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スクウェア・エニックスが「再起動の3年間」計画を掲げた中期経営計画を公開。「量から質」への転換を実現。主要IPを中心に大型タイトルの安定的な投入を目指していく

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スクウェア・エニックスは5月14日(水)、2025年3月期の決算情報を公式サイトのIR情報にて公開した。

決算にあわせて「中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)」と題した資料が公開された。それによると、「再起動の3年間」を目標に、生産性向上や収益獲得機会の多様化などを行っていくことが説明されている。

「デジタルエンタテインメント(DE)事業の開発体制最適化による生産性向上」と題されたセクションでは、開発体制や管理プロセスを見直したことが説明されている。

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画像は「中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)」PDFより

2025年3月期より国内スタジオを対象に、開発組織体制を抜本的に刷新。全ての大規模投資タイトルの開発進捗を経営とスタジオが管理する体制へと変更し、開発ポートフォリオ・スケジュールの最適化、内製開発人員の人材流動と開発コスト最適化を推進したという。

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画像は「中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)」PDFより

新体制下で、国内スタジオのHDタイトル(主要タイトル)及びSDタイトル(スマートデバイス・PCブラウザ用タイトル)ともに全てのプロジェクトをレビューし、一部タイトルの開発中止及びブラッシュアップが必要なタイトルへの追加投資を決定するなど、開発リソースの選択と集中を着実に実行。開発投資については、今後も一定の規律の元で投資規模のコントロールを継続していくとのこと。

グラフでは、コンテンツ制作勘定残高が削減されていることが示されている。

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画像は「中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)」PDFより

また、SDタイトル(スマートデバイス・PCブラウザ用タイトル)においては、開発パイプラインの精査を行い、開発タイトルの選択と集中を実施。運営中タイトルについても、プラットフォーム拡大や決済手段の多様化、運営コスト最適化等の収益性の改善施策を展開。

全てのタイトルを同一スタジオ管轄とすることより、社内ノウハウの集約・蓄積・共有を実現したという。

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画像は「中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)」PDFより

また、以前の決算発表などで前もって表明されていた「量から質」への転換を実現する中長期パイプラインを整備。再起動の現中期経営計画3か年を経て、主要IPを中心に大型タイトルの安定的な投入を目指していくとのこと。

『ファイナルファンタジー ピクセルリマスター』のNintendo Switch・PS4での発売、『ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー HDリマスター』『ドラゴンクエストI&II』などに続いて『FFIVXモバイル』『ファイナルファンタジーVII リメイク インターグレード』のNintendo Switch 2版が例に挙げられており、その後「大型タイトル」「マルチプラットフォーム展開タイトル複数」が発売予定であることが示されている。その後も大型タイトルが定期的に発売予定であるという。

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画像は「中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)」PDFより

「コンタクトポイント(顧客接点)強化による収益獲得機会の多様化」というセクションでは、プラットフォームやコンテンツ展開における戦略が示されている。

2025年3月期に既存タイトルのプラットフォーム展開プロジェクトを複数立ち上げており、HDタイトル・SDタイトル共にPC展開を強力推進。これまでリーチの難しかった中国本土に対してはコード販売による市場開拓を実施した。

新作・カタログタイトルのバンドル販売施策やデジタルシフトを加速させるセール施策の強化等、各種施策によりカタログタイトル拡販伸長を実現。これらの方針により、DE事業におけるPC売上高が増加したことが示されている。

その他、公開されているPDFでは上記以外のコンテンツ展開に関する説明や「経営基盤の更なる安定化に向けた各種施策の導入」などが紹介されている。


ライター
『The Elder Scrolls』や『Dragon Age』などの海外RPGをやり込むことで英語力を身に付ける。個人的ゲーム史上ナンバーワンヒロインは『Mass Effect』のタリゾラ。 面白そうなものには何でも興味を抱くやっかいな性分のため、日々重量を増す欲しいものリストの圧力に苦しんでいる。

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