ゲームの歴史が始まって以来、さまざまな創造性に富んだタイトルが世の中に生み出され、プレイヤーたちの間で親しまれてきた。
今回お届けするのは、国内最大級のゲームカンファレンス「CEDEC2026」の講演、「私が出会った素晴らしいゲーム、クリエイター、そしてその創造性について」である。登壇されたのは、数々のタイトルを手がけてきた吉田修平氏。
本稿では、氏がキャリアの中で関わってきた26個のゲームタイトルと、クリエイターたちについて語るセッションのレポートをお届けする。
Creator or IP
最初に、吉田氏は「Creator or IP」が “ゲーム業界究極の選択“ であると語った。この問題に正解はないが、同氏はクリエイターを優先してきたという。
プレイステーションのマスコットとして作られた『クラッシュ・バンディクー』のローカライズを担当した吉田氏は、キャラデザや難易度調整に携わった。テーマソングも印象的な本シリーズは、大ヒットを記録した。
『グランツーリスモ』を制作した山内氏は戦略家であり、一度ボツになった『グランツーリスモ』の準備として、『モータートゥーングランプリ』でリアルなハンドリングを取り入れていたという。
吉田氏は、山内氏を「ディレクター」と「プロデューサー」を兼ね備えた稀有なクリエイターであるとした。
アナログスティック専用ゲームとして作られた『サルゲッチュ』では、フラフープやプロペラなど、スティック2本でできることを考える時間が楽しかったという。
上田氏の動画から開発された『ICO』は、クオリティの追求によってなかなかフレームレートが上がらず、PlayStation 2での制作となったとのこと。なお、本作について、吉田氏は最後まで携わることはできなかったとも振り返った。
吉田氏は、アメリカで携わった『ラチェット&クランク』について「楽しいストーリーで、手触りも良い」と語った。
吉田氏は、アメリカでは「会社」より「業界」単位でのつながりの強さが重視されており、会社間でノウハウを共有していることに驚いたそう。
それらの活動の成果が『God of War』であり、本作は世界的な評価を受けた。
グラフィックが向上した『アンチャーテッド』では、「リアリティ」と「快適な操作感」が目標とされた。
本作のエンジンが、各社のPS3ソフトの開発に使用されたとのこと。
DL専用ゲーム『PixelJunk Monsters』や、『リトルビッグプラネット』は、そのアイディアが印象的だったと吉田氏は語った。
『Demon’s Souls』については、ゲームの開発において「クリエイターの作りたいユーザー体験を理解すべき」と、自身の反省点を述べた。
吉田氏のもっとも思い入れのあるハードであるPS Vitaの『GRAVITY DAZE』は、本体を動かしながらプレイできることで高評価を受けた。
本作のように、当時のソニーのジャパンスタジオは創造性に富んでいたものの、会社はハードを牽引していくような大スケールのゲームを求めていたこともあり、閉鎖に至ったという。
人の感情や人生を動かすゲームとして各国のゲーム賞を受賞した『風ノ旅ビト』について吉田氏は、「誇らしいタイトル」と語った。
吉田氏は、アイテムを取るたびに音が増えて音楽になるという『サウンドシェイプ』のアイディアに感動したと語った。
吉田氏は、『Bloodborne』を「ソウルライク最高傑作」と評し、ファンとして、続編やリマスターを期待していると続けた。
VRゲームを初めてプレイする人の驚きっぷりは非常に楽しく、特に『Rez』では、プレイ中に感動で涙を流した人がいたことが印象的だったと吉田氏は語った。
『人喰いの大鷲トリコ』は、10年以上の期間で開発された異例のタイトルであり、当時、インタビューで毎回のように吉田氏は進捗を聞かれたそう。
『ASTRO BOT』を開発したTeam Asobiについて、吉田氏は「優秀でクリエイティブなチーム」と語った。
吉田氏が特に好きなインディーゲームが『Fall Guys』で、「毎日SNSに動画を投稿していた」とのエピソードも飛び出した。
吉田氏が関わった最後のタイトルのひとつで、日本のスタッフの協力を得て開発が進められた『Ghost of Tsushima』は、日本で100万本の売り上げを記録した。
『Stray』は、ネットで公開された映像をきっかけに吉田氏が支援を決めたタイトルで「ゲームを見たとき、応援することに決めた」とのこと。
アイトラッキングによって、見るだけで対象を選び、攻撃できる『Synapse』は、超能力者気分を味わえる素晴らしいゲームだと吉田氏は語った。
『Stellar Blade』は、キム氏によるハイクオリティなタイトルであり、吉田氏は、続編も楽しみにしているとした。
吉田氏は、パリィを極める『九日ナインソール』を「2024年のNo.1」とし、アクションファンにオススメしたいと語った。
小さいチームで作られ、数々の賞を受賞した『Clair Obscur』について吉田氏は、工夫次第で名作を生み出せることに感銘を受けたと語った。
今年発売予定の『Beast of Reincarnation』について吉田氏は、「すぐに家に帰って遊びたいくらい面白いです」と笑顔でコメントした。
吉田氏は、「これからも共創を続けたい」と講演を結んだ。
吉田氏が本講演で挙げられた数々の名作ゲームを辿っていくことで、30年にわたるゲーム史にも思いを馳せることができた。
これらの名作たちを生み出してきたクリエイターたちが新たに手がけるタイトルや、今後の展開にも期待したい。




























