11月13日に公開されたNintendo Switch 2 ソフト『ぽこ あ ポケモン』の特別映像が「不穏すぎる」と話題だ。本作はポケモン初のスローライフ・サンドボックスゲームで、2026年3月5日に発売予定。
主人公は“ニンゲンのすがた”にへんしんしたメタモンで、ニンゲンの道具のようなものを身につけているモジャンボ達とともに「みんなで暮らす街づくり」を目指す。
最近は「レジェンズZ-A」「M次元ラッシュ」「ぽこ あ ポケモン」「ポケモンチャンピオンズ」、あとポケモン以外にも「Beast of Reincarnation」など、ゲームフリークでは多種多様なゲームの開発に挑戦しています。
— 大森滋/Gamefreak (@Shigeru_Ohmori) November 13, 2025
開発スタッフと、たくさんのユニークなゲームを作るのは楽しいですね!
本作は株式会社ポケモンはもちろん、本家『ポケットモンスター』シリーズなどを手掛けているゲームフリーク、そしてコーエーテクモゲームスの3社による共同プロジェクトとして開発されている。
ポケモンを扱った派生作品は数多く存在するものの、ゲームフリークが本家以外の作品に直接携わっているのは珍しく、他の派生作品とは異なる文脈で本作を捉えているファンも少なくはない。
かつてニンゲンとポケモンが暮らしていたとされる街、そして崩壊したポケモンセンター
和やかなグラフィック、ポケモンとの生活、さまざまな要素が「スローライフ」を彩っており、多くの期待が視聴者から寄せられている一方で「色々と切ない」「世界観が不穏」といった声も確認できる。
まず物語が始まる舞台に注目が集まっており、草木が枯れ果て荒廃してしまった「かつてニンゲンとポケモンが暮らしていたとされる街」が登場。
崩壊した施設も映っているが、どこからどう見てもポケモントレーナーには馴染み深い、あの回復施設「ポケモンセンター」である。少なくとも只事ではなさそうだ。

切なさを感じさせる「モジャンボはかせ」
この地には「ちょっぴりかわったすがたのモジャンボ」が“ひとりぼっち”で生活しており、体の一部が白いだけではなく、ニンゲンの道具のようなものを身につけている。他のポケモンからは「モジャンボはかせ」と呼ばれているそう。
メガネのような装飾のほか、本家『ポケットモンスター』シリーズに登場する「わざマシン」のようなディスクを頭部に付けている。
動画内では「街にニンゲンとポケモンが戻ってくることで、また楽しく一緒に暮らしたい」という願いを主人公のメタモンに打ち明けており、何やら訳ありのようだ。

謎に包まれている主人公のメタモン
現時点で言語を通した意思表示がみられないため確証は持てないものの、主人公のメタモンの背景にも注目が集まっている。
経緯は不明だが、このメタモンは薄暗い地にモンスターボールごと転送されたような様子が描かれており、公式サイトでは「長い眠りから目を覚ました」と説明されているようだ。

極めつけに朽ちた「ポケモンずかん」のような機器には、メタモンとともにポケモントレーナーらしき人間の姿も映っている。これを眺めた後に“ニンゲンの姿”にへんしんするという流れだ。
同一個体のメタモンなのか、そもそも人間とはどのような関係だったかは明示されていないものの、主人公のメタモンはかつて、パートナーとなるポケモントレーナーがいたのではないかという見方が強い。
そもそも「ポケモンずかん」が朽ちた状態で置かれているというのも、只事ではない何かが起きた痕跡を感じさせる。

意味深なビジュアルで話題の特殊なポケモン達
そしてモジャンボ以外にも公開された「ちょっぴりかわったすがたのポケモン」の存在が非常に気になるところ。
体に苔が生えた衝撃的なビジュアルで話題を呼んでいるカビゴン(こけむし)、通称「こけカビゴン」は、長い時を眠って過ごしていたという。頭の上には白い花が咲いているように見えるが…?

また、これまでのピカチュウが見せなかった表情や口調もあわさって特に注目を浴びているピカチュウ(うすいろ)、通称「うすチュウ」は白っぽい、ふしぎな毛色の個体。
公式サイトでは「どことなくはかなさを感じるような…?」と説明されているほか、何かに巻き込まれてしまったようなセリフが非常に不穏を感じさせる。“遠い世界”にいたかのような雰囲気は、どうしても無視できない。
(画像は「ぽこ あ ポケモン」 公式サイトより)
『ぽこ あ ポケモン』における世界の真相
つまり、特別映像を見た一部の視聴者からは、本作の舞台が「ポケモンを残して人類といった存在が何らかの出来事でいなくなってしまった世界」ではないかという声が寄せられているようだ。もちろん本作が発売されていない時点では推測の域を出ないだろう。
とはいえ本家『ポケットモンスター』シリーズでも異世界という形ではあるが「人類が他の星に逃げざるを得ないほどに環境が悪化した世界」が登場しているため、ポスト・アポカリプス的な世界観に前例がないわけではない。

また、特別映像に映っている地形がカントー地方の「グレンタウン」に似ているという声も寄せられている。と言っても指摘されているのは、一部の作品におけるグレンタウンだ。
というのも、グレンタウンはシリーズを通して外観が大きく変わっており、初代『赤・緑』のその後を描いている『金・銀』では火山の噴火で多くの建物がなくなっている。災害が実際に起きやすそうな地ではあり、関連性が疑われているという流れのようだ。
この場合は世界全域が荒廃しているとは考えにくいが、いずれにせよモジャンボのセリフやポケモンセンターの様子からして何かがあったのは間違いないのだろう。
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— 【公式】ポケモン情報局 (@poke_times) November 13, 2025
荒 廃 !?
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崩壊したポケモンセンター……
砂に埋もれたポケモン図鑑……
見当たらないニンゲン……
ひとりぼっちの
ちょっぴりかわったすがたのモジャンボ……
ここから新生活が始まります…💪#ぽこポケ #ぽこあポケモン pic.twitter.com/nhjV0zBdHq
確かに本作には不穏な要素が散りばめられているとはいえ、発売前に全貌や真相が判明することはない。
さらに言えば、本シリーズは真相を明かさず考察をプレイヤーに委ねる側面も強いため、発売後も謎が残されたままになる可能性もある。
とはいえ少なくとも「モジャンボはかせ」は、ポケモンとニンゲンが楽しく一緒に暮らせる街作りを目指しているようだ。実際のプレイで各要素を確かめるのは少し怖いが、不穏を吹き飛ばせるような楽しい生活が実現できる日を待とう。


