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JR中野駅にて壁一面を覆うカニ状の物体がSNSで話題に。「ソリティアのクリア画面」「高難度シューティングの敵編隊」などゲームファンからも注目集まる

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 東京都内・JR中野駅の構内にて、壁一面を覆うカニ状の物体がSNSを賑わせているようだ。

JR中野駅の壁一面を覆うカニ状の物体がゲームファンの間でも話題に_001
(画像は弊誌ライター・りつこによる撮影)

 「爆誕」と黒字の背景に記されたポスターを食い破り生まれて来たかのようにも見える群れの正体は、富山・石川・福井の3県を目的地に北陸新幹線の使用を促す、JR東日本が展開するキャンペーン「かにを食べに北陸へ。」の一環である。

 しかしながら圧倒的な物量で見る者を驚かせるその姿には、Twitter上でも「『ソリティア』のクリア時の演出みたい」、「高難度シューティングゲームの敵編隊」、「まさに『カニカニパニック』」など、さまざまな形でゲームファンからの注目が集まっている模様だ。

 確かに、ゲームとカニの間には奇妙な親和性が存在する。近年のインディーゲーム界隈でカニをモチーフとした作品は人気が高く、2020年にリリースされた対戦格闘アクション『カニノケンカ -Fight Crab-』地上波のゲーム番組でも放送のテーマに抜擢されるなど、ジャンルとしての“カニゲー”を世間に浸透させつつある。

 特徴的なカニの造形がモデリングに向いているのか、はたまた甲羅の奥に秘めたるポテンシャルの広さゆえか真相は定かでないが、昨今ではカニを主役に据えたゲームがインディー界隈から続々と登場しているのも事実だ。また海外では、ゲーム作品内にカニが登場するか否かを監視するTwitterアカウントも登場。高い頻度でカニ情報を投稿し続け、フォロワー数は3万人を超えている。

 弊誌でも関連記事の反響が軒並み大きくゲーム好きの間で愛されているカニだが、現実へ目を向けてみれば最近では漁獲量が低下しており、品薄から価格の高騰が起きているようだ。それは北陸地方の冬の味覚の王者として知られる「越前がに」においても同様で、福井新聞の報道によれば、現地では旅館の経営者らが困難な仕入れ状況に宿泊料の値上げを迫られ苦慮しているという。

 一見単なる奇抜な宣伝戦略とも取れる中野駅構内の壁面に貼られたカニ状の物体は、いずれもラミネート加工を経て切り抜かれたものだ。SNSの過去の投稿をさかのぼるとこの光景は例年の風物詩となっているそうだが、今年はとりわけ平和や幸福を願う千羽鶴さながらに景気の回復を切望する想いが込められているのかもしれないと筆者は感じた。その真実については“カニのみぞ知る”といったところだろう。

ライター
フリーランスの翻訳者を経て、2021年より編集アシスタントとして加入。京都の町屋で猫と暮らす。
Twitter:@dashimaruJP

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