一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は、技術面からゲーム開発者の功績を称える「CEDEC AWARDS 2022」の各部門の最優秀賞を発表した。
「CEDEC AWARDS 2022」は、コンピュータエンターテインメント開発の進歩へ顕著な功績のあった技術にフォーカスし、技術面から開発者の功績を称える賞。
先に発表した各部門の優秀賞の中から、CEDEC2022の受講者、講演者の投票を経て、CEDEC運営委員会により最優秀賞を決定する。
「エンジニアリング部門」は、Cygames Tech Conference運営チームが受賞した。また同じくレースの臨場感を表現する丁寧かつ効果的なサウンド演出をしたとして「サウンド部門」に、『ウマ娘 プリティーダービー』 サウンド開発チームが受賞した。
また高度なゲームデザインを称える「ゲームデザイン部門」として『ELDEN RING』開発チーム、さらに「ビジュアルアーツ部門」においても『ELDEN RING』開発チームが受賞している。
なお「CEDEC AWARDS 2022 特別賞」は、すでに発表済みのとおり宮崎英高氏が選ばれている。
【 エンジニアリング部門 】
受賞者:
Cygames Tech Conference運営チーム対象技術:
人気コンテンツ制作に関する基礎技術や実応用事例を独自開催のカンファレンスで発信し、業界の技術発展に貢献授賞理由:
『ウマ娘 プリティーダービー』を代表とする人気コンテンツ制作における技術や応用事例を多数発表。シナリオ制作などや公式漫画アプリなど周辺のサポートの開発技術を含めて紹介した点も評価。【 ゲームデザイン部門 】
受賞者:
『ELDEN RING』開発チーム対象技術:
ソウルシリーズとオープンワールドが融合した高度なゲームデザイン授賞理由:
伝統的なソウルシリーズの面白さをオープンワールドとの融合によりさらに拡張した。 オープンワールド化することで自由度が広がり、よりプレイヤーの選択肢が広がる中で、ソウルシリーズ独自とも言えるレベルデザインは非常に秀逸である。 今後多く出てくるであろうオープンワールドと既存ゲームの融合におけるタイトルのフラッグシップとなることが予想されその点を高く評価した。【 サウンド部門 】
受賞者:
『ウマ娘 プリティーダービー』 サウンド開発チーム対象技術:
レースの臨場感を表現する丁寧かつ効果的な サウンド演出授賞理由:
レースの臨場感やわくわく感、キャラクターの魅力を最大限に引き出し、何度もプレイしたくなるようなサウンド演出。シーンの様々な環境に対応できるよう初期反射の組み合わせでデータ量を押さえつつ効果的に空間の表現ができている点、足音や歓声のパターンを多く用意してシーンごとに足し引きすることで、活気がありつつプレイヤーを飽きさせない効果音演出を評価。【 ビジュアルアーツ部門 】
受賞者:
『ELDEN RING』開発チーム対象技術:
一瞬たりとも退屈を感じさせず、現代のゲームにおいて満点に値する作品。授賞理由:
広大なエリアから狭小なダンジョンへのシームレスな遷移は、レベルデザインと共にある明暗のコントラストがシリーズ独自のユーザー体験への演出となり、ダークファンタジーの世界観をオープンフィールドでも損なわれることなく最新世代のグラフィックスへ昇華させている。 特に今作の絵画的な風景と写実的なディテールの融合は、高い次元で一つの表現として確立させた。■ CEDEC AWARDS 2022 特別賞
受賞者:
宮崎 英高 氏授賞理由:
『Demon’s Souls』に始まる一貫して高難易度なゲームデザインはファンを魅了し続け、ひとつのジャンルとして新しい境地を開拓し続けてきた。最新作の『ELDEN RING』ではこれまでの集大成として過去作を大きく上回るクオリティやボリュームを実現し、世界中のユーザーから極めて高い評価を得て大ヒットを記録している。これまでに数々の賞を受賞してきた氏の手掛けるタイトルはゲームファンのみならずゲームクリエイターからも注目を集めており、その制作手法や手腕もゲーム業界に大きな刺激と影響を与え続けている。略歴:
株式会社フロム・ソフトウェア代表取締役社長、ゲームディレクター。
2004年、フロム・ソフトウェアに入社。以降、『ARMORED CORE 4』シリーズ、『DARK SOULS』シリーズ、『Bloodborne』、『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』、『ELDEN RING』など数多くのタイトルでディレクターを務める。
個人受賞歴に、Golden Joystick Awards 2018でのLifetime Achievement Award(生涯功労賞)など。