中国の行政機関である国家广播电视总局(National Radio and Television Administration、以下NRTA)は5月7日(土)、18歳未満の未成年者に対し、国内のインターネットプラットフォームを通じた配信番組の視聴や放送の制限を強化すると発表した。ロイターをはじめ、CNBCなどの海外メディアが報じている。
今回の規制によりプラットフォームを運営する各社は、未成年が保護者の承認なく「投げ銭」機能を利用することや、夜10時以降に配信を視聴することを禁じる対策を取るよう求められた形だ。
投げ銭は、配信者を応援する目的でオンラインでの送金を行う機能。保護者の承認を得ていない未成年のアカウントにおいては今後、配信者に対する送金および自身が配信者として投げ銭を受け取ることが禁止される。
また配信の視聴に関しては、夜10時を過ぎると強制的に画面が切り替わる仕組みとするよう、政府の方針が各プラットフォームの運営会社に伝えられている。
NRTAは4月に、国内で発行される公式ライセンスを取得していないゲームについての配信を禁止すると発表したばかり。厳しい措置の背景には、秩序を欠いたライブストリーミング界隈での動向や青少年のゲーム依存に対する社会的な懸念の広がりがあるとされている。
今回規制の対象となるプラットフォームは国内最大級の「bilibili」をはじめ、Tencentが運営する「Huya」と「Douyu」、“本家TikTok”とも呼ばれ多数のユーザーを抱える「Douyin」などだ。TwitchやYouTubeといった母体が海外に持つプラットフォームは含まれておらず、国内のメディア産業における経済的影響が予想されている。