東京大学VRサークル「UT-virtual」のOBであるまつさこ氏とkyok01氏は6月20日(火)、ヒロインとの自由な会話を通してデートの記念写真を生成するAI技術を使った恋愛シミュレーションゲーム『Love Infinity ∞』の映像をTwitter上で公開した。本作は大規模ハッカソンイベント「AI+Crypto Hackathon」の作品として6月9日(金)から6月20日(火)までの期間で制作されており、執筆時点で一般向けの公開は予定されていない。
AIハッカソンでとんでもない恋愛シミュレーションゲームが完成した…
— まつさこ (@wappaboy) June 20, 2023
1️⃣ヒロインと自由会話
2️⃣会話の履歴から待ち合わせ場所や着ていく服の情報を抽出
3️⃣抽出情報をStableDiffusion用のプロンプトに変換して画像生成… pic.twitter.com/OLr8YSx9Pf
「AI+Crypto Hackathon」はAIや暗号資産・web3を含んだテーマのもと、両領域に関心のある開発者の交流と革新的なプロダクトの創出を目的として、web3ハッカソンプラットフォーム「AKINDO」上で開催中のイベント。本イベントは日本マイクロソフトや国際スタートアップ・クリプトカンファレンス「IVS」、暗号資産メディア「CoinPost」がAKINDOとの共同主催として参画。参加チームは総額1万5000ドルの賞金をかけて、一定期間内でAIや暗号資産の可能性を広げるプロダクトの制作を目指していた。
なお、6月28日(水)から6月30日(金)に京都で開催される「IVS Crypto 2023 KYOTO」では最終審査に残った10チームが最終プレゼンを展開するという。
上記のイベントでまつさこ氏とkyok01氏のチームが手がけた『Love Infinity ∞』は、話題のAIチャットボット「ChatGPT」と画像生成AI「Stable Diffusion」を用いて制作された恋愛シミュレーションゲームだ。作中では限られた回数のなかでヒロインとの会話を楽しんでいくと、会話の履歴から行き先や服装などの情報を抽出。抽出された情報は画像生成用のスクリプトに変換され、必要なデートの様子を写した記念写真が自動で生成されていく。
実際に公開されている映像では「ビーチ」や「デニムのショートパンツ」、「Tシャツ」などのキーワードから海でのデート写真が生成されていく様子を確認できる。また、生成された記念写真は暗号資産に変換することも可能で、会話の内容にあわせて毎回異なるふたりだけの物語を楽しめるという。
本作についてkyok01氏は「ひいき目に言って、作った僕たちが驚くほど面白い」とコメントしており、実際の手触りも気になるところだ。実際に世へ出されるためには権利上の問題がない学習用モデルの確保やChatGPTのAPIにおける利用回数の制限など課題はあるものの、公開されれば大きな話題となりそうである。
なお、開発に携わったまつさこ氏はSteam、Pico向けに配信されているVRリズムフィットネスゲーム『Groove Fit Island!!』のディレクターも務めているという。こちらは一般向けにも公開されているので、興味があればチェックしておくとよいだろう。
ハッカソンでAIとCryptoを使った恋愛シミュレーションゲームを@wappaboyと作りました!
— よこちょ@Robloxゲームスタジオmoze (@yokoch0x) June 21, 2023
1️⃣Chat-GPTでヒロインと自由会話
2️⃣Stable Diffusionでデートの記念写真NFT生成
ひいき目に言って、作った僕たちが驚くほど面白い🤣#AICryptoHack #AI #ChatGPT #StableDiffusion #web3 #NFT @akindo_io https://t.co/mwcSAmsGrH