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VR空間の感覚を「口の中に」再現する研究が海外の大学で進行中。振動装置で超音波を放ち、クモが唇を這うような状況も一層リアルな没入体験に

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 アメリカ・カーネギーメロン大学の研究機関「Future Interfaces Group」が開発する、VR空間内の体験を超音波で触覚として唇や口腔内にフィードバックする技術が注目を集めている。VRヘッドセットの下部に取り付けた複数の振動パーツにより、飲み物を口にした際の感覚から虫が唇の上を這う状況までもが再現可能だという。

 Future Interfaces Groupによれば、口は人体において指先に次いで2番目に鋭敏な感覚を持つ器官として、VRやAR界隈で主要な研究対象とみなされてきたそうだ。同グループはいくつかの試作を経たのち、装着者の唇および歯や舌を含んだ口腔内へ空気中の音響エネルギーを集中させて放つデバイスの開発に着手する。

 「Mouth Haptics in VR using a Headset Ultrasound Phased Array」と名付けられたこの装置により、特定の一点に触れたり複数の箇所をランダムに刺激した際のものから、上下左右に奥方向を加えたスワイプの動き、連続した振動といった感覚を唇や口腔内に再現できる。

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(画像はYouTube「Mouth Haptics in VR using a Headset Ultrasound Phased Array」より)

 これらの触覚を実際のVR体験と結び付けたデモ場面も公開されており、上記の動画では巨大毒グモが巣くう不気味な森のシーンなどが映し出されている。

 クモの巣に顔が引っかかると唇を横方向にスワイプする超音波が流れ、クモが顔面に飛びかかった場合はランダムに唇の上を刺激しておぞましい様子を表現。ボスグモが垂らす毒液を浴びると縦方向に唇がスワイプされるといった映像が確認できる。

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(画像はYouTube「Mouth Haptics in VR using a Headset Ultrasound Phased Array」より)
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(画像はYouTube「Mouth Haptics in VR using a Headset Ultrasound Phased Array」より)
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(画像はYouTube「Mouth Haptics in VR using a Headset Ultrasound Phased Array」より)

 動画ではこのほかにも水やコーヒーを飲んだり、タバコを吸う、歯みがきをする、バイクに乗って風を感じるなど日常生活での行為も再現されている。同技術を使った調査の結果によると唇や口腔内への刺激がないケースに比べ、装着者の没入度は2倍程度の上昇傾向が見られたという。

ライター
フリーランスの翻訳者を経て、2021年より編集アシスタントとして加入。京都の町屋で猫と暮らす。
Twitter:@dashimaruJP

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