2009年にとある海外のカップルが富士山の麓でプロポーズをする計画を立てていた。しかし、プロポーズの日の天気は大荒れ。富士山に登ることができず、泣く泣く近くの見知らぬ土地でプロポーズを決行した。
当時の映像が残ってはいるが、記憶も曖昧でその思い出の場所の詳細は一切不明。ヒントは荒くて短い映像と、藤沢からバスでその土地にたどり着いたという情報だけだった。
そんな中、少ないヒントからその思い出の場所を特定した『GeoGuessr』の強豪プレイヤーが現れた。
a fan e-mailed @ludwig asking if i could find this street he proposed to his wife on in 2009. he wanted to take her back to that road one day…but it was 13 years ago…& he couldn't remember where it was. luckily @unoxsoep & i were able to pinpoint the exact location… pic.twitter.com/mg76ntMrFa
— rainbolt (@georainbolt) August 31, 2022
『GeoGuessr』とはランダムに表示されるGoogleストリートビューから現在いる場所を推測するブラウザのゲーム。2013年からサービスがスタートした本作は世界中で人気が高く、現在は単純に場所を当てるだけではなく、対戦機能やco-opのゲームモードも追加されており機能は拡大されている。
また、前回のRTA in Japanでも国内の強豪ユーザーが『GeoGuessr』のRTAに挑戦しており、国内のSNSで大きな盛り上がりを見せた。
場所を特定したのはアメリカ在住の地図系YouTuber「Trevor Rainbolt」。彼は「マジシャン」と呼ばれており、どんなストリートビューの画像でも瞬時に状況を整理し、その写真がどの位置に存在しているか瞬時に導き出すことができる。
Trevor Rainboltはとあるファンから、2009年にある海外カップルがプロポーズしたこの場所を見つけられるかどうかを尋ねられた。カップルの男性は妻をこの土地に連れ戻したいと思っているらしく、しかし自分たちではその土地を特定することができないため、ほかの人を頼ったそうだ。
冒頭でも述べたように、ヒントは荒くて短い映像と藤沢からバスで行ったという情報だけ。
『GeoGuessr』のセオリーに倣えば、まず太陽の位置を確認し富士山から見てどの方角に位置しているかを調べたい。しかし天気は荒れているため、太陽は出ていない。そうなれば、宝永山がどの位置に付いているかを確認すれば方角が分かるかもしれないが、映像が荒いためそれもすることができない。
なのでTrevor Rainboltは藤沢から出発するすべてのバス路線を調べ、いくつかの都市に絞り込み、映像に映っている場所と全く同じ景色を見つけるまで、ひたすらストリートビューで調べつくした。
最終的にこの映像が御殿場で撮影されたものであることを突き止めることができ、その執念には脱帽せざるをえない。
地図当てゲーム『GeoGuessr』の強豪プレイヤーは、もうここまでしないと楽しむことができない境地に達しているのかと疑問に思うが、ともあれ思い出の場所を特定できたのは喜ばしい事。
ただ、どんなにその能力があっても悪用はしないようにしよう。