株式会社カラーは12月11日、同社の代表取締役・庵野秀明氏による「株式会社ガイナックスについて」の文章を公式サイトに公開した。
文章では、株式会社ガイナックスの破産整理が終わり、法人として消滅し42年弱の歴史を終えたことを報告。また、旧経営陣に対しての民事訴訟については、和解が成立したことなども明らかにしている。
なお作品権利などの処理は完了しており、尽力した人たちへ感謝の意を述べている。
庵野秀明による『「株式会社ガイナックス」について』
— 株式会社カラー (@khara_inc) December 11, 2025
の文章をカラー公式サイトに更新しました。https://t.co/ySzQqOiuPJ
ガイナックス社は、1984年の設立からアニメーション制作やゲームソフトの制作販売を手がけ、『新世紀エヴァンゲリオン』(現在はカラーが著作権を保有)などのヒット作を生み出してきた。しかし、2012年ごろから無計画なCG会社の設立や運営幹部個人への高額の無担保貸付など、経営陣・運営幹部による会社の私物化が行われた結果、経営不振と多額の負債を背負う状態に陥っていた。
今回公開された文章ではまず、2019年の当時の代表取締役社長の逮捕を受け、ガイナックス社の再建や、後に整理に関わる業務に6年間も無償で尽力した関係者に感謝の意を述べた。なお、各作品の権利処理、権利譲渡、制作成果物など各種資料の譲渡に関しては、正式な手続きをもって、各権利者やクリエイターに返還されたことを報告している。
また、カラーが当時の経営陣に対して提訴した民事訴訟については、令和5年1月20日に当方原告の主張を認め、被告からの謝罪を受け入れる形での和解が成立したことを明らかにした。公式サイトにて、和解文書も公開されている。

なお文章の後半には、最後まで身を尽くし、その終焉を見届けたガイナックス最後の代表取締役であり、庵野氏の大学時代からの友人である神村靖宏氏に向けた感謝のメッセージが添えられている。全文は公式サイトにて確認可能だ。
