認定NPO法人 引退馬協会が、4月16日(金)に33歳を迎えた引退馬「ナイスネイチャ」の名義で寄付「バースデードネート」を募集している。集まった寄付は、同団体が引退した種牡馬や繁殖牝馬を鹿児島のホーストラストへ預託するための経費として利用される。
ホーストラストへ送るためには、1頭あたり100万円が必要だという。まだ終了まで29日を残しているが、すでに寄付金は2000万円を突破。当初の目標額は200万円だったが「一頭でも多くの引退繁殖馬を終の棲家へ」という声を受けてさらに100万円を追加し目標額は300万円となった。
桁を数え間違えたのではと心配になって何度も確認したが、やはり目標額300万円に対して2000万円を越える寄付が集まっている。
32歳の誕生日に行われたナイスネイチャ・バースデードネーションでは170万円以上が集められたが、今年はすでにその10倍を越える額が集まっている。寄付のコメントを見る限り、『ウマ娘』で競馬に興味を持ったという方も多いようで、例年にないハイペースで寄付が集まっている。
バースデードネーションは、毎年7000頭も生産される競走馬の引退後を支援する寄付プログラムだ。その中でも群を抜いた成績を収めて繁殖馬となったり、乗馬や誘導馬などになったごく一部を除いて、ほとんどが用途不明となって行方が分からなくなってしまうのだという。
馬一頭を養うにはお金が掛かる。名馬として助成金を受け取れない馬であっても殺処分など悲しい結末をたどらないように支援するのが、引退馬協会。そして、引退馬が穏やかに過ごす土地やサービスを提供するのが、鹿児島にある特定非営利活動法人ホーストラストだ。
長距離移動の前に休養させるための牧場や施設への約1カ月間の預託料、ホーストラストまでの馬運代、ホーストラストへ入厩する際の保証金、フォスターペアレント(里親)会員さんが集まるまでを半年と見越してその間の経費、また牡馬の場合は去勢費用として必要なのが1頭あたり100万円。
このバースデードネーションでは、当初は2頭分の200万円、本当にすぐに目標額を超える寄付が集まったため、目標額を引き上げて300万円を目標にしたのは前述の通り。単純計算すると、すでに20頭の馬が終の棲家に移るための寄付が集まったことになる。
なお、ホーストラストに住む馬を支援する方法もある。一口3000円よりトラストスポンサーとして好きな馬や不特定の馬への支援や、トラスト基金への募金という方法も用意されている。興味があればこちらも確認してほしい。