今回の取材は、ごくごく真っ当な動機から始まった。
今年の4月で9周年を迎えた『アナザーエデン 時空を超える猫』。来年にはついに10周年だ。
『クロノ・トリガー』や『クロノ・クロス』を生んだ加藤正人氏をシナリオ陣に擁し、長らく愛されてきた本作のシナリオはどう作られているのか。
その舞台裏に迫る、真っ当なインタビューになるはずだった。
じつは『アナザーエデン』の物語は、加藤氏が手がけるメインストーリーだけにとどまらない。
複数の実力派シナリオライターが携わる「外伝」「外典」「外史」「群像」などのサブストーリーもまた、「とにかく感動できる」ともっぱらの評判なのだ。
たとえば、星に見放された不毛の地・古代西方大陸を舞台に、過酷な運命に翻弄される人々の信念と絆を描いた外典「剣の唄と失楽の翼」。記憶喪失の少女とともに反復する時空を巡り、破滅へと歪められた歴史を正してゆく外史「彷徨える少女と久遠の渦」。
そんな良質なストーリーコンテンツを提供し続ける『アナザーエデン』シナリオチームにその制作秘話をうかがう。……本来は、そんな企画だった。

ところが、である。今回お話を聞くシナリオチームのみなさんに、「好きな展開」や「シナリオ制作のこだわり」を事前にヒアリングしていくなかで、ひとつの共通点が浮き彫りになってきた。
「鬱屈とした世界からの解放、みたいなものが大好き」
「ずばり、曇らせです!」
「過去の後悔の話ばかり書いています」
「心をバキバキに折ろうとする傾向があるかもしれません」
……あの。
もちろん、試練を与えて乗り越えさせるのは、物語の王道展開である。しかし、なぜ4人全員とも「キャラを地獄に落とす話」ばかりするのだろうか。

「鬱屈とした世界からの解放が好き」という回答も、ポジティブなようで「まず絶望に突き落とす」前提があり、実際に「出発点に絶望があってほしい」と、のちのち明かしている。
ほかの回答を見ても「曇らせ」「過去の後悔」「心をバキバキに折る」と、絶望のバリエーションまで豊富である。
真面目な王道RPGの裏側で、シナリオライター陣がこんな創作衝動を抱えていたなんて……。想像もしていなかった事態だ。

今回、お話をうかがったのは、シナリオチームに所属する藤代恒氏、Tsumu氏、本多祐一郎氏、七崎七氏の4人のライター陣と、本作のプロデューサーを務める平澤信之介氏。
王道RPGの裏側で、彼らはどんな顔をしてキャラクターを絶望へ突き落とし、救い上げているのか。
本稿では、そんな彼らの「地獄への落としかた」へのこだわりはもちろん、新外史「望郷の魂と逆星の旅人」の制作秘話や主人公・アルドへの熱い思い、大先輩・加藤正人氏とのエピソードなど、シナリオチームの裏側にたっぷりと迫っている。
まずは、さまざまな外伝、外典でも物語の中心にいる主人公「アルド」の描きかたをはじめとした、チームとしてのシナリオの作りかたをお聞きしていこう。
※この記事は『アナザーエデン 時空を超える猫』の魅力をもっと知ってもらいたいライトフライヤースタジオさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
『アナザーエデン』シナリオチーム座談会、開幕
──本日はよろしくお願いします。まずは藤代さんから、自己紹介とこれまでに担当されたシナリオについて教えてください。
藤代氏:
藤代恒と申します。チームに入ってもうすぐ5年になります。過去の担当シナリオだと、外伝「伐竜姫譚」シリーズや、「ノーナ外史」と呼ばれている外史「彷徨える少女と久遠の渦」の第4弾、第6弾などです。
昨年は執筆というよりは、加藤(正人)さんのお手伝いをしていたり、各シナリオの監修をしていることが多かったです。

──続いてTsumuさん、自己紹介と担当されたシナリオを教えてください。
Tsumu氏:
Tsumuと申します。参加して4年ちょっとになります。メインで関わったのは、協奏「悠かなる叡智と秘密の孤城」や、群像「落陽の墟と輝きの守手」などです。
ほかにもキャラクタークエストを執筆しつつ、ボイス収録の台本や現場のとりまとめなど、プランナー的な仕事も担当しています。

