまだまだ続くこととなりそうだ。
ライター/古嶋誉幸