開発者のHytacka氏は、体験版を配信中のPC(Steam)向けアクションRPG『地罰上らば竜の降る』について、同作のゲームシステムをまるごと見直す「新生地罰」プランの概要をYouTubeおよびGoogleドキュメント上で公開した。
発表によると、システム変更後の「新生地罰」はゲームジャンルをアクションアドベンチャーゲームに変更し、戦闘と成長の要素を重視したゲームを目指すという。
『地罰上らば竜の降る』は、強敵との対峙や手に汗を握るような緊張感をテーマに制作されたアクションRPGだ。開発者のHytacka氏はフロム・ソフトウェアのゲームプランナーとして従事していた経歴を持ち、「講談社ゲームクリエイターズラボ」からの支援を受けつつ“世界一面白いアクションRPG”を目指してゲームの開発を進めている。
その経歴やその大きな目標から同作は多くのプレイヤーから注目を集め、3月30日にはバトル要素に重きを置いた体験版が配信された。しかし、体験版の内容はプレイヤーの期待へ十分に応えられるものではなく、さまざまなシステムの問題点が指摘として浮上。特に目立つ意見として「戦闘システムが多すぎて複雑」との声や、そもそも「アクション操作が難しい」といった声が挙がっていた。
上記のような経緯から体験版の公開と同時に実施されたクラウドファンディングも中止を発表しており、執筆時点ではゲームシステムを大幅に見直す今回の「新生地罰」プランが進行している。
システム変更後の「新生地罰」については、獲得したスキルをうまく使い、戦闘のなかでプレイヤー自身のスキルアップにつなげていくゲーム体験を追求。武器や防具は決まった物だけを使える形となり、レベルアップによるステータスの振り分けや豊富なビルドシステムは削除。キャラクター性能の育成に重点を置いたアクションRPGからいったん離れ、アクションアドベンチャーゲームとして再構成されるようだ。
また、戦闘についてはひとつひとつのアクションに意味を持たせ、選択の結果を分かりやすくする方針。成功した時は演出を豪華に、逆に失敗した時のペナルティは少なくするよう調整される。そして、Hytacka氏はシステム変更前の本作でPvP(対プレイヤー戦闘)を意識し過ぎた点についても反省しており、システム変更後の敵はプレイヤーと異なる仕組みで制御し、システム側で戦闘の流れをある程度コントロールするという。
次に、戦闘を難しくしていた要因の“方向属性”については、意識することを前提としたデザインではなく「意識できるとより強い・カッコいい」形に置き換わる。具体的には、方向に合わせてパリィ(攻撃の受け流し)を発動するとダメージ増加、スタミナ回復といったバフのほか、カメラ演出も強化されるようになる。なお、パリィは失敗してもデメリットはないという。
ほかにも資料内には回避やスタミナ要素など、さまざまなシステム変更に関する概要が公開されている。興味があれば、実際のGoogleドキュメントを確認してほしい。
『地罰上らば竜の降る』の体験版はSteamページよりダウンロード可能だ。