アンデッドやオークを率いて人間どもを叩きのめせ。人気タワーディフェンスのシリーズ最新作は「悪」が主役!【レビュー:キングダムラッシュの復讐】

 タワーディフェンス(TD)の人気シリーズの最新作。
 小さくてコミカルなキャラクターと、細部まで作り込まれたゲーム内容でタワーディフェンスの定番となっているスマホゲーム『Kingdom Rush』シリーズに、「悪」の側を主人公とした4作目が登場しました。
 『キングダムラッシュの復讐』(Kingdom Rush Vengeance)です。

 今回は過去作で王国兵に討伐された悪の魔術師「ヴェズナン」が主役。
 オークやアンデッドの軍団を率い、居城をテーマパークにされた怒りを晴らすため、ドワーフや人間の王国(キングダム)に侵攻(ラッシュ)していきます。

 といっても、やることは今までと変わりません。
 道の周囲にタワー(防御兵器)を置いて、ぞろぞろやってくる兵士の皆さんを撃退する、おなじみの展開です。
 自由に動かせる強力なダークヒーローや、悪魔召喚&エネルギービームの魔法を使うこともできますが、これも似たものが過去作にあり、外見や名前が違うのみ。

 すでに完成されたゲームであるため、大きく変えていないのだと思われます。
 それはそれで、後発ながらタワーディフェンスの定番となった『Kingdom Rush』シリーズを、今回も同じように楽しむことができます。

 価格はiOS版600円、Android版560円。
 買い切りゲームなのでスタミナや強制広告はありません。

 課金用のタワーやヒーローが用意されていますが、無課金でもヒーローは3人使うことができ、十分な強さがあります。
 タワーも無理に課金用は必要なく、追加課金なしでも普通にクリア可能です。

 ただ課金用のヒーローやタワーは、ロボやドラゴン、飛行船などユニークなものが多いので、“より楽しむため”に購入するのはアリでしょう。

 なお、アプリ名がiOS版は『キングダムラッシュの復讐』、Android版は『Kingdom Rush Vengeance』で、異なっているのでご注意ください。

 ルート固定型のタワーディフェンスです。
 敵兵士の皆さんが入口から集団でやってきて、道に沿ってゴールまで進行していきます。
 プレイヤーは道の周囲に自動で敵を迎撃するタワーを置いて、突破されないように守ります。
 タワーを“設置”および“強化”する資金は、敵を倒すことで増えていきます。

 タワーを置ける場所は決められていて、タワーディフェンスとしては自由度は低い方です。
 ただ、どこにどのタワーを置き、どの強化を優先するかで、防衛力は大きく変わってきます。

 『キングダムラッシュ』シリーズが他のタワーディフェンスと違う点は、敵と近接戦闘を行い、その移動を阻む兵士がいること。
 兵舎を建設することでオークやダークナイトが道の上に陣取り、やってくる敵と戦います。
 攻撃力はあまりありませんが、耐久力が残っている限り、相手をその場に足止めします。
 止めている敵を弓矢で撃つといった戦法を取ることができ、どこで相手を阻むかが重要です。

 そしてタワーとは別に、ヒーローをひとり戦場に出撃させることができます。
 おともを呼んだり矢を連射したりするなど固有の特技を持ち、タップで移動させることもできるため、突破されそうな場所に急行して敵を止めるといった使い方もできます。

歩兵で敵を止めて飛び道具で攻撃するのが『キングダムラッシュ』の基本。ただし敵が多いと止めきれないので、ヒーローで補うか、召喚魔法で援軍を呼ぶといった、状況に合わせた対処が必要です。
今作はタワーを増やすより、タワーのアップグレードを行う方が与えるダメージが増すので、遠距離攻撃タワーは強化を中心にしましょう。
ヒーローは無課金だと3人。オーク戦士の「ヴェルク」は足止めに優れる接近戦キャラですが、やられやすいのが難点。暗殺者の「アスラ」はワープ移動するため危ない場所に急行することが可能ですが、接近戦は苦手。デーモンの「オロック」は魔法に弱い相手にめっぽう強いですが、魔法抵抗が高い敵にはイマイチです。

 ただ、今作から廃止された要素もあります。
 過去の『Kingdom Rush』シリーズは設置したタワーをアップグレードしていくと、途中から2つのタイプに分岐していました。
 たとえば、弓兵なら連射型の「クロスボウ型」か長射程の「スナイパー型」に、兵士なら防御力重視の「騎士」か攻撃力重視の「バーサーカー」に変えることができました。

 しかし今作に分岐はなく、弓兵はそのまま最後まで弓兵です。
 3度のアップグレードを行うと、3つのスキルを習得できるようになりますが、異なるタイプに変わるということはありません。

