ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、中国のテクノロジー複合企業テンセントが同社のオープンワールドゲーム『Horizon』(ホライゾン)シリーズを模倣したとして、著作権および商標権侵害で提訴したと海外メディアのロイターなどが報じている。
該当タイトルは、テンセント傘下のPolaris Questが手がけるゲーム『LIGHT OF MOTIRAM』だ。SIEは裁判所に対し、金額を特定しない金銭的損害賠償とテンセントによる知的裁判権を侵害を阻止する命令を求めている。
『LIGHT OF MOTIRAM』は2024年11月に発表された、SteamとEpic Gamesストアにて基本プレイ無料で配信予定のオープンワールドサバイバルゲーム。本作では機械の動物「機械獣(メカニマル)」が存在する文明が廃れた世界で、未知なる大地を探索し生存する作品だ。
『ホライゾン』シリーズは2017年に第1作、2022年に第2作が発売された、SIE傘下のGuerrilla Gamesが開発するオープンワールド・アクションRPG。失われた文明の遺跡が眠る広大な世界で、主人公の狩人・アーロイが危険な機械獣や邪悪な敵対勢力に立ち向かっていく作品だ。
7月25日にSIEが提出した訴状のなかでは、同作は『ホライゾン』の“独創性なクローン”であり、特徴的な要素をいくつか模倣しているため購入者を混乱させる恐れがあると主張している。同訴状にはゲームファンやビデオゲームジャーナリストが『LIGHT OF MOTIRAM』をクローンや模造品と呼ぶといった反応も記されていた。
またSIEは昨年、テンセントから同シリーズの新作ゲームの共同開発の申し出を受けたこと、それを断ったことを述べている。その後テンセントは『LIGHT OF MOTIRAM』を発表したが、SIEは本作について『ホライゾン』とゲームプレイ、ストーリーテーマ、アート要素が同一であるとし、そのほかにも多くの類似点があると主張しているようだ。


SIEは裁判所に対して、金額を明示しない損害賠償と、『LIGHT OF MOTIRAM』の開発や販売などを今後行わないよう差し止めを求めている。