「いや~、えらいもんで、
この解説コーナーも
もう5回目ですよ。
どうですイクサオトメさん、
振り返るとけっこう長い道
だったなあって思います?」
「なんでだ
なんでいま振り返る
まだ今回も
魂の磨かれようは
足りぬ
足りぬ
足りぬ
またやるぞ
まだやるぞ
おまえもその反省のため
これをやってくれている
のではなかったのか」
「……あー、えー、
反省のため。
それは確か、かな。
ええ。そこにウソはない。
あれですよ。
『5』って区切りいい
じゃないですか。
シンクロの武具の限界突破も
5回までですしし。
Twitterも5人連続で
ブロックされたら凹みますし」
「おまえのいうことは
しばしばわからん
ともあれ解説だ
やるぞ
いくぞ
ん
具合わるいのか」
「……いえっ! そんなことは!
行きましょう!
もちろん!」
「……
今回の巡礼の流れだが
フレイグが最初に『犠』となり
『狼』は一度 なりをひそめた
しかし不穏ぬぐえぬ2日目に
クマが来襲
ゴニヤが瀕死の重傷を負うも
やがて不自然に回復する
疑念うず巻く中『儀』が行われ
『犠』となったのは
ビョルカであった」
「これで収まればよかったが
翌朝死体となったのは何と ゴ
ヨとウ どちらが『狼』か
当人にすら決め手がない状況で
ヨが冒とく的な一計を案じ
『自分が死ぬか 誰も死なぬ』
この2択となる
これでヨがたおれ ウのみが
生き残る結果となったのだが
ひとり雪原をさまようウは
何やら奇怪な独り芝居をしつつ
結局は倒れるのであった」
「いや~、
確かに奇怪でした。
奇怪は奇怪だったんですが、
自白めいた独り芝居で
ハッキリしたことも
ありますね?
ウルヴル氏がゴニヤ氏を
殺害したこと、
ウルヴル氏の……別人格?
みたいなものが、犯行に深く
関わっていること、
あと、ウルヴル氏の動機……」
「信仰の道は 狭く険しい
我という神が示そうとも
死を乗り越えんとする道は
とくに子供や老人には
いっそう狭く険しいものだ
そのうえ巡礼者たちは
それを2人分抱えて……
いや なんでもない」
「ん~~~?
2人分???
ウルヴル氏については
な~んとなく分かる言い草、
でも……巡礼者『たち』?
ふ~むふむ??」
「……
ききながせ」
「しょうがないなあああ!!!
今回だけですよおおお!!!
いけない。興奮しすぎて
どっかの病棟みたいに
なっちゃった。自重しないと。
ん~だけど、
ウルヴル氏以外にも謎はまだ
残ってるのか。
ゴニヤ氏の致命傷とか。
ヨーズ氏が寝ちゃう件とか」
「そうなるな」
「あと……
ウルヴル氏って、
レイズル氏の殺害までは
認めてませんでしたよね?
実は他にも『狼』が?」
「知らぬ
レの男はなぜ死ぬのだ」
「あんたが知らんで
どーすんです!?」
「まあ そんなかんじだ
さて
『次』へいくか」
「史上空前に短いアフター!!
なぜに!?
せっかくなんですからもっと
たくさん話しましょうよ~!」
「え
いや
どうした
本格的に不調か
だいたいいつも
訳わからん言い争いから
殺し合いで終わるだろ
そのせいで具合が悪いなら
さっさと切り上げるのが
最善であろう」
「くああああああ!?
何ですかその不気味な優しさ!
要らないですよ! でないと!
決意がにぶるでしょお……」
「……
あいかわらず
意味はわからぬが
ただごとではないな
我は死と生を司る神
いわば人の悩みのすべてを
司っているといってもいい
話してみろ
わかるように
わかるように
わかるように」
「どっこい問屋がオロナイン!
この不肖アオイトリ、
露悪と沈黙はたしなみますが、
詐欺とフォアグラは絶対にやら
ないってママと約束したから!
いやママなんていなかったわ!
という具合に嘘はつけません!」
「かように アオイトリは
こたび具合が悪い
というわけで
ヴァルメイヤ隔離
とおう」
「イヤアアア閉じ込められた!!
結界か何かに! 出せェー!!」
「なにかいっておるが
聞こえんな
数分で解けるゆえ
まっておれ
こほん
『プレイヤー』とやらども
こたびの巡礼の見守り
大儀であったな
『次』も
そのまた『次』も
よろしくたのむぞ
ではな」
「……
ないんです、『次の次』は……
イクサオトメさん……」