タクシーの走行距離で美少女を育成…!? 下町のタクシー会社が“人間とクローンが戦う壮大な世界観”のスマホゲームを開発した理由を聞いてみた

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 戦艦神社など、ありとあらゆるものが擬人化されて美少女ゲームになるこのご時世。ついに自社のタクシーを擬人化し、乗った距離にあわせてキャラが進化するというゲームを作ってしまったタクシー会社まで現れたのをご存知だろうか。

 そんなスマホゲームアプリ『GOJO WORLD』を3月にリリースしたのは、東京の下町・錦糸町に拠点を構える老舗タクシー会社「互助交通」。1955年創業ながら、新卒採用案内で「面白いことが大好き」とうたう異色の企業だ。

(画像は『GOJO WORLD』の公式サイトより)

 さらになんと、来週4月29~30日に開かれるニコニコ超会議2017にも企業ブースを出展。もちろんタクシー会社の出展なんてここだけ。タクシーをまるごとラッピングして『GOJO WORLD』色に染めた“痛車”を展示するほか、なぜか有名コスプレイヤーの撮影会まで……? いったい何が起きているのだろうか。

 中高年ばかりのタクシー業界に若者の目を向けようと奮闘する、美少女ゲーム仕掛け人の中澤睦雄専務にお話をうかがった。

取材・文/透明ランナー


互助交通の中澤睦雄専務。

GPS連動キャラ進化アプリ『GOJO WORLD』

――早速ですが、こちらのスマホアプリ『GOJO WORLD』、いったいどういうゲームなんですか?

中澤睦雄専務(以下、中澤氏):
 タクシーに乗った距離や回数に応じてポイントが貯まる、GPS連動型美少女育成アプリです。まず無料アプリをダウンロードしておいて、タクシー車内でQRコードを読み取ってもらうと、キャラクターがダウンロードできます。また、タクシーに乗って貯まったポイントで他のキャラクターを増やすこともできるし、一人のキャラクターをドレスアップさせて育てていくこともできます。 

『GOJO WORLD』のゲーム画面。タクシー×美少女育成ゲームという突飛なアイディアで、認知拡大を狙う。
(画像はプレスリリースより)

 タクシーに乗るとポイントが貯まってクーポン券がもらえるというサービスはよくあるんですけど、そうではなくて、ゲームにして使ってもらおうというのは日本初、いや世界初の試みだと思います。

――確かに、世界中探してもないかもですね(笑)。ターゲットはどんな人ですか?

中澤氏:
 若い学生やサラリーマンの方に使ってほしいです。こういった方はあまりタクシーを使われないですから、少しでも多くの方にタクシーを身近に感じてほしいです。

 美少女キャラクターは6体用意していますが、メインの2人はrefeiaさん(@refeia)というプロのイラストレーターの方に描いてもらいました、落ち着いた感じで、かと言ってくどくない感じの方の絵がいいのかなと思って、一目惚れというか直感でこの方にお願いしました。もし多少なりとも認知されて人気をいただけたら、ゆくゆくはキャラクターを増やすことも考えてます。
 将来的にはボイスもつけられたらいいですよね。ここからアニメとかゲームとかにもなってくれれば。夢は大きく持っていきたいです(笑)。

きっかけは飛び込み営業

――タクシー会社のイメージとまったく違う、不思議な発想ですが、いったいどういうふうに思いついたんでしょうか。

中澤氏:
 今までいろんな求人媒体を使って人を集めようとしたんですけど、最近はついに求人をいくら出しても人が来ない時代になりまして。もう待ってても人が来る時代は終わったんだな、ということで、自社のブランド力を上げないと生き残っていけないなと思っていたんです。

 なので広告関係の方に、「とにかくなにか面白いことを提案してください」という話をしていたら、たまたま飛び込み営業で突然求人広告を売りに来た女の子がいたんです。
 それがメディアハウスさんという広告会社でした。

――飛び込み営業! そこからスタートしたんですか。

中澤氏:
 最初は「そういうのはいらない」「どうせ来るならなにか面白いもの持って来て」って言って帰っていただいたんですよ。そしたら「じゃあ考えて来ます」って言って、次は社内のクリエイティブ部門の方と一緒に来たんですよ。まさか戻ってくるとは思わなかったんですけど(笑)。

――なかなかガッツがある人ですね(笑)。

中澤氏:
 そこで彼女がくじけていたら、企画も何も始まらなかったわけですからね。で、最初に提案されたのが「メーターとかハンドルとか、タクシーについているものを全部擬人化しませんか」というアイデアでした。

チラ見せしていただいた内部資料からも、本気度が伺える。

 これもなかなか突拍子もない話ですが、最初はそこからスタートしていったんです。

美少女育成ゲームになった理由は『ポケモンGO』

中澤氏:
 でも世の中にはいろんな擬人化があふれてるんです。「それじゃ面白くないよね、どうせならタクシーそのものを擬人化しよう」ということになりました。例えば、うちのタクシーの1号車はこういうキャラ、2号車はこういうキャラで、と作っていったらいいんじゃないの、と。しかも、街なかでうちのタクシーにスマホをかざすと、その車の横に女の子が映るようにしたらどうだろう? という感じですね。それで一回見積もりまで取ったんですよ。

――まさにARゲームですね。

中澤氏:
 ただ、ARゲームってけっこう作るのが高くて……(笑)。しかもちょうどそのころ『ポケモンGO』の交通事故のニュースが毎日報道されるようになりまして。うちの車の写真を撮りたいがために飛び出しちゃうという危険性について考えてしまいました。
 で、せっかくキャラクターを作るんだったら美少女育成ゲームにしたらいいんじゃないのかってことで、こういうゲームになったんですよね。それが決まったのが2016年の夏くらいです。

――ちなみに、このゲームの背景にはどんなストーリーがあるんですか?

中澤氏:
 それはもう、かなり深いストーリーがあります。
 異世界に広がる2つの国が舞台で、片方は自然があふれる西の国、もう片方は機械が発達した東の国。そんな2つの国が争いを繰り返すなかで織りなされる物語です――。

 ある日、子宝に恵まれなかった西の国に待望の王女エミーユが生まれます。ところが、彼女は生まれてすぐに大病に見舞われてしまうんです。

(画像は『GOJO WORLD』の公式サイトより)

――ふむふむ。

中澤氏:
 世継ぎがいなくなることを危惧した大人たちは、禁忌とされた秘術を使い、王女のクローンを創造する……。

 しかし王女の体調が戻り、不要となったクローンは処分されてしまいます。その12年後、東の国が国境を越えて突如、西の国に攻め込みます。その軍勢を率いていたのが、処分を免れたクローン少女だった……そんなお話です。

――壮大だけど、タクシーぜんぜん関係ない!(笑)

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