エクスナレッジは、同社が発行する建築雑誌「建築知識」の人気の号を単品書籍化した『パースと背景画 基本から演出までのすべて』を8月9日に発売すると発表した。
「建築知識」は、1959年創刊に創刊された建築関連の話題を扱う月刊誌だ。建築雑誌……と聞くとなにやらお堅いイメージを持たれるかもしれないが、最近の「建築知識」は創作を行うオタクたちに向けてかなり「攻めて」おり、一部界隈で話題となっている。今回の『パースと背景画』もそんな一冊となりそうだ。
近年の「建築知識」では、たとえば駅のホームや電車の中、学校の教室、交差点の信号など、日常で見かける建物・家具の名称や寸法をに関する資料を「これでもか」というほど掲載している。イラストやCG、あるいは『マインクラフト』などのクラフト系ゲームで建築をする際の大きな助けとなる情報を、かなりの頻度で扱っているのだ。
また、イラストを描く際のパースや構図、色づかいなどについての知識も、ほぼ一冊をまるまる使って特集している。「あれ、これなんの本だっけ」と思えるような、他ジャンルの専門書籍レベルの内容を積極的に特集していると評判だ。
その簡潔な表紙からは想像できないような、有用かつ膨大な情報量で殴りかかってくることから、Twitterではしばしば書籍の内容に関するツイートが数千RTを越えるような話題を呼んでいる。
創作を愛するオタクの皆様…お待たせしました…『建築知識2022年5月号』です…空港に駅…学校に劇場…病院にタワマン…教会に結婚式場…葬儀場他皆様のリクエストが多かった建物の各部位の名称や用語1100&その裏側を立体イラストで徹底解説…小説に漫画…マイクラ…CG…プラモにも役立つよ…4/20発売… pic.twitter.com/88qA4mn04i
— れな (@rena07110) April 18, 2022
今回発売される『パースと背景画 基本から演出までのすべて』は、発売後即重版となった「建築知識2020年7月号 建築と背景画の3DCG最新技術」の内容を再構成し、書籍化したものだ。
サイズはA4版となり、雑誌掲載時よりも大きく、見やすく、分かりやすくなって帰ってきた。
本書は建築、土木、イラスト、漫画、アニメーション、ゲームといった、各界のスペシャリストたちによる3DCGをフルに活用した表現手法を紹介した一冊となっている。
本書にはカメラや構図の基本から、印象的に魅せる仕上げ方法、時短テクニックなどについての知識が全5章にわたって掲載されている。3DCGを中心とした内容ではあるが、構図やオブジェクトの配置手法などについて書かれた内容は絵づくりの知識全般に通じるものがあり、手描きイラストでも大活躍する内容になるという。
リアリティのある背景を制作したい人には、おおいに役立つテクニック集となるだろう。
さらに本書には、駅や学校、オフィス、コンビニなど、背景制作のために知っておきたい建物・家具の名称や寸法などを押さえた資料集も同時に掲載している。
こういったものの寸法などは個別に調べるとなるとなかなかに大変なので、一ヵ所に情報が集められているというのはありがたい。このような資料を元に建物や人のスケール感覚をつかめば、説得力のある画面をつくることができ、創作活動を行っていくうえでの大きな助けとなるはずだ。
『パースと背景画 基本から演出までのすべて』は8月9日発売。価格は2400円(税別)。
今後の創作のためのさらなる知識を求めているという方は、この機会に本書を手に入れてみてはいかがだろうか。