──続いて本多さんにも、自己紹介とこれまでに担当されたシナリオについて、おうかがいできればと思います。
本多氏:
シナリオチームの本多です。過去の担当作品としては、外典「霊長の理と枢機の天秤」や去年完結した外典「八千夜の咎とまつろわぬ刃」、前回の「ノーナ外史」第2弾などを担当しました。今年9周年で始まった新外史「望郷の魂と逆星の旅人」も担当させていただいています。
チームにジョインしたのは藤代さんや七崎さんたちとほぼ同期で、この6月で丸5年になります。『アナザーエデン』の「シナリオライター発掘コンテスト」に応募したのがきっかけで加入しました。

──では七崎さんからも、自己紹介とこれまでに担当されたシナリオについて、教えていただけますでしょうか。
七崎氏:
七崎七と申します。私は基本的にキャラクタークエストをメインに書いています。
シナリオですと、ノーナ外史の第3弾や、ガリアードというキャラが主人公の外伝「未完の生命と瑕疵の楽土」、昨年は外伝「螺旋の記憶と原初の旋律」の「人類の章」と「螺旋の章」をメインで書かせていただきました。私も「シナリオライター発掘コンテスト」で発掘された側の人間です。

圧倒的な善人であり、誰もが感情移入できる存在。9年愛され続けるアルドのブレない主人公像
──まずは9周年おめでとうございます。『アナザーエデン』と言えばまず主人公であるアルドが人気も高く非常に重要な存在となるかと思いますが、シナリオチーム全体で共通して意識されていることはあるのですか?
七崎氏:
アルドは人気投票で1位をとるほどのキャラクターなので、一番大事にしているのは「ユーザーさんが思うアルド像を大きく崩さないこと」です。
もちろん新しい物語を描くうえで、どうしても変化する部分はあります。ただ、その振れ幅が大きくなりすぎないように気をつけていますね。
アルドって本当に「いいひと」なんですよ。だからこそ、常にユーザーさんに寄り添える存在であるよう意識しています。
本多氏:
私もだいたい同じ認識ですね。9年もの長い間、これだけ多くのキャラクターがいる中で人気投票1位をとり続けるって、すごいことだと思うんです。
それは彼が「誰もが感情移入できるキャラクター」だからだと思います。グイグイ引っ張るリーダーではなく、どんな相手にも寄り添って、そっと背中を押してくれる。その押し付けがましくない「さりげない優しさ」が、愛され続けている秘訣なのかなと。
Tsumu氏:
本多さんがおっしゃった通りで、私もアルドは「いてくれて安心できるキャラクター」だと思っていますし、執筆時もそこを目指しています。
チーム全体としても、「安心できる存在でありつつ、でもしっかり主人公として活躍させる」というバランスをとる意識がすごく高いと感じていますね。
ただ、私が書くシナリオだと、その「安心感」が先走りすぎるのか「あれ、この話のアルド、あまり活躍していないな?」となってしまうこともあって。そこは気をつけていきたいところです。
本多氏:
担当ライターによる微妙な描き方の違いが出るのも、それはそれでおもしろい部分として、シナリオチームとしては捉えています。

