『FF』の新作が遊べるぞー!
スクウェア・エニックスよりHD-2D初の『FF』作品として10月22日にリリースされる『ファイナルファンタジー レゾナンス』。本作は2025年に惜しまれつつサービス終了した『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス(FFBE)』を「再構築」した作品だ。
スマホゲームの物語をコンソール向けに生まれ変わらせるという、珍しい試みである本作。キャラクターやストーリーは『FFBE』を下敷きにしつつも全面的にアレンジが施されているとのことで、決して単なる移植やリメイクではないゲームとなっている。
このたび、本作の序盤にあたる1章をまるごとプレイできる体験版が配信となった。本稿では、その体験版のプレイリポートをお届けする。
約5時間のプレイで見えてきたのは、本作がいかに「ドット絵時代の『FF』らしさ」と「RPGの美味しいところ」にこだわって作られているかということだ。
「機械と魔法」がぶつかり合うオープニングに始まり、各地に祀られたクリスタルと、それを狙う謎の「六盟傑」を追う主人公たち、そして幻獣……ストーリーの要素だけを取っても、RPGファンなら「そうそうこれこれ!」と言いたくなるようなポイントを上手く押さえてきているという印象だった。
キャラクターも熱血主人公、クールな相棒、不思議な力を持った美少女にいかにも悪そうな悪役と、かなりRPGの黄金期を思い起こさせるようなキャストが揃っている。ただし、決してテンプレ的なキャラクター像ではなく、例えば主人公のレインはピュアでまっすぐだが誰かを守りたいという思いが強すぎるために責任を抱え込んでしまうといった風に、深みのあるキャラ付けがされている。
言うなれば、まさに「こんな『FF』が見たかった!」と思えるような触り心地。それでいて単なる「懐かしさへのオマージュ」にとどまらず、現代向けにアップデートされた体験に仕上がっている。
もちろん、「新作RPG」として見ても完成度の高い作りになっているため、これまでの『FF』を知らない人でも十分楽しめる作品だ。
では、そんな『ファイナルファンタジー レゾナンス』の魅力を、オープニングと序盤のストーリー、バトル、そしてキャラクターという4つの側面からご紹介していこう。
なお、今回プレイした1章を遊べる体験版は9月4日より各プラットフォームにて配信される。また、本作のド派手な演出を紹介するYouTube動画も公開中。こちらもぜひご覧いただければ幸いだ。
文/海ソーマ
※画面はすべてSteam版のものです。
「冒頭15分」ですでにテンションMAX。オープニングは怒涛の展開でワクワクする
まずお伝えしたいのは、本作は「冒頭15分でプレイヤーの心を掴む作品」であるということ。とにかくゲーム開始直後からはじまるオープニングのワクワク感がすごいのだ。
タイトル画面でおなじみのメインテーマに迎えられながら「NEW GAME」を選択すると、まずはとんでもないクオリティのオープニングムービーが始まる。
3Dとドット絵が融合した緻密なアートスタイルで描かれるのは、魔法と機械が争ったかつての戦乱の模様。魔法使いと兵士が争う中、魔導アーマーや空飛ぶ戦艦を謎の女性が操る「バハムート」とおぼしき幻獣が蹴散らしていく。
この「かつての戦乱」「魔法vs機械」というオープニングがじつに『FF』らしい盛り上げ方でテンションが上がる。

