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ゲーム業界の専門家2300名以上を対象とした最新の調査結果をGDCが公開。過去2年間のレイオフ経験者は28%に上り、雇用環境の厳しさが浮き彫りに。生成AI利用は進むも「悪影響」の回答が過半数を占める

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GDC Festival of Gamingの主催者は1月30日、ゲーム業界の専門家2300名以上を対象とした年次調査報告書「2026 State of the Game Industry」を公開した。

本レポートは、開発者、マーケター、経営幹部など多岐にわたる職種からの回答をもとに、レイオフの現状や生成AIの普及状況、開発環境の変化など、業界が直面している課題とトレンドを包括的にまとめたものである。

今回の調査結果では、昨年に続き業界全体で雇用不安が深刻化している実態が明らかになったほか、生成AI技術の導入が進む一方で、その影響に対する否定的な見方も強まっていることが示されている。

深刻化する雇用不安とレイオフの実態

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(画像は「2026 STATE OF THE GAME INDUSTRY」より)

レポートの中で深刻な課題として浮上しているのがレイオフの問題だ。調査によると、回答者の28%が過去2年間にレイオフを経験したと回答しており、米国在住者に限定するとその割合は33%にまで上昇している。過去2年間に複数回のレイオフを経験した人もいると考えられるため、実際の解雇延べ人数はさらに多い可能性もある。

また、所属する(もしくは直近の)企業については、回答者の半数が過去12ヶ月以内に自社でレイオフが行われたと回答。特にAAAスタジオ(大規模開発スタジオ)に所属する回答者に至っては、その約3分の2が過去12ヶ月以内に自社でレイオフがあったと報告している。

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(画像は「2026 STATE OF THE GAME INDUSTRY」より)

こうした雇用環境の不安定化を背景に、労働組合への関心も高まりを見せている。米国の回答者の82%がゲーム業界労働者の組合結成を支持しており、業界全体でも62%が組合への加入に関心を示しているという結果が出ている。

生成AIは普及が進むも、昨年より懸念が拡大

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(画像は「2026 STATE OF THE GAME INDUSTRY」より)
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(画像は「2026 STATE OF THE GAME INDUSTRY」より)

生成AIの利用については、普及が進む一方で懸念も拡大している。回答者の36%が業務の一環として生成AIツールを使用しているものの、業界関係者の半数以上にあたる52%が、生成AIはゲーム業界に「悪影響を与えている」と考えていることがわかった。

この否定的な見解は昨年の30%から大幅に増加しており、職種別に見ると「ビジュアル・テクニカルアート」で64%、「ゲームデザイン・ナラティブ」で63%に達するなど、クリエイティブ職で特に強い抵抗感が見られる。

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(画像は「2026 STATE OF THE GAME INDUSTRY」より)

生成AI利用者が実際に業務で使用しているツールとしては、ChatGPTが74%と圧倒的なシェアを占めた。次いでGoogle Gemini(37%)、Microsoft Copilot(22%)と続き、汎用的な大規模言語モデル(LLM)の利用が中心となっている。

画像生成AIではMidjourney(17%)やAdobe Generative Fill(13%)が挙げられたほか、社内の独自ツール(21%)を活用しているケースも見られた。

生成AIの具体的な用途としては、「リサーチやブレインストーミング」が81%と最も多く、次いで「コード作成の補助」や「日常業務(メール作成など)」がそれぞれ47%で続いており、クリエイティブな成果物の作成そのものよりは、業務効率化の補助ツールとして活用される傾向にあるようだ。

「Unreal Engine」の使用率が「Unity」を上回る

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(画像は「2026 STATE OF THE GAME INDUSTRY」より)

そのほかの技術的なトレンドとして、ゲームエンジンの利用状況にも変化が見られる。Unreal Engineを主に使用すると回答した開発者は42%となり、Unityの30%を上回る結果となった。

Steam Deckへの関心はNintendo Switch 2に匹敵

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(画像は「2026 STATE OF THE GAME INDUSTRY」より)

プラットフォームに関してはPCが依然として最も関心を集めているが、Valveの携帯PCゲーム機「Steam Deck」への関心も高く、開発者の40%が興味を示しており、これは「Nintendo Switch 2」と同程度の注目度である。

本レポートは、技術的な進歩と雇用の不安定さが同居する2026年のゲーム業界の複雑な現状を映し出している。開発ツールやプラットフォームが進化を続ける中で、それを支える人材の雇用や労働環境をどのように安定させていくかが、今後の業界における重要な課題となりそうだ。

ライター
物心ついたころからFFとドラクエと共に育ち、The Elder Scrolls IV: オブリビオンで洋ゲーの沼にハマる。 ゲームのやりすぎでセミより長い地下生活を送っていたが、最近社会にリスポーンした。 ローグライクTCG「Slay the Spire」の有志翻訳者。
Twitter:@Gre_zzz

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