──なるほど、書き手であるライターさんごとの個性や解釈が、アルドの言動にも表れてくるわけですね。
藤代氏:
どちらかと言うと、お話のジャンルによる差ですね。難しいテーマの話だと、気がついたら「今回のアルドはちょっと頭がいいな」となっていることもあります。
ただ、「彼が圧倒的な善人である」といった絶対に踏み外しちゃいけない枠組みがあるので、大前提としてそこを守ったうえでの話ですね。
Tsumu氏:
たしかにそうですね。たとえば「未来の話」だと高度な用語が飛び交うので、アルドが完璧に理解していると不自然になってしまいます。
そうした状況下でアルドの存在感をどれくらい出すかは加減が必要ですが、知識ではなく「親しみやすく、寄り添って背中を押す」という彼らしいスタンスの面で、しっかり主人公として立たせる意識は持っています。
──どんな世界観に放り込まれても「寄り添ってくれる」というアルドらしさは変わらないと。藤代さんの場合は、彼を描くにあたってどんなことを意識されていますか?
藤代氏:
基本的にはみなさんと一緒なんですが、アルドを描くうえで大事なことは大きくふたつあると思っています。
ひとつは、彼が「喋る主人公」であること。人格や個性があるので「アルドらしさ」をしっかり描く必要があります。もうひとつは、彼がRPGの主人公、つまりプレイヤーの「視点人物」であるということです。
書いていておもしろいのは、アルドを「キャラクターとして見ている時」と「自分自身として見ている時」の両方が存在するということです。
初めての場所で驚くような場面では、完全にプレイヤー自身とアルドがシンクロしています。一方で、他人の背中を押すアルドを見守る場面では、「アルド、よくやってくれた」とキャラクターとして愛着を持てる。このふたつの視点が両立しているのも、彼の魅力だと思います。
普段は見守っていても、一番大事なところで背中を押す。外伝におけるアルドの描きかた
──外伝や外典、外史では、もうひとりの主人公とも言える「主軸となるキャラクター」が登場しますよね。アルドとの「主人公らしさ」の塩梅は、どのように調整されているのですか?
七崎氏:
それぞれのテーマによって大きく変わります。
たとえばガリアードが主軸となった外伝「未完の生命と瑕疵の楽土」では、ディレクター陣から「ガリアードを主人公としてかっこよく」というオーダーがありました。
ですので、基本的にはガリアードが主人公として動く流れなのですが、ラストシーンにはアルドの主人公らしい見せ場をしっかり入れています。
一方で、別の外伝では「誰もが主人公である」というテーマにあわせて、アルドの活躍をあえて控えめにし、世界に生きるひとりの人間として描いたこともあります。

本多氏:
外伝の中で「アルドをどう位置づけるか」は、いつも頭を悩ませる部分です。
とくに私が2回担当した「外典」の場合は、「アルド以外のキャラクターを主人公に立てて物語を描く」というコンセプトがありました。
ただ、プレイヤーはアルドとして冒険に参加しているわけですから、「アルドがいなくても成立する物語」にしてはいけません。
普段は見守っていても、大事な局面では背中を押して「やっぱりここはアルドが決めてくれるんだ」という主人公としての活躍は必ず入れるようにしています。
──ここぞという場面で、誰よりも頼りになる存在であると。
本多氏:
ええ。プレイヤーにも「アルドがいてよかったな」と思ってほしいですし、私自身もそう思いたいんです。どんなに辛い状況でも「前に進むしかないだろ」と言ってくれる、そんな距離感でいてほしいですね。
Tsumu氏:
本当にそう思います。ふだんは仲間の背中を押すポジションでありつつ、最後は一緒に戦ってくれる。そんな存在として愛してもらえるように描いていきたいですね。
藤代氏:
私の外伝でも「別で立てた主人公をしっかり主人公にするタイプ」の作り方をしました。
リュゼが主役の外伝「伐竜姫譚」は「彼女が主人公を目指す」というテーマなので、まさにそうですね。その中でアルドは「プレイヤー視点でリアクションする役割」を担っています。
新たな主人公に対してアルドが「君はこんな人なんだ」とリアクションすることで、プレイヤーも物語に没入しやすくなるんです。
あとはみなさんが言うように、「一番大事なところで背中を押すのはアルドであってほしい」というところが重要ですね。
七崎氏:
もう9年、アルドと付き合っていますから。「彼がいれば大丈夫」って言ってもらえる安心感は、これからもブレさせないようにしたいですね。

