2025年の年末に10年という歳月をかけて第2部終章を迎えた『Fate/Grand Order』。現在はその先の物語やイベントなどが開催され、ファンの高い熱量が続いている。
そんな『FGO』だが、2026年7月17日(金)から9月14日(月)まで展示会「Fate/Grand Order展 -星見の回廊-」が東京・六本木にある森アーツセンターギャラリーにて開催される。
展示会は7つのエリアで構成されており、貴重な資料やストーリーを振り返る展示物、また展示会のために描き下ろされたイラストや色紙、物販など盛りだくさんの内容だ。
開催の前日である7月16日にはメディア向けの内覧会が行われたので、その様子をレポートする。なお、本展示会は第2部終章をクリアしたファン向けのものとなっているので、レポートを読む際は注意してほしい。
ボイスガイドは、高橋李依さんら豪華声優の“ここだけの声”。没入感がまるで変わる
この展示会の入場にはチケットが必要で、通常入場券とグッズ付き入場券が用意されている。グッズ付き入場券は、展示会のために描き下ろされたマシュのレイヤードアクリルブロックが特典だ。
それとは別に、通期の来場者特典として小冊子とブックマーカー、さらに週替わりの来場者特典としてA5サイズカードをもらうことができる。
週替わり特典は期間によって配布されるキャラクターが違うので、チェックしておくといいだろう。
今回の展示会にはボイスガイドもあり、1000円で購入できる。
それぞれのエリアで、マシュ・キリエライト役の高橋李依さんをはじめとした豪華声優陣による、ここだけのボイスが聞ける。展示会への没入感がより増しそうだ。
最初のエリアは「エントランス」、そして「オープニングシアター」だ。
「エントランス」は薄暗く、星に囲まれているような部屋にマシュのフィギュアが展示されており、次への期待感が高まった。待機していると、スタッフに誘導されて「オープニングシアター」へと進むことができる。
「オープニングシアター」は撮影不可となっている。ここでしか見られない描き下ろしのアニメが上映されていたが、短いながらマシュの成長を見守るような映像で、とてもあたたかく切ない気持ちになった。
クオリティも高く、何度も見たいと思ったので、早く一般公開してほしいと今から思ってしまうほどだ。
天井まで資料で埋め尽くされた「制作資料室」。500万字が、紙の束になって目の前に
次に進むと、そこには「制作資料室」が広がっている。
第2部が終章を迎えたこともあり、第2部第1章以降を中心とした展示になっていた。見たことのない資料が山のようにあり、思わず興奮してしまう。
全身図、シナリオ、絵コンテと本当にさまざまな資料があり、いくらでもいられそうな空間だ。それも台の上にとどまらず、天井まで展示されている。ずっと見ていると首が痛くなるほど。
どんな小さな文字も見逃したくなくて、時間が許す限りじっくり見たくなるだろう。しかしここは、まだ7つのうちのふたつ目のエリア。夏場の体力配分には気をつけたいところでもある。
さまざまな資料がある中でも目を引いたのは、中央に置かれたシナリオの紙の束だった。
『FGO』は宣伝文句でもシナリオが500万字を超えるとうたわれているが、実際に物量として目の前にすると、とんでもない量だ。
筆者はシナリオライターでご飯を食べているため、自分の残りの人生であとどれだけのシナリオを世に残せるのだろうか、と思わず眉間にしわを寄せた。
10年で割っても1年50万字ということがとてつもないし、それが今でも増え続けている。また『FGO』が何かの終わりを迎えるとき、この紙の束はどれだけ増えているのだろうか。
先ほど第2部の資料が中心と言ったが、もちろん第1部の資料もあるので、ここにも注目してほしい。展示には初期のバトルの映像データも流れていた。
どのように変化して今のバトルになっていったのか、想像を膨らませるのも楽しいところだ。
歴代イベントの小ネタがぎっしり。ジオラマも立体物も見ごたえ抜群の「イベントストーリー保管庫」
たくさんの資料の次にあるのは、また物量の多い「イベントストーリー保管庫」。
突然現れるリヨ先生によるイラストの巨大フォウくんで「いったいどんなエリアなの?」と思ってしまいそうだが、周りを見ると、まるで文化祭のような、はたまたお店の裏を覗いているような……そんな気持ちになるエリアとなっていた。
名前の通り今まで開催されたイベントたちの、小ネタ満載の展示となっている。「こんなイベントあったな」「周回のために〇〇を倒しまくったな」と思い返し、懐かしさを感じるエリアとなっていた。
フォウくんも含めて、ジオラマ的な大きな展示物もあるので、見ごたえは抜群だ。立体物はいろいろな方向から見られるのもよく、作った人のこだわりや技術を感じられて楽しめる。
時間や場所が許すなら、自分の持ってきたアイテムと一緒に撮影するのもいいかもしれない。
部屋には隅から隅まで小ネタが満載なので、ぜひ見逃さないでほしい。意外なところに、とんでもないものがあるかもしれない。手を触れてはいけないので、ルールを守ってきっちり見てもらえればと思う。
いなくなった仲間に、もう一度会える「カルデアの旅」。推しがいるなら、時間を忘れる
そんな明るい「イベントストーリー保管庫」を過ぎると、次は「カルデアの旅」のエリアだ。マシュのモノローグから始まり、今はいなくなってしまった仲間たちの姿を見ることができる。
ファンにとっては寂しさや悲しさを覚えるエリアにもなるが、展示された大きなイラストを見るとやはり嬉しい気持ちにもなる。その中に大好きなキャラ、推しがいるならば、じっくりと眺めて時間を過ごしてほしい場所だ。
そんな中でもおもしろいと思った展示が、こちらのスタッフのID一覧。IDをこうして保管しているのを見ると、しっかりした組織に見える気がする。