その後、幻獣を操る女性(「魔人」と呼ばれていたらしい)を操作してチュートリアル戦を勝ち進んでいくのだが、最後に立ちはだかったのが鎧に身を包んだいかにも強そうなキャラ。
すると言葉を交わすやいなや、2人はバトル開始。ドット絵のキャラが超大技を次々と繰り出す戦闘演出が挿入される。
なんかラストバトル始まってない?
魔法使いの人は「これが最終決戦ね」とか言ってたし、鎧のキャラはラスボスの風格ありまくりだし、もうここで世界の命運が決まりそうな勢いだ。
見るからに超火力な攻撃の応酬が続いたのち、魔法使いの人が倒れてしまう。どうやらそのままクリスタルに封印されてしまったようだ。
「今、長き戦いの歴史に終止符が打たれた」とご満悦の鎧の人。しかし、突如クリスタルがなんかヤバい現象を起こし始める!
上空にブラックホール的なものが出現し、大地が破壊される。そして鎧の人がひと言「俺達は裏切られた……」
果たして、クリスタルに何が起きたのか?
そして、鎧の人物の狙いは何だったのか?
多くの謎を残したまま世界は引き裂かれ、戦いは歴史の闇に葬られた……というのが、本作のオープニングである。
これだよ、これこれ!
歴史上の戦乱、正体不明の女性キャラ、ラスボスっぽい強キャラ……と、多くの謎を提示しつつ世界観とストーリーの広がりを感じさせる、まさに、「RPGの王道」ともいえそうな導入だ。
そして、なんといっても「クリスタル」と「幻獣」ですよ。クリスタルは言わずと知れた『FF』を象徴するモチーフだし、幻獣は『FF4』『FF6』などで使用されていた「召喚獣」に相当する用語。懐かしの『FF』を思い起こさせる要素をしっかり盛り込んでおり「ドット絵で『FF』を描く」ことへのこだわりを感じさせる。
そんなワクワク感が、ド派手なムービーや技の演出をこれでもかと詰め込んで描かれる、非常に満足感の高い冒頭の15分間であった。
ゲーム冒頭も「王道」の流れ。敵キャラ「六盟傑」が良すぎる
そして時代は移り、穏やかな時代の王国へ場面が切り替わる──
ここでついに本作の主人公である「レイン」が登場。『FFBE』での活躍もおなじみの、飛空艇部隊隊長を務める熱い男だ。彼が王様に呼び出されたところから、本作の物語が本格的にスタートする。
聞けば「クリスタルの神殿の様子がおかしいので調べに行ってきてほしい」とのこと。いいですねえ~この絶対に何かが起こりそうな予感のする冒頭。「王様に呼び出されて任務を告げられる」というシチュエーションもじつに「ドット絵RPG」っぽさを感じさせる。
ここで、本筋にはあまり関係ないのだがどうしても言っておきたいことがある。それは……
王様かっこよすぎん?
歴戦の強者感満載の、威厳のある佇まい。そして優しくレインに語りかける渋い声。RPGの王様といえばもっと「おじいちゃん」的なキャラを想像しがちだが、これもビジュアルの強いキャラたちが揃う『ファイナルファンタジー』らしさということだろうか。普通に戦っても強そうな頼もしさに満ち溢れている。
そして、この後レインはクールな幼馴染の騎士「ラスウェル」とともに神殿へと向かい、オープニングに登場した「鎧の人」によるクリスタルの破壊を目撃。
さらには王城が襲撃され、魔力を増幅させるという「神器」が奪われる。駆け付けたレインの前に現れたのは「鎧の人」改め「常闇のヴェリアス」をはじめとする「パラデイアの六盟傑」たち。各属性に対応しているとおぼしきカラーの鎧に身を包んだ集団だ。
この「謎の鎧の集団」という属性、そして「六盟傑」というネーミング……「RPGの悪役」としてこれ以上ないくらい「しっくりくる」。
そしていわゆる「負けイベント」により圧倒的な力の差を見せつけられるという流れも満点だ。

圧倒的な強者のオーラを放つ常闇のヴェリアスにかなうはずもなく、絶体絶命のピンチに陥るレインたち。
すると、突如「レインはやらせない!」と光り輝く少女が出現。強力な魔法攻撃で六盟傑を退散させることに成功。
しかし、いろいろ知ってそうだった謎の少女は力を使った代償か、「フィーナ」という名前以外の記憶を失ってしまった様子。
その後、王様の命を受けたレイン、ラスウェル、そして記憶を失った謎の少女フィーナは六盟傑によるクリスタルの破壊を止めるべく冒険に出発。古の戦乱をめぐる因縁へと巻き込まれていく……というのが、本作の冒険の始まりとなる。
たまらん……
繰り返しになるが、まさに「王道」。いうなれば「RPGの基本に立ち返る」といった雰囲気の手触りだ。我々ゲーマーがどこかに共通認識として持っている「ドット絵RPG」のイメージに忠実に、それでいて『FF』らしいクールさも外さずに提供してくれる。
この安心感は、尖った作品の多い現代においてはかえってユニークに見えるかもしれない。
聞けば本作は「もし『FF』がドット絵のまま進化していたら……?」というコンセプトのもと生み出されているとのこと。
オープニングからゲーム冒頭の流れだけを見てもまさに「昔ながらの『FF』らしさ」と「RPGの美味しいところ」をじっくりと煮詰めたような作風であることがうかがえるのではないだろうか。
ドット絵が動きまくるバトルは「ブレイク」がカギ。さらには過去作主人公のド派手な必殺技も
前述のとおり、本作では世界各地に祀られたクリスタルをめぐる物語が展開していく。ストーリーの進行に合わせてダンジョンに赴き、ボスと戦っていくという流れになるようだ。
こう書くとかなりオーソドックスなゲーム進行スタイルに思えるが、本作はただ「昔風」なだけではない。合間にサブクエストがあったりキャラの立ち絵やボイス付きのイベントシーンが挿入されたりと、いろいろな面が現代向けに強化されている。