 そのぶん、タワーは5つまで装備できるようになりました。
 今までは「歩兵・弓兵・魔法・大砲」の4タイプにまとめられていましたが、今回は歩兵タイプばかりを3種類装備することも可能です。
 まあ、分岐があった前作までは実質8種類のタワーを同時に使えたので、装備数が5つだと3つ減っていますが。

 タワーの数自体は無課金でも11種類あり、課金用のタワーも5種類あって、以前より増えています。
 どれを使うかも攻略のカギになります。

骸骨タワー「ボーンフリンガー」のスキルはスケルトン出撃、骨攻撃力アップ、ボーンゴーレム召喚の3つ。このタワー自体は遠距離攻撃を行いますが、スキルの多くは接近戦を行う骸骨兵を呼び出すもので、強化によって遠近両用の戦いを行えます。
兵士の待機場所は旗のボタンで指定できます。
「ゴブリンロケット」と「溶鉱炉」は範囲攻撃。多数の敵にまとめてダメージを与えられます。威力があっても単体攻撃だけだと数で押し切られるので、足止め、対空、範囲攻撃のバランスを考えましょう。
重装甲の敵は魔法に弱く、魔法系は物理攻撃に弱いので、その点も考慮すること。

 ステージをクリアすると「アップグレードポイント」を得られ、これで主人公の強化を行えます。
 主人公が直接戦うゲームではありませんが、一定時間ごとに発動できる召喚魔法や攻撃魔法の威力を強化したり、ヒーローの強さを底上げすることができます。

 ヒーロー自身も戦闘によって経験値が貯まっていき、レベルが上がれば強化ポイントを得られ、特技や特性を強くできます。
 戦術が変わるほど強くなる訳ではありませんが、育成要素があるのは良いですね。

 また、ステージが終わると「ジェム」を獲得でき、ショップで使い捨てのお助けアイテムを購入できます。
 ジェムは負けても獲得できるので、行き詰まっても連戦してジェムを貯めてアイテムを使えば、なんとかなるかもしれません。

 このゲームで特筆しておきたいもうひとつの点は、各ステージに隠されたおまけ。
 いわゆる「イースターエッグ」です。

 各ステージには色々なものが散らばっていて、タップで反応するものも多く、ペンギンを押すと飛んだり、雪だるまが動き出したり、扉が開いて盗賊が進入してきたりと、ユニークなものが。
 それぞれに細かい動きが用意されていて、なかには発見することで「実績」を得られ、ご褒美がもらえるしかけも。
 キャラクターも表情豊かで、親しみのあるデザインもこのシリーズの長所でしょう。

マップ画面。最初のチュートリアルステージを除き、全16ステージ。
クリア済みのステージは手強い敵が出てくる「英雄的チャレンジ」と、1waveだけの短期戦「鉄のチャレンジ」に挑戦できます。
ただ、今回は追加モードをクリアしてもアップグレードポイントをもらえないので、後回しでもいいでしょう。
巨大ドラゴンとのボス戦。 氷のブレスでタワーを凍りつかせてしまうので、連打して解凍する必要があります。
攻撃は左右両脇にある大砲で実行。ボスとの戦いに夢中になって、ザコに突破されないように。
ラストステージは回復アイテムを持っていった方が良いかも……。

 予想以上に変わっていなかったので、もうちょっと今までの敵役らしいところもあれば…… とも思いましたが、『キングダムラッシュ』らしい安定した面白さのあるタワーディフェンスです。
 模倣作も多いシリーズですが、やはり本家のしっかりした作りはさすがですね。

 難易度は「イージー・ノーマル・ベテラン・ジゴク(クリア後のみ選択可能)」の4種類用意されていて、イージーならタワーディフェンス初心者でも大丈夫だと思います。
 後半になるとボス戦や難関のステージも出てきますが、元々そこまで難しいゲームではありません。

 現時点(2018/11/24)では、タワーを売るとゲームが落ちてしまうバグがありますが、アップデートですぐ改善されると思います(売らなければ問題ありません)。

 スマホでゲームをするなら、一度は体験して欲しいシリーズです。

キングダムラッシュの復讐

人気TD『Kingdom Rush』の最新作は「悪」が主人公

(画像は Kingdom Rush Vengeance – Google Play のアプリより)

・タワーディフェンス
・Ironhide Game Studio(ウルグアイ)
・iOS版600円、Android版560円

文/カムライターオ

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著者
『Ultima Online』や『信長の野望 Online』、『シムシティ4』など、数々のゲームのファンサイトを作成してきた。
 iPhone アプリのレビューサイトを経て電ファミニコゲーマーのお世話に。 
 シューティングとシミュレーションが特に好き。
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