──アルドをどう描くか、シナリオチームのみなさんで議論をしたりすり合わせたりする機会はあるんでしょうか
藤代氏:
昔はあったかもしれませんが、今はあまりないですね。私たちは関わっている期間が長いのもあるかもしれません。
本多氏:
お互いに「こう思っているよね」と認識を確認しあうことはあっても、議論することはありません。それぞれの中にしっかりとしたアルド像があるんだと思います。
七崎氏:
書いていくうちに、「アルドならこう動く」というのが自然とわかってくるんですよね。
それにユーザーさんの感想を見ることで、「こういう活躍が求められているんだな」と見えてくる部分も大きいです。
Tsumu氏:
個人的にすごく驚いていることがあって。いろんなライターさんがアルドを書いているのに「アルドの口調やセリフに、誰かが赤字(修正)を入れる」のを見たことがないんですよ。おそらくチーム内で認識が揃っているんですよね。
藤代氏:
強いて言うなら、一人称を漢字の「俺」と間違えて書いちゃう人がたまにいるくらいかな(笑)。
七崎氏:
パソコンの変換で間違えやすいんですよね(笑)。
入社後2ヵ月は、ひたすら『アナザーエデン』をプレイするのが仕事。シナリオチーム新人の洗礼
──物語の蓄積がある作品に途中から参加するとなると、その作品の世界観や設定に馴染むまでがひと苦労ですよね。みなさんはチームに入った当初、どのように設定を把握していったのか教えてください。
藤代氏:
そこは人による部分が大きいですね。たとえば、先ほどお話しした「ライター発掘コンテスト」などで採用された方々は、最初から熱狂的な『アナザーエデン』ファンなので何も心配いらないわけです。
ただ、私みたいに別のゲームから移ってきた人間や、完全に新しく入ったライターさんは大変で、チームにジョインしてから最初の2ヵ月程度はとにかく「ひたすらアナデンをプレイするのだけが仕事」になります。
──なんと贅沢な仕事……!
藤代氏:
今は9年分という膨大なシナリオが積み重なっているので、それらをすべて踏まえたうえで次の物語を書かなければいけません。そう考えるとインプットはものすごく大事になってくるんです。
だからこそ、それだけの時間をしっかりとるべきだと思っていますし、新しく入られた方にもいつもその形でお願いしています。
ただ、2ヵ月ではとても終わりませんね。基本的には半分もいかないくらい、それほど膨大な量です。
──『アナザーエデン』には「他ストーリーのクリア状況」や「キャラの所持状況」でセリフが変わる仕様があります。こちらは一体どうやって管理、調整をされているのでしょうか。
藤代氏:
すべて人力で確認しています。機械的にチェックするシステム化はなかなか難しいですね。
まずは過去作を徹底的に読み込んで、頭に入れる。そのうえで、とくに大型のシナリオに関しては、「プレイ会」のような形で、シナリオチームに限らず開発チーム全体でテストプレイを行うんです。
スタッフのみんなが『アナザーエデン』を大好きで、すごく詳しいからこそ、成り立っている体制かもしれません。
──開発チームのみなさんの「愛」に支えられているわけですね。とはいえ記憶だけでは限界があると思いますが……プレイ中のメモや資料作りはどのように工夫されていますか?
藤代氏:
個人としては、シナリオから拾っておきたい情報をひたすら箇条書きにして蓄積しています。チーム内には手書き派と電子派がいますが、私は完全に電子派ですね。
また、チーム内で作っている共有資料として、キャラクター単位の「関係性をまとめた資料」が用意されています。これは「どのシナリオで誰と誰が絡み、どんな内容だったか」を網羅したもので、人力チェックのお供として必ず手元に置くようにしています。
──Tsumuさんの場合はいかがですか?
Tsumu氏:
藤代さんと似ていますが、私は「時代と設定ごと」に自分用のメモを残して記録をつけています。
これをやっておくと、新しいお話を作ろうとした時に「この時代と設定なら、既存のあのキャラが出せるな」「関連する過去のエピソードはこれだな」と洗い出しやすくなるんです。
──本多さんのスタイルも気になります。いかがですか?
本多氏:
基本的に、まずは「自分の記憶」を頼りにしています。もともと『アナザーエデン』をリリース当初からいちファンとしてプレイしてきた身でもあるので、自分の頭に蓄積されているものがベースですね。