そして、特筆すべきはやはりグラフィックの雰囲気だ。HD-2Dの面目躍如といった具合に3Dの背景と2Dのキャラが上手く調和して、深みのある世界を生み出している。
イベントシーンはもちろん、戦闘中も細部まで描かれたドット絵のキャラが動くので、「現代にガチで作ったドット絵RPG」というコンセプトの魅力をプレイ中1度も途切れることなく存分に味わうことができるのだ。
各キャラの必殺技のような立ち位置の「リミットバースト」はそんなドット絵演出の真骨頂だ。戦闘中に溜まる「リミットゲージ」を消費することで発動できるのだが、レインが炎をまといながら敵に斬りこんだり、ラスウェルが月夜を背景に居合斬りを決めたりと、キャラのイメージや特性に合った技が用意されている。
そして、今作の戦闘はただダメージを与えるというだけでなく、敵キャラそれぞれに設定された「ブレイクゲージ」を削って有利な展開を作り出すという要素もある。
HPバーの下にゲージが表示されており、攻撃によりゲージを削りきって敵を「ブレイク状態」にすれば敵はそのターンの行動ができなくなるうえに、より多くのダメージを受ける状態となるというものだ。

しかも、敵をブレイクさせた味方キャラはターンの最後に再度行動することができる。積極的に狙って損はない、いいことずくめのシステムだ。これにより、ザコ敵戦であっても「まずはこいつをブレイクして、再行動でこっちを狙って……」という具合に戦闘に「展開」が生まれる。
そして、すべての敵をブレイク状態にすると「フルブレイク」状態となり、すべてのキャラクターが再行動できるうえに「レゾナンス」という大技を使用することができるようになる。タイトル名になっているだけあって、レゾナンスの演出はかなり気合の入ったものになっている。
いけ! クラウド!
……え? クラウド?
そう、本作は過去作キャラのゲスト出演も楽しめるようになっているのだ。
『FFBE』でも登場していた「ビジョン」と名づけられた異界の戦士の幻影を装備することで、各キャラクターの能力をパーティメンバーに宿すことができる。そして、それぞれのビジョンに用意された必殺技がレゾナンスである、というわけだ。
おなじみのクラウドは『FFVIIリメイク』シリーズの姿で登場。「クライムハザード」という技で敵をメッタ斬りにしてくれる。ムービーに加えて戦闘画面に表示された2Dキャラによる攻撃演出も見られるので一粒で二度美味しい。
ドット絵の戦闘画面にいきなり3Dのイケメンが登場するとびっくりするが、これはむしろ「異世界の英雄が応援に来てくれている」という感覚が強調されていて設定的にもしっくり来るのではないかと思う。
ビジョンは世界各地に散らばった祠から入手するのだが、その際にキャラの記憶をたどるという建付けで過去作のストーリーをざっくりと紹介してもらえる作りになっている。

前回のプレイ記事でも紹介したが、既プレイの人は「懐かしいな〜」と思い出に浸れるし、未プレイでも「そんな話なんだ!」とネタバレしすぎない塩梅で過去作を知るきっかけになるという、いい具合に考えられたシステムだ。
ちなみに今回のプレイ範囲であった1章ではそのほかに『FF1』の「ウォーリアオブライト」、『FF6』の「ティナ」を入手することができた。ふたりとも期待に違わないド派手で強力な攻撃をぶっ放してくれる。
さらにパーティメンバーのうちひとり「フィーナ」は「幻獣」を召喚することも可能。幻獣は一定のターン戦闘を共にしてくれるほか、最終ターンには大技を発動して援護してくれる。消費MPは大きいが、頼もしい味方だ。
例によって登場シーンや大技の発動時にはガチクオリティの演出が見られる。かつてドット絵の『FF』で幻獣を召喚していたプレイヤーの脳内でも、このような映像が再生されていたのではないだろうか。そう考えると、妄想が現実になったようでなんだか感動的である。
そんな風に、懐かしさに溢れつつも現代らしい派手な演出を楽しめる戦闘も『FFレゾナンス』の魅力のひとつといえる。









