実際はとてつもなくヤバいことをしている組織なので、その認識は間違いなのだが……。ストーリーにはあまり出ないスタッフの名前と顔もしっかり記載されていて、ファンとしても嬉しい展示だった。
次に目を引いたのは、それぞれのストーリーのイラストをまとめた展示だ。当時プレイした思い出がよみがえってきて、いろいろな感情があふれた。
ところで、それぞれの章の背景にある大きな一枚絵に見覚えがないのだが、どこかで発表されたものなのだろうか。ストーリーのイラストに負けない素晴らしい絵なので、こちらもじっくり見ていただきたい。そして、このイラストのグッズをぜひ発売してほしい。
奥に進むと、等身大といってもいい大きさのマシュが現れる。今までのマシュのイラストも展示されていて、マシュと歩み、成長した旅だったことを振り返れる。
このマシュのエリアの展示は花があふれていてとても綺麗なので、イラストや等身大はもちろんだが展示の仕方もぜひ注目してほしい。マーリンからの贈り物かもしれないと思うと、また乙な気持ちにもなる。
そして「カルデアの旅」の最後は、発表され注目も集めていた描きおろしのグランドクラスのサーヴァントたちのイラストが展示されていた。
素晴らしいのはもちろん、その大きさもあって圧巻だ。イラストの細部まで見られる嬉しいエリアとなっていた。筆者と旅の終わりを迎えてくれたグランドサーヴァントはヘラクレスだったが、もし描き下ろされていたらどんな姿だっただろう?と思いをはせることとなった。
5つ目のエリアは展示会のタイトルでもある「星見の回廊」。こちらも撮影不可となっているので、ぜひ来場して直接見てほしい。
第2部の第1章からの戦いを見ることができ、印象的なセリフも流れる。他に人がいなければ泣いていたエリアだ。体験する機会があるのであれば、終わりにある演出にも驚いてほしいところ。
色紙とサインに滲む、『FGO』への愛。「メモリアルメッセージ」でシャッターが止まらない
そして終わりが近づく6つ目のエリアは「メモリアルメッセージ」。シナリオライターやイラストレーターたちの色紙を見ることができる。
もちろん、『FGO』、『Fate』といえばの武内崇氏、奈須きのこ氏の両名の色紙も。各クリエイターの『FGO』に対する思いを垣間見ることのできるエリアとなっていた。
そしてもちろん『FGO』を声で彩った声優のキャストのサインやメッセージも展示。たくさん写真を撮って見返したくなるエリアとなっていた。
最後のエリアは、楽しみなファンも多いであろう「FGOストア」。ぬいぐるみをはじめ、ステッカーやアクリルスタンド、マグネットなど種類が豊富だ。家や会社にお土産として持って帰れる食べ物系のアイテムも用意されている。
個人的に「いいな!」と思ったのは「グランドクラスアイコンピンバッジ」。クラスアイコンの立体的なバッジは今までなかったかと思うので、ぜひ手に入れたい。お気に入りのサーヴァントのものを入手するのもいいし、いくつか買って並べて眺めるのも楽しいだろう。
また、先ほどの「カルデアの旅」で展示されていた描きおろしのグランドサーヴァントたちも、グッズとなっているので、家に持ち帰ることができる。
ランダムではないのも嬉しいポイントだ。グッズの詳細は公式サイトにも展示されているので、行く前にチェックしておくのが良いだろう。
グッズを買ってほくほくしながら帰る……だけではない今回の展示会。同じ階にある「THE SUN & MOON(Cafe)」では、同期間に限定コラボレーションカフェが開催される。
マシュの盾をモチーフにしたハンバーガーやレオナルド・ダ・ヴィンチのイラストが飾られているディアボロピザなどがある。
今回の取材ではいただくことはできなかったが、筆者はよく展示会を見に来てこちらのカフェで食事をして帰っている。美味しいのでおすすめである。
コラボレーションメニューを頼むとコースターをもらえるとのことなので、こちらも忘れずに思い出の品としてゲットしておきたい。
川澄綾子さん、坂本真綾さんが語る、『FGO』との10年
そして今回の取材では、アルトリア・ペンドラゴンをはじめとしたキャラクターを演じる川澄綾子さんとジャンヌ・ダルクをはじめとしたキャラクターを演じ、主題歌を担当している坂本真綾さんのゲストセッションが行われた。
ふたりとも「オープニングシアター」では、映像からこみ上げるものがあるような思いがあったようで、『FGO』の世界に浸る準備ができたとのことだった。しかし次のエリアの展示資料の多さに時間を使ってしまい、全然見切ることができなかったそう。
『Fate』の顔であるアルトリア役を演じる川澄さん、主題歌を担当している坂本さん2人の『FGO』に関わった時間はサービス開始前からだ。
そのこともあり、懐かしく、ずっと一緒に人生を共にしてきたんだと実感されていたようだった。そして武内崇さんと奈須きのこさんに対しては、口を揃えたかのように「ずっと健康でいてほしい」とコメントしていた。
ゲストセッションでも語られていたが、本当に10年という月日、人生を共にしてきたなと、展示会を見ながら思い返していた。
サービス開始日に会社の同僚とダウンロード競争をした時のことを、昨日のことのように思い出すことができる。これは自分の例だが、サービス開始からプレイしていなくとも、10年でなくとも、『FGO』と共に歩んできて、ストーリーと自分の人生の出来事がどこかで紐づいて思い返される。
そんなファンも多いのではないだろうか。終章では「これまでの旅は楽しかったですか?」という問いがあったが、その答えを彩る記録が「星見の回廊」では広がっているだろう。興味があれば、ぜひ足を運んでほしい。



























