米ウィザーズ・オブ・ザ・コーストは日本時間11月27日、先週発表した『マジック:ザ・ギャザリング』と『モンスターハンター』がコラボした限定セット「Secret Lair x Monster Hunter Superdrop」について、発売を延期し、内容を全面的に作り直すことを明らかにした。
同社は発表の中で、公開されたカードの内容がファンの期待を下回るものであったことを認め、製品の品質向上を目指すためにこの決定を下したとしている。
今回の決定に至った背景には、シリーズファンたちから寄せられた多くの指摘がある。Redditでは、原作ゲームの設定とカード能力の乖離や、収録カードの価値について議論となった。
例えば、人気モンスター「ジンオウガ」は、原作では電気を操る俊敏な動きが特徴だ。にもかかわらず、マジックの色分けにおいて「赤(雷や速度のイメージ)」を含まない「黒緑」のカードとして登場したことに、疑問を呈する声が上がっていた。
くわえて、能力も長期戦向けの墓地利用効果であったことから、キャラクターの持つイメージとカードの機能が合致していないという声も多く聞かれた。

製品の品質管理に関する批判もあった。「ココット村(Kokoto)」に由来するカード名において、英語版の表記が「Kotoko」となっている誤植が確認されている(日本語版の表記は適正)。
また、原作ゲームの根幹をなす「装備の製作」という要素が反映されていないことへの不満も見受けられた。今回公開された全ラインナップの中に、ハンターの武器を表す「装備品」カードタイプが1枚も含まれておらず、これが世界観の再現不足という印象を強める要因となったようだ。
さらに、高価格帯のプレミアム製品であるにもかかわらず、市場流通価格が安価なカードが何枚か含まれている点も、購入価値の観点から厳しい評価を受けた要因の一つだ。
同社は、カードの選定や『モンスターハンター』の世界観、メカニズムの忠実な統合といった要素において、目標としていた水準に達していなかったと説明している。版権元であるカプコンの協力も得ながらリニューアルし、新たな詳細と発売日を2026年に発表する予定だ。



