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運を魂でねじ伏せる男・加藤純一、苦節1年もの挑戦を経て最高難度のポケモン「金ネジキ」を制覇。命を懸けた「りゅうのまい」で49連勝を果たす

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 動画配信者の“うんこちゃん”こと加藤純一氏は11月15日(月)、自身のYouTubeチャンネルを通じた『ポケットモンスタープラチナ』の生配信において、非常に高い難易度で知られる「金ネジキ」チャレンジの制覇をなし遂げた。

 約1年もの挑戦を経てたどり着いたドラマの行く末にネット中の注目が集まり、再生数はわずか1日足らずで300万回を超える騒ぎにまで発展した同配信。以前からたびたびトレンドに名を連ねている「金ネジキ」の背景や、加藤氏による偉業の過程を抜粋して紹介しよう。

 「ネジキ」とは、『ポケットモンスター プラチナ』および『ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー』内の施設「バトルファクトリー」に登場するラスボスの名前である。

 同施設ではランダムに選ばれたレンタルポケモンから3体のチームを組み、CPUとの勝ち抜きバトルを行う。21戦目と49戦目に現れるネジキに勝利すると、それぞれ銀と金のシンボルが入手できる。獲得アイテムの色にちなみ「金ネジキ」と呼ばれているのが、後者の49戦目のネジキだ。

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(画像はYouTube「絶対にクリアする金ネジキ」 より)

 打倒「金ネジキ」が困難な理由としては、天命に左右される「運ゲー」要素が挙げられる。バトルファクトリーには育成したポケモンを持ち込めないので、その場の引きに身を委ねるほかない。仲間は1戦ごとに倒した相手のポケモンと交換でき、戦力の強化を図ることも可能だが、敗北すれば初戦からやり直しとなる厳しいルールが挑戦者を待つ。

 仮に最強のメンバーを揃えたとしても、タイプや技の相性が悪ければ即死に至り、敵は一撃必殺の大技まで容赦なく繰り出してくる。次の行動を大局的に見極める英知と、時にはリスクの高い賭けに出る常人離れした胆力が必要な圧倒的ムズゲー、それが「金ネジキ」だ。

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(画像はYouTube「絶対にクリアする金ネジキ」 より)

 あまりのハードルの高さに「クリア不可能」との声が続出し、のちに発売された『ハートゴールド・ソウルシルバー』では難易度の調整がほどこされた「金ネジキ」。加藤氏は2020年11月1日の配信で、『プラチナ』版の「金ネジキ」に初めて挑戦した。

 氏は調整後のバージョンおよび『ポケットモンスター エメラルド』における同様の「金ダツラ」も制覇済みだったが、元祖である「『プラチナ』版こそが“真の金ネジキ”だ」と語り攻略に意欲を示す。この日は善戦した結果、惜しくも45戦目で敗退。以来1年と2週間、約200時間にも迫る苦闘の日々が続く。

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(加藤氏の挑戦の日々。画像はYouTube「jun channel」より)

 時は流れ、2021年11月15日。ついに奇跡は起きた。1戦また1戦と着実に勝利を重ねるうち、しだいに「加藤純一」「金ダツラ」といった言葉がSNSのトレンドを賑わし始める。その勢いは同日に発表された俳優・菅田将暉氏と小松菜奈氏の結婚報道を一時的にしのぐほど。ピーク時には40万人近い視聴者が同時に押し寄せるなど、個人のゲーム配信としては異例の過熱ぶりとなった。

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(画像はTwitterより)

 そんな配信のなかでも大きく盛り上がったのが、42戦目の「カウガール」とのバトルだ。「金ネジキ」を目前に控え、絶対に退けない場面で加藤氏は苦戦を強いられていた。敵の「グランブル」に2連敗し、残る手持ちのポケモンは「バンギラス」1体のみ。

 グランブルの体力はあと少しというところまで削っていたが、問題はバンギラスの「すばやさ」の値の低さだった。「ストーンエッジ」「インファイト」などの強力技を持つグランブルを先に倒せばひとまずは安全。しかし次のポケモンに先手を打たれては勝ち筋が遠のくという切迫した状況で、氏は意外な選択に出た。

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(画像はYouTube「絶対にクリアする金ネジキ」 より)

 加藤氏がバンギラスに命じたのは、まさかの「りゅうのまい」「すばやさ」「こうげき」のパラメーターを上昇させるバフ技だ。次のターンで大ダメージを受けるのを覚悟し、先の勝負へと望みを託す氏の決断が戦局を変える。

 幸いにも与えていた「まひ」の効果が発動し、グランブルは行動不能に。なんとか生き延びたバンギラスに沸き立つ視聴者たち。このままトドメを刺すかと思われたが、加藤氏は再び「りゅうのまい」でさらなる強化を図る。その結果、「インファイト」を浴びてバンギラスの体力は急低下。これを気合で踏みとどまり、残り1割のところで耐え切ってみせた。

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(画像はYouTube「絶対にクリアする金ネジキ」 より)
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(画像はYouTube「絶対にクリアする金ネジキ」 より)

 その後「ここで舞えるヤツがネジキクリアできんだッッ!」と渾身の叫びとともに、バフの力で難局を乗り切った加藤氏。氏と視聴者の興奮が画面越しにも伝わるこの瞬間は、まさに今回のハイライトと言ってよいだろう。ぜひ動画で目撃してほしい。

 波に乗った加藤氏は破竹の勢いで勝利を続け、ついに49戦目の「金ネジキ」に到達。再度「りゅうのまい」を披露する余裕を見せながら確実にネジキを追い詰めていく。因縁の相手が繰り出す最後の砦「ツボツボ」を沈め、見事に完全クリアを果たした。

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(画像はYouTube「絶対にクリアする金ネジキ」 より)
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(画像はYouTube「絶対にクリアする金ネジキ」 より)
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(画像はYouTube「絶対にクリアする金ネジキ」 より)
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(画像はYouTube「絶対にクリアする金ネジキ」 より)

 5時間半におよぶ配信を経て、氏はTwitterでも“真の金ネジキ”制覇を報告。すでに7万リツイートもの反響や1万に届くコメントが投稿には寄せられており、多くの人々が偉業の達成を祝福している。苦節1年もの道のりの末、ネット中が大きな感動のうねりに包まれた今回の挑戦。培った知識と経験、そして天の采配をもその手に収めた加藤氏の不屈の信念に、いまはただエールを贈りたい。

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ライター
フリーランスの翻訳者を経て、2021年より編集アシスタントとして加入。京都の町屋で猫と暮らす。
Twitter:@dashimaruJP

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