不完全なメモだと抜け漏れが発生するので、私はあまりメモを信用していません。必要な時に、その都度細部まで調べ直すスタイルです。
ただ、チームにジョインする際に『アナザーエデン』を最初からプレイし直して、メインストーリーや外伝を自分なりにまとめた資料があるので、それはよく参照しています。あくまで自分用の、記憶を呼び起こすとっかかりのようなものです。
──最後に七崎さんのインプット方法についても教えてください。
七崎氏:
私も本多さんと同じで、チームに加入する際にゲームを最初からやり直しました。その時に、例えば「お弁当のテキスト」といった細かい設定資料まで、できる限りすべて書き残したメモを作ったんです。
その資料をもとに「あっ、これ懐かしいな」とユーザーさんに喜んでいただけるような小ネタを仕込んだりすることもあります。
──それにしても、9年間積み上がった膨大な設定を把握し続けるのは、並大抵のことではないと思います。
七崎氏:
はい。ですが、そのためのシナリオチームだと思うんです。自分ひとりでわからない時は、迷わずチームのメンバーに聞くようにしています。
藤代氏:
各キャラクターには過去に執筆した担当者がいて、やっぱりその人が一番詳しいですからね。「過去にこのキャラを書いた人」に聞けば、大体のことはスッと解決します。
週に一度は必ず話し合う。大先輩・加藤正人との打ち合わせがワクワクで止まらない理由
──シナリオチームのみなさんにとって、大先輩である加藤さんの存在は非常に大きいと思います。一緒に仕事をする中で、加藤さんから影響を受けたことや印象深いやりとりを教えてください。
藤代氏:
加藤さんの「過去に作ったものと同じものを作ってもしょうがないじゃないか」という言葉は、今でも忘れられません。
あれほどの名作を生み出しながらも、過去を振り返ることなく最新の作品をインプットし、つねに「次は何を作ろうか」と向き合い続けている。「自分もそうありたい」と思わされる生き様です。
創作論や技術だけでなく、こうした「心構え」を語られるお姿が、とても印象に残っています。
七崎氏:
私が加藤さんに対して一番すごいと思っている部分は、クリエイターとしての「貪欲さ」ですね。「現状維持」で満足することなく、つねに新しいおもしろさに挑み続けています。
主人公のアルドが「前に進むしかないだろ」と言うように、ご自身がそれを体現されているんです。その後ろ姿を見ていると、「自分もがんばらないと!」と強く憧れます。
──実際の現場では、加藤さんとはどのような体制で、どの程度コミュニケーションをとっているのか気になります。
藤代氏:
加藤さんはシナリオチームに所属していただいているので、最低でも週に1回は必ず話す機会があります。その際に、気付いたことがあれば発言してくださることが多いですね。
もちろん、メインストーリーのお手伝いなど、同じ仕事に関わるタイミングでは頻度も上がります。
本多氏:
私が一番接したのはメインストーリーをお手伝いした時なんですが、加藤さんの引き出しの多さには本当に驚かされました。
「どういう街や世界観にしようか」と話しているとき、すごい勢いで新しいアイデアがどんどん出てきて、聞いているだけでワクワクするんです。
長く作品を作り続けているのに、まだこんなにやりたいことが溢れている。「自分もこんなクリエイターになれたら」と憧れつつ、すごく遠い存在にも思えた瞬間でした。
Tsumu氏:
私は直接一緒に仕事をした経験はまだないんですが、お話しする機会はすごくたくさんあるんです。
だから自分なんかは、けっこう軽率に「この設定使っていいですか?」「加藤さん的にどうですか?」と、気軽に相談させてもらっています。
──雲の上の大先輩かと思いきや、そこまで気軽に相談できる関係性なんですね。
Tsumu氏:
ええ、壁を感じるようなことはまったくありません。むしろ「最近はなんかおもしろい作品ないの?」と、加藤さんから聞いてこられることもありますよ。
本多氏:
それに、こちらからの提案には「いいね、おもしろいね!」と気さくに応じてくださる。大先輩なのに、同じクリエイターとして向き合ってくれるんです。
七崎氏:
私が外伝「螺旋の記憶と原初の旋律」を担当した際もそうでした。設定について何度も質問させていただいたんですが、加藤さんなりのお答えはありつつ、「お客さんが喜ぶようにしていいよ」と任せてくださったんです。
藤代氏:
私たちがやりたいと言ったことを止められることは、基本的にないですからね。本当に懐が広い方なんだと思います。



